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今回は国有資産の譲渡規定に続き、国有資産の譲渡に際しその評価に関する規定や手続きを紹介します。中国語では「国有資産」と呼ばれますが、2008 年10月新たに発布され09年5月より施行される企業国有資産法でも明記されている通り、国有資産とは、国が企業に対し各種の形式での出資によって形成さ れた権益、と定義されています。これらの国有資産が出資された企業の合併・買収、重大資産の譲渡に当たり、また合併買収以外でも、非貨幣財産による対外投 資、清算などを行う際には、規定に沿って資産評価を行わなければならないとされています。

国有資産評価の審査許可と届け出

《企業国有資産評価管理暫定弁法》では、国有資産評価業務は審査の上許可し、また届け出を行う制度と規定しています。国有独資企業・会社や、国有資本参入企業は、資産評価を行う際、事前に国有資産監督管理機構に次のような事項について報告を行わなければならないとされています。
  1. 関連経済行為の認可について
  2. 評価基準日の選択について
  3. 資産評価範囲の確定について
  4. 資産評価機構選択の条件、範囲、手続き及び予定の機構の資質や専門性の特徴について
  5. 資産評価の日程計画について
企業は国有資産監督管理機構に進捗状況を報告し、当管理機構は必要に応じて指導や現場検査を行うことができるとされています。
資産評価を行った後、企業は、地域或いは国の国有資産監督管理機構に評価報告書その他の関連資料を提出して、適正な手続きの基に評価を行ったかどうかの審査許可或いは届け出許可を受けます。審査許可、届け出許可を行った評価業務は正式に評価価格が確認されることとなり、資産譲渡時の参考価格となります。国有資産評価管理暫定弁法では、取引価格がこの評価価格の90%以下となる場合、取引は一旦停止され、資産評価を審査或いは届け出許可した元の機構が認可した後継続することとしています。

評価機構、評価委託

資産評価は国や地域の国有資産管理行政主管部門が審査し許可発行する資産評価資格証書を有する資産評価機構に委託することとされており、国有資産評価管理弁法実施細則では、評価業務の受託は地区や業種の制限を受けないこと、評価機構と評価対象に直接利益関係がある場合は、その評価機構に委託してはならないことが規定されています。委託する主体は一般的に評価対象企業或いは評価に関連する当事者ということになっており、資産評価機構と、評価内容、期限、費用徴収の方法と金額、違反規定などの条項を含んだ協議書を締結して評価を委託します。

評価方法と評価報告書

国有資産評価管理弁法により、評価機構は、評価対象機構の資産、債権・債務を全面的に精査し、帳簿上と実際の資産内容が一致しているか、並びに経営成果の真実性を調査し、確定することとされています。また資産の評価は、将来の収益能力を適切な割引率を用いて現在価値を算出する収益還元法、資産の再取得コストから、使用年限や機能などを差し引いて評価時点の価値を算出する再取得原価法、市場の同類資産価値を参照する市場価格法、清算を前提として評価する清算価格法、その他規定されている評価方法などを用いて評価を行うこととされています。

評価実施後、報告書が作成されますが、その内容に加えなければならない項目は以下とされています。
  1. 報告書の本文として:評価機構の名称、委託者の名称、資産評価の範囲、名称と説明、評価基準日、評価原則、評価の依拠する法律・法規、政策、評価方法と価値評価標準、個別資産評価説明、価値評価と関連語句説明を含む評価の結論、添付文書の名称、評価業務の実行日と報告提出日、評価機構責任者・担当者の署名、機構印など。
  2. 添付文書として:評価まとめ表、明細表、評価方法の説明と計算過程、評価基準日に対応する会計財務資料、資産評価機構の資格証明コピー、評価対象企業の資産証明文書コピー、その他関連資料
(以上)

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