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中国における事業再構築入門第4回(清算編3)


昨今ニーズが高まっている中国を中心とした事業再構築について解説していきます。事業再構築としては、中国の制度上多様な方法が認められており、目的にあった方法を選択していく必要があります。

今回は、前回に引き続き撤退方法の一つである清算について取り上げます。前回は清算に関する税務上の留意点について説明しましたので、今回は清算時における労務上および資産処分をする上での留意点についてみていきましょう。

(1) 労務上の留意点

会社の清算にあたり、従業員との間で締結した労働契約を解除することになります。この場合、経済補償金の支払や労働争議の発生リスクについて留意しなければなりません。

① 経済補償金
清算の場合、会社より提起して従業員との労働契約を解除することになるため、経済補償金を支払わなければなりません。経済補償金とは、日本の退職金に近い内容になりますが、本質的には退職後の失業状況に対する生活補助の意味あいが強いものになります。

経済補償金については、企業での勤務期間満1年ごとに、1ヵ月分の相当額の支払が原則となります。

経済補償金=従業員勤続年数(最高12年)×1ヵ月の賃金相当額

例えば、2年3ヵ月勤務している従業員に対しては、月額賃金に2.5を乗じた額を経済補償金として支払う必要があります。

② 労働争議
清算手続に関しては、事前に労働行政部門への説明が必要となりますが、当局のアドバイスを受けながら、労働争議が発生しないようにコントロールしていくことが重要です。また、労働争議の発生を防止するためにも、上記の経済補償金に上乗せして支払うケースもありますので、留意しておく必要があります。

(2) 資産処分上の留意点

清算手続として、まず会社の固定資産等の財産を整理し、貸借対照表および財産明細表を作成します。そのうえで、会社財産から、清算必要費用、従業員賃金、社会保険料および経済補償金等、未納税金、その他債務の順に支払っていくことになります。会社財産の処分および債権債務の整理においての留意点としては以下の事項が挙げられます。
  • 固定資産に関しては、売却して換金することになりますが、売却相手が見つからない場合は、スクラップ処理することとなります。
  • 売掛金・未収金回収時に値引等を要請され、予定どおり回収できないリスクがあります。
  • 関連会社取引において生じた債務については、場合によっては債務免除処理を行うことがありますが、税務上は清算所得の対象となります。
  • 保税在庫や保税固定資産については、追加で増値税の納付が必要となるケースがあります。
会社財産および債権債務整理後の残余資金が、最終的に投資者へ分配可能な金額となります。

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