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租税条約に基づく情報交換事績の概要
~タックスヘイブンへも情報交換要請~


平成24年11月に「平成23年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要」が国税庁より公表されました。グローバル展開する企業にとって、課税当局が国境を越えた取引に関してどのような情報収集の仕組みを持ち、活用しているかを把握しておくことは非常に重要です。
近年の情報交換の実施強化の流れから、思いがけない所で税務調査の指摘を受ける可能性が高まってきていますので注意が必要です。

1. 情報交換の類型と実施状況

  1. 要請に基づく情報交換
    外国税務当局へ必要な情報の収集・提供を要請するものです。平成23年度の国税庁から外国税務当局への要請件数は1,006件と前年度(646件)、5年前の2006年度(165件)から大幅に増加しています。また、その内668件はアジア・大洋州向けとなっています。
    一方、外国税務当局から国税庁への要請件数は299件となり、前年度(84件)の3倍超に増加しています。
  2. 自発的情報交換
    自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で、外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供するものです。平成23年度の件数は354件となっており、アジア・大洋州向けが297件と全体の8割超を占めています。
    一方、外国税務当局から国税庁に提供された件数は341件となっています。
  3. 自動的情報交換
    法定調書等から把握した非居住者への支払等に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ送付するもので、海外投資所得の申告漏れの把握等に活用されています。平成23年度の提供件数は約37万5千件、外国税務当局から国税庁への件数は約17万8千件となっており、前年度の約16万6千件、約12万3千件から、それぞれ大幅に増加しています。

2. 情報交換の実施例

  • 自動的情報交換により入手した資料をもとに、国内居住者の申告状況を検討したところ海外の金融機関からの預金利息が申告されていないことが把握されたため、海外預金口座について情報提供を要請し、回答を受領した。
  • タックスヘイブン国に設立された海外子会社の実態が不明であったので、タックスヘイブン国に対し当該海外子会社に関する登記情報、財務諸表等に関する情報提供を要請し、回答を受領した。
  • 海外法人との輸出入取引に係る債務残高が異常に高額であり、不審であったことから、海外法人における経理処理が分かる帳簿の写し、当該取引に係る契約書、インボイス等の証拠書類の写しについて情報提供を要請し、回答を受領した。
  • 国内法人が、海外取引先に対する支払の一部を、日本国内の銀行の海外取引先代表者名義の口座に送金しており、海外取引先における申告漏れが想定されたことから、この事実を取引先の所在地国・地域の外国税務当局に自発的に情報提供した。
(出所:平成24年11月22日付国税庁公表資料)

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