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中国における事業再構築入門第2回(清算編1)


昨今ニーズが高まっている中国を中心とした事業再構築について解説していきます。事業再構築としては、中国の制度上多様な方法が認められており、目的にあった方法を選択していく必要があります。撤退方法としては、主に清算と持分譲渡がありますが、今回は清算に関して、手続面を中心に説明します。

(1) 清算とは

清算とは、簡単に言うと、法人を解散し、後始末のために財産関係等を整理することをいいます。例えば、業績不振で今後も利益の獲得が難しい場合や合弁先とのトラブル等に今後会社を継続していくことが困難である場合、清算手続を行うことになります。

(2) 清算の種類

外商投資企業(独資企業、合弁企業等)には、3種類の清算方法が認められています。
① 普通清算:会社の判断で自主的に行う清算
② 特別清算:政府の命令等により行われる清算
③ 破産清算:債務超過でかつ政府に認められた場合に行う清算
上記のうち、特別清算は政府の管理下で行われる清算方式になります。また、破産清算は、制度上は設けられておりますが、破産が認められるケースは非常に稀であり、今後の中国ビジネスに支障をきたすおそれもあるため望ましい清算方法ではありません。以下においては、最もオーソドックスな清算方法である普通清算について解説していきます。

(3) 普通清算の手続

① 事前準備
従業員、債権者・債務者への対応を事前に検討しておく必要があります。また、過年度の各種未払税金かないかどうかの確認や免税設備・免税原材料の整理を行なっておくことが望ましいといえるでしょう。これらについては次回詳しく説明していきます。

② 清算の意思決定
業績不振で今後も利益の獲得が難しい場合や合弁契約違反による経営継続不能な場合等、株主会もしくは董事会決議により企業を清算することができます。

③ 原認可機関への清算申請および許可
株主会もしくは董事会決議で定めた日をもって清算開始となります。原認可機関へ清算申請を行います。

④ 清算委員会のメンバー決定および通知
清算開始日から15日以内に清算委員会を組織しなければなりません。清算委員は最低3名で、董事会が董事の中から任命する他、外部の公認会計士や弁護士の専門家を招聘することも可能です。清算委員会は、財産の処分や清算案の作成等の実際の清算手続を行うことになります。

⑤ 債権者等への通知および公告
債権者への通知は清算開始日から10日もしくは15日以内、一般債権者への公告は60日以内に2回もしくは3回行う必要があります。

⑥ 原認可機関の承認
債権者等への通知・公告後、原認可機関に清算手続方針等を提出し、承認を受けた後、実際の清算手続へと移ります。

⑦ 債権債務の整理、財産の処分
取引先・従業員に対する債務の支払いおよび財産の処分を行います。

⑧ 会計監査
公認会計士による、1月1日から清算開始日までの会計監査および清算開始日から財産処分完了後までの会計監査を受ける必要があります。

⑨ 税務登記の抹消
確定した清算所得に基づき納税を行い、税務登記を抹消します。税務当局により過年度の納税状況について調査されるため、追加納税が発生するケースや税務登記抹消に長期間要するケースも見受けられます。

⑩ 送金および企業登記抹消
残余金があれば送金し銀行口座を閉鎖します。その後、営業許可証の返還し企業登記の抹消を行います。

以上はあくまで参考であり、実際の手続きは地方により若干異なりますのでご留意ください。次回は、清算時の具体的な留意点について解説していきます。

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