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中国人民銀行のスポークスマンによる人民元為替レート形成機制改革の推進に関する記者会見(原文

国内外経済金融情勢と我が国の国際収支の状況に基づき、中国人民銀行は人民元為替レート形成機構改革の推進と、人民元の為替レート弾力性強化を決定した。記者は中国人民銀行のスポークスマンにインタビューを行った。

一、我が国の為替レート改革の総体的な方針は何か?

答:2005年7月に建立された、市場の需給を基礎とし通貨バスケットを参考に調整する管理変動相場制が、党の十四届三中全会・十六届三中全会による精神であり、我が国の国情と発展戦略に基づいた正確な選択であり、改革と対外開放の深化、特にWTO加入後の新たな発展と開放の枠組みに適応するための必然的な要求であり、社会主義市場経済体制の重要な構成部分であり、科学的発展観の要求を満たしている。管理変動相場制の実施は我が国の既定政策である。今回、人民元為替レート形成機構改革の推進はこの方針の継続に過ぎない。



二、2005年以降の人民元為替レート形成機構改革をどのように評価するか?

答:2005年以降の為替レート改革は成功をおさめた。2005年以降、人民元為替レート形成機構改革は自発性・漸進性・制御可能性の原則に従い主体的に秩序をもって推進され、総体として我が国の実体経済にプラスの影響をもたらし、マクロ調整に有利な条件をつくり出し、国内外の情勢変化においても重要な役割を果たし、期待した効果を発揮した。第一に、企業の技術水準向上、製品のイノベーション強化、中核的競争力の上昇を促し、輸出競争力を保持した。第二に、為替レートの変動は産業のレベルアップ推進と対外開放水準の向上のために動力と圧力を提供し、輸出構成の最適化と外貿発展方式の転換を促進し、経済発展方式の転換と調和した持続可能な発展に有利な環境を整えた。第三に、企業が自発的に為替レートの変動に適応する意識が強まり、人民元為替レート変動への対応とリスク管理能力を引き上げ、外貨市場の育成と発展をもたらした。第四に、国際社会に我が国のグローバル経済安定化への努力を示した。

三、国際金融危機の間、我が国の為替レート政策は何に基づいて考慮されていたか?

答:2008年の国際金融危機はグローバル経済と中国経済に大きな困難と不確定性を与え、我が国は人民元の変動幅を適切に小さくして国際金融危機に対応し、我が国の経済に利益をもたらし、我が国経済のいち早い安定と回復の実現に寄与した。今回の国際金融危機が最も深刻であった頃、多くの国家通貨は米ドルに対して大幅に下落したが、人民元為替レートは基本的な安定を保ち、国際金融危機への対処に重要な効果を発揮し、アジアひいてはグローバル経済の回復に大きく貢献した。事実は、この政策は正確であったことを示している。

四、人民元為替レート形成機構改革の推進の主な内容と特徴は何か?

答:今回は2005年為替レート改革に基づき人民元為替レート形成機構改革を推進し、人民元為替レートの一度の切り上げを行わず、引き続き市場の需給を基礎とし、通貨バスケットを参考に調整する。引き続きすでに公布した外為市場の為替レートの変動幅に従い、人民元為替レートの変動に対して管理と調整を行い、人民元為替レートが合理均衡水準において基本的な安定を保ち、国際収支の基本的な均衡を促進し、マクロ経済と金融市場の安定を保つ。

五、人民元為替レート形成機構改革の推進は我々にとって有利か?

答:人民元為替レート形成機構改革の推進は、管理変動相場制を改善し、我が国の国情と発展戦略に基づいた選択であり、社会主義市場経済体制の改革の方向と一致し、科学的発展観の要求に合致し、我が国がグローバル化を進める中での国家的利益にかない、我が国の長期的・本質的な利益に合致している。第一に、構造転換の促進と調和した持続可能な発展に有利である。変動為替レートは内外の価格を柔軟に調整することができるため、サービス業等の内需部門への資源配分、産業のレベルアップ、経済発展方式の転換、貿易収支の不均衡と輸出偏重型経済の是正に資する。第二に、インフレと資産バブルの発生を抑制する。マクロ調整の主体性と有効性を高め、マクロ調整能力を改善する。第三に、戦略的好機を保護する。経済グローバル化の受益者として、為替レート改革の継続的な推進は互恵的・長期的な協力と発展の実現にとって有利であり、我が国の経済発展の戦略的好機と国際貿易環境を保護することになる。

六、為替レート改革がもたらすマイナスのインパクトをいかに最小化するか?

