2011-03-15
中国|中国会計・税務実務入門
個人所得税の年度申告の期限があと半月と迫ってきました。この年度申告は、毎月の申告とは別に、年間の所得が12万元以上の個人は、年度終了後3カ月以内に、年間の所得を申告するものです。毎月の納税を正しく行っていれば、この年度申告により追加で納税することはなく、また、日本の確定申告のように還付されることもありません。
本記事は、現在NNA.ASIAで連載中の「ここに注目!中国会計・税務実務入門」を転載したものです。
申告対象者
申告対象者は、次のいずれかの状況に該当する個人所得税の納税義務者です。- 2010年度の年間所得が12万元以上である。
- 中国国内の2カ所以上により給与・賃金所得がある。
- 中国国外からの所得がある。
- 課税所得があるが、源泉徴収義務者がいない。
申告期限
規定では、年度終了後3カ月以内が申告期限のため、2011年3月31日までとなりますが、税務局の担当官より、それ以前の期限を通知されることも散見されます。申告所得の範囲
個人所得税の課税対象と同様、給与・賃金所得、個人事業による所得、不動産など資産の賃貸や譲渡による所得などです。毎月の個人所得税の申告と同様に、国外で支給された給与であっても、中国内の就労に対する対価である場合は、申告する必要があります。申告方法
申告方法は、◇インターネット申告◇郵送申告◇税務局での申告――の3つから選択することができます。インターネット申告は、まず地方税務局のホームページ上で納税者の基本情報を入力、パスポートなどの身分証明書をスキャンしたファイルをアップロードして納税者登録を行います。次に、申告の画面が表示されますので、所得額などを記入し、データを送信すれば完了です。
郵送、税務局での申告において必要な書類は、「個人所得税納税申告表(12万元申告用)」、パスポートなどの有効な身分証明書のコピーとなります。「個人所得税納税申告表(12万元申告用)」は地方税務局のホームページや税務局で入手することが可能です。
郵送申告では、専用の封筒の両面に「個人所得税自行納税申報」と記入し、上記の書類と返信用封筒を添えて書留(中国語:挂号)にて所轄地方税務局へ郵送します。
税務局での申告においては、本人の申告のほか、代理人による申告や税務事務所と同等の資格を持った代理機構に申告を委託することも可能です。
申告方法 | インターネット申告 | 郵送申告 | 税務局にて申告 |
身分証明書 | 身分証明書の電子版をアップロード | 身分証明書のコピーを同封して郵送 | 身分証明書の原本を提示 |
申告様式 | インターネット上の専用フォームに記入して、送信 | 「個人所得税納税申告表(12万元申告用)」を郵送 | 「個人所得税納税申告表(12万元申告用)」を提出 |
罰則
故意であるか否かにかかわらず、罰則が設けられていますので、注意が必要です。- 期限後申告の場合 2,000元以下の罰金(情状が重い場合2,000元以上1万元以下の罰金)
- 無申告、過少納付の場合 滞納金のほか、過少納付となった額の50%以上5倍以下の罰金

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