中国 営業税

[全訳] 中華人民共和国営業税暫行条例

中華人民共和国営業税暫行条例 [原文]
(1993年12月13日公布中華人民共和国国務院院例第136号、2008年11月5日国務院第34回常務会改訂)

第1条 中華人民共和国国内で本条例に規定する役務の提供、無形資産の譲渡または不動産の売却を行う組織と個人は、営業税の納税義務者であり、本条例に基づき営業税を納付しなければならない。

第2条
1. 営業税の税目および税率は、本条例添付の「営業税の税目・税率表」に従う。
2. 税目および税率の調整は国務院が決定する。
3. 娯楽事業を経営する納税者に適用する具体的な税率は省、自治区、直轄市の人民政府が本条例に規定する範囲内で決定する。

第3条 税目が異なる課税行為を兼営する納税者は、営業税の対象となる役務(以下「課税役務」という)、無形資産の譲渡または不動産の売却毎に、区分して税目が異なる営業額、譲渡額、販売高(以下「営業取引額」という)を計算しなければならない。区分せずに営業取引額を計算している場合は、高いほうの税率を適用する。

第4条
1. 納税者が課税役務の提供、無形資産の譲渡、不動産の売却を行う場合には、営業取引額と規定税率に基づいて納付税額を計算する。納付税額の計算式は以下の通りである。
納付税額=営業取引額×税率
2. 営業取引額は人民元で計算する。納税者が人民元以外の通貨で営業取引額を決済する場合には、人民元に換算して計算を行う。

第5条 納税者の営業取引額は、納税者が課税となる役務の提供、無形資産の譲渡または不動産の売却により収受するすべての代金と価格外費用の合計額である。ただし、下記の場合は除く。
(1) 納税者が請け負った運輸業をその他の組織または個人に分配する場合には、取得したすべての代金と価格外費用の合計からその他の組織または個人に支払った運輸費用を控除した残額を営業取引額とする。
(2) 納税者が旅行業に従事する場合には、取得したすべての代金と価格外費用の合計から、旅行者に替わってその他の組織あるいは個人に支払った宿泊費、食費、交通費、観光地の入場料及びその他の旅行業者に支払った旅行費用を控除した残額を営業取引額とする。
(3) 納税者が建築工事をその他の組織に下請けに出す場合には、取得したすべての代金と価格外費用の合計から、その他の組織に支払った下請代金を控除した残額を営業取引額とする。
(4) 外貨、有価証券、先物取引等の金融商品の売買業務については、売値から買値を控除した残額を営業取引額とする。
(5) 国務院財政部・税務主管部門が規定するその他の状況。

第6条 納税者が本条例第5条に規定する控除項目に関して取得した証憑が法律、行政法規又は国務院税務主管部門の関連規定に適合しない場合には、当該項目を控除することはできない。

第7条 納税者が提供した課税役務、譲渡した無形資産又は売却した不動産の価格が著しく低く、正当な理由がない場合は、主管税務機関が営業取引額の査定を行う。

第8条
1.下記項目については営業税を免除する。
(1) 託児所、幼稚園、養老院、障害者福祉施設が提供する養育サービス、結婚相談、葬儀サービス
(2) 障害者個人が提供する役務
(3) 病院、診療所とその他の医療機関が提供する医療サービス
(4) 学校、およびその他の教育機関が提供する教育労務、学生アルバイト
(5) 農業機械工作、排水灌漑、病虫害予防駆除、植物保護、農業牧畜保険および関連技術研修、家禽・家畜・魚介類の育種および病害予防
(6) 記念館、博物館、文化館、文物保護組織の管理機関、美術館、展覧館、書道絵画館、図書館が行う文化活動の入場料収入、宗教施設が行う文化・宗教活動の入場料収入
(7) 国内保険機関が輸出貨物のために提供する保険商品

2.前項規定以外の営業税の減税・免税項目は国務院が規定する。他のいかなる地区、政府機関も減免税の項目を定めることはできない。

第9条 納税者が減免税の対象項目を兼営する場合には、免税項目、減税項目を区分して営業取引額を計算しなければならない。区分せずに営業取引額を計算している場合は、減免税を行わない。

第10条 納税者の営業取引額が国務院財政部・税務主管部門の規定する営業税の最低課税標準額に達しない場合は、営業税を免除する。最低課税標準額に達した場合は、本条例に従い営業取引額全額に対して営業税を計算納付する。

第11条 営業税源泉徴収義務者:
(1) 中華人民共和国国外組織または個人が国内で課税となる役務の提供、無形資産の譲渡または不動産の売却を行う場合において、国内に経営機構を有しないときは、国内の代理人が源泉徴収義務者となる。国内に代理人がいない場合は、役務或いは譲渡を受ける者又は購買者が源泉徴収義務者となる。
(2) 国務院財政部・税務主管部門が規定するその他の源泉徴収義務者。

第12条
1. 営業税の納税義務の発生時期は、納税者が課税役務の提供、無形資産の譲渡、または不動産の売却を行い、且つ営業収入を受領済みであるか、又は営業収入金額の証憑を入手した当日とする。国務院財政部・税務主管部門にその他の規定がある場合は、その規定に従う。
2. 営業税の源泉徴収義務の発生時期は納税者の営業税納税義務が発生する当日とする。

第13条 営業税は税務機関が徴収する。

第14条
1. 営業税の納税地:
(1) 納税者が課税役務の提供を行う場合には、その機構の所在地又は居住地の主管税務機関に申告納税する。ただし、納税者が提供する建築業役務及び国務院財政部・税務主管部門が規定するその他の課税役務については、課税役務の発生地の主管税務機関に申告納税する。
(2) 納税者が無形資産の譲渡を行う場合には、その機構の所在地又は居住地の主管税務機関に申告納税する。ただし、納税者が土地使用権の譲渡・賃貸を行う場合には、当該土地所在地の主管税務機関に申告納税する。
(3) 納税者が、不動産の売却・賃貸を行う場合には、当該不動産所在地の主管税務機関に申告納税する。

2. 源泉徴収義務者はその機構の所在地または居住地の主管税務機関で源泉徴収した税額を申告納税する。

第15条
1. 営業税の納税対象期間は5日毎、10日毎、15日毎、一ヶ月毎、または四半期毎とする。 納税者の具体的な納税対象期間は、管轄税務機関が納税者の納付税額の多寡に応じて決定する。納税対象期間を確定できない場合はその都度納税する。
2. 納税者の納税対象期間が一ヶ月毎、または四半期毎の場合には、期間満了日から15日以内に申告納税する。5日毎、10日毎、または15日毎に納税する場合は、締切日より5日以内に仮納付し、翌月の1日から15日までに申告納税して前月の納税額を精算する。
3. 源泉徴収義務者の納税期間は前2項目の規定を準用する。

第16条 営業税の徴収管理は「中華人民共和国税収徴収管理法」と本条例の関連規定に基づき実施する。

第17条 本条例は2009年1月1日から施行する。
附表:営業税の税目・税率表

税目 税率
交通運輸業 3%
建築業 3%
金融保険業 5%
郵便通信業 3%
文化・体育業 3%
娯楽業 5%-20%
サービス業 5%
無形資産の譲渡 5%
不動産の売却 5%