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独占禁止法に定める事業者集中

今回は、事業者集中を制限する独占禁止法の規定を紹介します。
合併・買収による事業者の集中は中国の独占禁止法に定める独占行為の一つとされ、一定条件を満たす事業者の集中活動については独占禁止法執行機構(商務部の独占禁止局)に申告し、審査を受けなければならない義務があります。中国の独占禁止法は2008年8月1日に施行されたばかりですが、同法に定義する独占行為の一つに事業者の集中があり、以下の3点を指すとされています。
  1. 事業者の合併
  2. 事業者が持ち分或いは資産を取得する方式を通じて他の事業者の支配権を獲得する
  3. 事業者が契約等の方式を通じて他の事業者の支配権を獲得する或いは決定的な影響力を与える
独占禁止法では、事業者集中が一定の申告基準に達する場合、事業者は事前に国務院独占禁止法執行機構に申告しなければならないとされていましたが、一定の申告基準とは何かについて、08年の8月3日に公布施行された国務院令第529号「事業者集中の申告基準に関する規定」で、事業者集中が以下の基準の1つに達した場合、事業者は商務主管部門に申告しなければならず、未申告の場合、集中を実施してはならないと規定されました。
  1. 集中に参与する全ての事業者の前年度全世界での営業額合計が100億人民元を超える場合、且つその内2社以上の事業者の前年度中国国内での各営業額がいずれも4億人民元を超える場合
  2. 集中に参与する全ての事業者の前年度の中国国内での営業額合計が20億人民元を超え、且つその内2社以上の事業者の中国国内での各営業額がいずれも4億人民元を超える場合
但し、独占禁止法では、次のいずれか一つの条件に該当すれば、申告は不要としています。
  1. 集中に参与する事業者の一つがその他の各事業者の50%以上の議決権のある株式或いは資産を有している。
  2. 集中に参与する各事業者の50%以上の議決権のある株式或いは資産が、集中に参与していない同一の事業者により所有されている。

申告と審査

独占禁止法第23条には、申告の際には以下の資料の提出が必要であるとしています。
  1. 申請書
  2. 集中が関連市場に与える影響についての説明
  3. 集中に関する当事者の合意書
  4. 集中に参与する事業者の、会計事務所の審査を経た前年度の会計報告
  5. その他、独占禁止法執行機構の規定する文書や資料
具体的な資料リストについては、「外国投資者の国内企業合併買収に関する規定」に基づいて発布されている申請ガイドラインを参考することができるとしています。申告は当事者或いは代理人により商務部の反?断局(=独占禁止局)に提出されます。当部門が審査する際、主に以下の要素を考慮するとされています。
  1. 集中に参与する事業者の関連市場におけるシェア及び支配力
  2. 関連市場における集中度
  3. 事業者集中が市場参入・技術進歩に対し与える影響
  4. 事業者集中が消費者及びその他の関連事業者に対する影響
  5. 事業者集中が国民経済発展に与える影響
  6. その他独占禁止法執行機構が考慮すべきとする要素
審査結果が禁止或いは制限付き認可の決定である場合、商務部は社会に公布するとし、それ以外の決定の場合には、申請者に通知するのみとされています。
商務部の反垄断局(=独占禁止局)のウェブサイトでは、08年8月1日の施行以来11月19日までに十数件の申告が提出され、13件が立案され、8件に対して既に審査の決定が行われたことが発表されています。

(本文 終わり)

*今回でNNAに連載された「M&Aは今」は終了となります。長期にわたりご愛読ありがとうございました。

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