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[まとめ] 代表処の登記管理強化に関する4つのポイント

2010年11月19日に代表処(常駐代表機構)の登記管理に関する新しい規定(「外国企業常駐代表機構登記管理条例」、国務院令第584号)が出され、2011年3月1日より施行されることになりました。

1983年の規定に比べ代表処の登記事項をより具体的に規定し罰則を強化した内容で、2008年に出された公開草案から2年を経て正式に公布されました。

今回はこの規定による変更点を4つのポイントに絞って解説します。

1. 代表処の定義、及び業務範囲の明確化

代表処の定義として「営利活動を行わない弁事機構」であり、「法人格を有さない」ことが明確にされました。

また第14条には、従事できる活動内容が明示され、活動範囲がより限定されています。

旧規定 新規定
定義 非直接経営活動を行う代表機構 ・外国企業の業務に関係する非営利活動を行う弁事機構
・法人資格を有さない
活動範囲 記載なし ・市場調査、展示、宣伝
・連絡活動(製品販売、サービス提供、国内仕入・投資に関するもの)

2. 年度報告の義務付け

新しく年に一度の年度報告が義務付けられました。これまで代表処の年度監査は任意(※)でしたが、今後は監査済の費用収支状況を報告する必要があります。

提出期限 毎年3月1日~6月30日
提出内容 ・外国企業の合法的存続状況・代表機構の業務活動状況
・会計師事務所の監査を受けた費用収支状況等

※一部の地域では企業所得税確定申告の際に提出を求められる場合がありました。

3. 登記事項、期限の明確化

登記事項がより細かく規定されたことに加え、登記期限が変更され、時間的により厳しくなりました。

特に駐在期限延長登記は期限満了の30日前から60日前に前倒しとなりましたのでご注意下さい。

旧規定 新規定
変更登記 変更から60日以内
駐在期限延長登記 駐在期限満了の30日前まで 駐在期限満了の60日前まで
抹消登記 閉鎖から60日以内

4. 罰金金額の引上げ

無登記活動、営利活動等を行った場合に対する罰金金額が引き上げられ、より厳しくなっています。特に営利活動を行った場合は最高で50万元の罰金が課されますので、該当すると思われる場合は現地法人への転換をおすすめします。

旧規定 新規定
無登記活動 1万元以下 5万元以上20万元以下
営利活動 2万元以下 5万元以上50万元以下
虚偽登記 2万元以上20万元以下
証書の不正利用 1万元以上10万元以下
14条以外の活動 改善命令後も改善しない場合、1万元以上10万元以下
手続の不備 5千元以下 1万元以上3万元以下