答:為替レート改革の推進は、情勢を利用して有利に導き、かつ弊害を避け、発生の恐れがあるマイナス面の影響を最小化する必要がある。第一に、為替レートの変動幅をコントロールし、市場が人民元為替レートを過度に調整する可能性を防止する。現在、我が国の国際収支は均衡状態に近づいており、労働力・資源・土地等の生産要素価格の上昇もまた我が国の輸出製品の原価に影響し、当前の人民元為替レートと均衡水準に大きな偏差はなく、大幅な変動と変化の基礎的要因はない。第二に、主体性を堅持し、人民元為替レートの秩序ある変動が我が国の経済的ファンダメンタルズとマクロ調整の需要に合致するようにする。人民元為替レートの変動は我が国の国際収支均衡を促すが、特定国家との二国間貿易における不均衡問題を対象としたものではない。第三に、人民元為替レート管理と調節において漸進的な方式を採ることに注意し、企業の構造調整に必要な時間を見込み、企業に人民元為替レート変動の影響を徐々に消化させ、産業の秩序ある転換とレベルアップを促し、我が国企業が国際市場において総体的な競争力を保持し、就業がサービス業へさらに転換するように誘導する。第四に、短期投機資本の監測と管理を強化し、ホットマネーの大規模な流動が国内金融システムに与える大きな衝撃を防止する。

七、人民元為替レート形成機構改革推進の時期は適切であったか?

答:現在は人民元為替レート改革を推進する上で適した時期である。第一に、現在は我が国経済が回復の基礎をさらに強固にし、経済運営は平穏に向っており、人民元為替レート形成機構改革の推進にとってよい契機である。第二に、我が国は経済構造の調整・発展方式の転換を加速させており、国際金融危機の拡大はこの任務の重要性と緊迫度をさらに高めた。為替レート形成機制改革は経済構造の調整を促し、発展の品質と効果を高める。第三に、人民元の為替レートの弾力性強化は、双方向の変動を実現し、マクロ調整の自発性と有効性を高めるために必要であり、様々な状況下での外部からの衝撃に対応することができる。

八、米ドル単一でなく通貨バスケットを参考として人民元為替レート水準を把握するのはなぜか?

答:対外開放レベルが高まるにつれて、我が国の主要な貿易パートナーは明らかに多元化している。今年1-5月の5大貿易パートナー(EU・米国・ASEAN・日本・香港地区)の輸出入金額はそれぞれ我が国の輸出入総額の16.3%・12.9%・10.1%・9.4%・7.5%を占める。同時に、資本取引も多様化・多区域の特徴を示している。こうした背景の下、人民元為替レートを単一通貨にペッグして変化させた場合、貿易投資通貨の多元化の需要に対応できず、為替レートの実際水準を反映することができない。多通貨によって構成される通貨バスケット及びその変化は真実の為替レート水準をより正確に反映することができる。よって、市場の需給を基礎とし、通貨バスケットを参考に調整を行う必要があり、これにより科学的かつ合理的な為替レート水準を形成することができる。企業と居住者について言えば、貿易・資本取引多元化の構図の下、米ドルのみによって人民元為替レートを評価すべきではなく、双方向為替レートから多方向為替レートへ転換し、通貨バスケットの為替レート変化に注目し、人民元の通貨バスケットに対する変化によって人民元為替レート水準を把握すべきである。

九、人民元為替レートに大幅な変動は起こりうるか?

答:人民元為替レートの大幅変動は、我が国の経済金融の安定に重大な衝撃を与え、我が国の本質的利益にそぐわず、人民元為替レートを合理的な均衡水準に安定させることは人民元為替レート形成機構改革の推進における重要な構成部分である。当面のところ人民元為替レートに大幅な変動と変化の基礎的要因は存在しない。現在我が国の輸出入は徐々に均衡しつつあり、2009年の我が国の経常収支と国内生産総生産の比率はすでに顕著に下落し、今年以降この比率はさらに下落し、国際収支は均衡状態に近づくであろう。人民銀行は継続してすでに公布した外貨市場為替レート変動幅に従い、人民元為替レートの変動に対して管理と調整を行i、調整水準を引き上げ、外貨管理を改善し、人民元為替レートが合理均衡水準において基本的な安定を保ち、マクロ経済と金融市場の安定を保つようにする。我が国は経済構造の調整・発展方式の転換を促進する各種マクロ経済政策を積極的に実施し、各種改革を徐々に推進し、人民元為替レートの安定に良好な政策環境を整える。

十、為替レートの変動の企業及び就業に対する影響は?

