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解決すべき問題点

私は以前、IT企業で経理をしていたことがありますので、Excelを使わない日はないくらいにExcelと格闘の日々でした。ちょっとした連絡事項でさえExcelで書いてしまう経理部のExcel好きには驚きましたが、その中でいくつかの問題点に気付きました。
  • Excelのセルを方眼紙と同じように、レイアウトのためにしか利用していない
  • そのため数値やレイアウトに変化があったときの修正に、非常に手間がかかる
  • 複雑な数式を組むとすぐにブラックボックス化して引き継ぎできず、一から作り直すことになる
  • 一つのExcelファイルにデータとレイアウトをすべて詰め込むので、分業しにくくミスが発生しやすい

Excelが現在のように普及したのは、かつて紙ベースで行なっていた作業をそのままコンピュータに置換えることができたからだと言われていますが、現在も紙ベースのときと同じレベルの使われ方しかされていないのが現状だと以前の職場を見て感じていました(IT企業でさえそうなのです)。

改善したいポイント

私がこの連載で改善したいのは次のようなポイントです。
  • 一つのExcelファイルに詰め込んでいたデータ、計算式、レイアウトを分解して「見える化」する
  • 見える化によって、各作業の分業を可能にする
  • レイアウトの分離によって、分析の要望に応じた変化に即座に対応できる
  • 将来的にデータベースへの移行がスムーズにできる
この方法自体、データベースの基本的な仕組みをExcelに応用したものですので、汎用性があり社内の標準的なシステムとしても使っていただけるようになっています。費用をかけずにちょっとした工夫だけで大幅な効率アップが期待でき、しかも「見える化」していますので内部統制に役立ちます。

今回使用する財務レポートの例は、単純化のため損益計算書だけを用い、月次・四半期の報告を想定して前年と予算のデータをそれぞれ比較するような形式にしています。基本構造を理解できたら、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、製造原価報告書、予算報告書など、自由に拡張してみてください。

5日間の作業の全体像

作業の全体像は表1のとおりです。

使用するExcelファイルは「記帳データ.xls」と「財務レポート.xls」の2つです。財務レポート.xlsはデータベースと財務報告書から構成され、記帳データ.xlsでフォーマット変換したデータをデータベースに貼り付けていきます。

元データを準備する作業、データベースを作成する作業、財務報告書を作成する作業、が完全に分離され「見える化」していますので、それぞれの過程で分業が可能です。

表1:五日間の作業予定
一日目 記帳データを日本語フォーマットに変換する
二日目 データベースのフォーマットを作成する
三日目 データベースにデータと数式を入力する
四日目 月次財務報告書を作成する
五日目 四半期財務報告書を作成する
また各回では下記のようなExcelでデータを扱うための各種テクニックをご紹介する予定です。
  • データ範囲に名前をつける
  • エラー値にジャンプする
  • vlookup関数の使い方
  • 空白を無視して貼り付ける
  • シート間を移動するショートカット
  • 絶対参照と相対参照
  • index関数の使い方
図1:月次財務報告書の完成予想図

excel-report-4-3
図2:四半期財務報告書の完成予想図

excel-report-5-1

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