答:主要通貨が変動為替相場制を実施する現在の国際通貨体制の下では、輸出企業は必然的に本位通貨とその他各貨幣との間の為替レートの変動に直面する。市場経済の下で、企業の生産販売等の各種経済活動の直面する市場環境は絶え間ない変化におかれ、原材料価格・人件費・市場の需要・製品構成及び利率・税率の変化、等々、変動幅が為替レートよりも大きな要素が多い。我が国の改革開放以来、経済の市場化はすでに高水準に到達し、多くの企業は積極的な調整と市場変化へ対応する柔軟性と能力を備えている。我が国の2005 年の為替レート改革から2008年の国際金融危機悪化前までの状況を見ると、輸出年平均増加率は23.4%、紡績・軽工業を含む為替レートに敏感な業種が成長を保持し、顕著な損失や操業停止は発生していない。総合的に見ると、為替レートの変動は産業のレベルアップ推進と対外開放水準の引上げに動力と圧力を提供し、経済発展方式の転換と調和した持続可能な発展に有利な環境を整えた。現在グローバル経済は緩やかに回復し、我が国経済が回復の基礎をさらに強固にしたが、為替レート改革の継続的で平穏な推進のため、マイナス面の影響を最大限取り除くことが有利な条件を整えた。今後も、積極的に有利な条件を整え、企業の構造調整の強化を誘導・補助する。銀行部門は金融サービスを改善し、企業の為替レートリスク管理を補助し、企業の発展に強力な支持を提供する。

為替レート改革の推進はまた就業の増加、特にサービス業の就業増加をもたらす。為替レートの変動は輸出の単純加工から深加工・精加工への転換を促し、生産チェーンを引き伸ばし、分業を細分化し、就業機会を増加させた。特に為替レートは貿易部門と非貿易部門の間の資源配分最適化を促し、就業のサービス業への転換をもたらす。現在我が国の第三産業の国民経済に占める割合は依然として低く、サービス業のいち早い発展は多くの就業を生み出すはずである。総合的に見て、為替レート改革の推進の輸出と就業への影響は弊害よりも得るものが大きい。我々は人民元為替レート形成機構改革を確実に推進し、有利な条件を整え、企業の構造調整を誘導し、為替レート改革が対外開放水準の引上げと就業促進に積極的な作用を発揮させるようにする。

十一、為替レート政策とその他の政策の補完作用をどう発揮し、経済の構造調整を促進するか?

答:国際収支の均衡促進・内需の拡大・構造調整等の方面は、為替レートが積極的な調整作用を発揮することができるが、我が国の経済発展が直面する構造的な問題は為替レートだけをもって解決できず、その他の政策との相互補完によって構造調整と最適化を実現する必要がある。継続して国民収入の分配構成を調整し、居住者の収入比率を高め、消費を拡大し、社会保障システムを改善する必要がある。民間の資本投資ルートと領域を拡大し、民間経済とサービス業の発展を加速させ、資源価格形成機構を合理化し、経済的効率と内発的成長能力を高める必要がある。継続して輸入を拡大し、「走出去(中国企業の海外進出戦略)」の歩みを加速し、「走出去」投資と居住者の外貨購入の利便性を高める必要がある。人民元為替レート形成機構改革の推進過程においてはまた、資本流動の監測と管理を強化し、違法な外貨資金の取締レベルを引き上げる必要がある。

十二、人民元為替レート形成機構改革の推進は企業と個人による外貨の使用にどのような影響を与えるか?

答:国内企業と居住者個人の外貨使用及び外貨資産保有の利便性・兌換コストの引下げは、外貨管理改革の重要な任務の一つである。今回の人民元為替レート形成機構改革の推進は、銀行による外貨兌換業務の処理コストを増加させることはない。大多数の国家・地区と比較して、我が国の企業と個人の兌換業務の処理コストは非常に低い。現在銀行窓口で企業と個人の外貨売買業務の処理価格は、銀行間市場の外貨価格に一定割合を加減して決定される。現行の規定によると、銀行間外貨市場の人民元・米ドル取引価格の日変動幅は米ドル取引中間値の上下1000分の5、銀行が顧客に提示する米ドルの人民元に対する為替売買価格差は米ドル取引中間値の100分の1を超えない、現金売買価格差は米ドル取引中間値の100分の4を超えない。我々はこの規定を継続して実施する。

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[全訳] 人民元為替レート形成機構改革に関する記者会見 from 香港・中国・東南アジア法令情報サイト NAC Global .NET