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省対外経済貿易合作庁など11部門による来料加工企業が同一場所で生産を止めずに転換する操作の手引き

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省対外経済貿易合作庁など11部門による来料加工企業が同一場所で生産を止めずに転換する操作の手引き前回は、来料加工工場が同一場所で外商投資企業に転換する場合の主な税関手続きに関し紹介しました。今回は、対外経済貿易合作庁など省の政府部 門及び税関総署広東分署など合わせて11の部門が発布した、来料加工企業が生産を止めずに同一の場所で外商投資企業に転換する場合の手続きの手引きについ ての通知を紹介します。

従来の来料加工工場から外商投資企業への転換は実際のところ、新たな法人の設立と加工廠の抹消という別々の手続きであり、許認可を全て1から取る手続きが行われていました。設備の移管手続きも複雑で、工場を移転しないにも関わらず生産を一旦停止せざるを得ない状況もありました。加工貿易の付加価値向上を目指す広東省として、華南式の来料加工工場のスムーズな法人化に対するサポートは大きな課題の一つと言えます。華南方式の来料加工が主に行われている深圳市、東莞市ではすでに手続き関連の通知が発布されていますが、広東省で発布されることにより、省内各地で通知に基づいて転換手続きをスムーズに行えるようになることが期待されます。但し、各地の運用状況が異なることが予想されますので実施前には再度各地域内での確認が必要です。

審査認可について

同一の登録場所で法人化する企業は、各地の外経貿局(深圳では貿易工業局)にて来料加工終止協議に対し審査許可意見書の発布を受け、これを以て、単なる法人設立ではなく、加工廠法人化としての審査認可を申請することとなります。各地外経貿局は審査後発行する許可文書上に、転換前の加工廠の名称を明記し、企業はこれを以降の各種転換手続きの際の認可文書として使用することになります。会社登記を行う工商行政管理局でも、外経貿局の認可文書に基づいて工商登記手続きを行うこととしています。最終的に、加工廠の全ての抹消手続きは、新法人認可設立の日から6ヶ月以内に終了することとされています。

税関手続きについて

新企業の税関登記後、来料加工廠の税関登記は3ヶ月間有効とされており、この間に加工廠に関する全ての税関手続きを済ませる必要があります。主には設備と保税材料の処理、来料加工手冊の核銷と、加工廠税関登記の抹消手続きが含まれます。保税設備は保税での管理期間が5年とされており5年後には税関に対する監督管理解除手続きを通じ、関税・増値税が課税されることなく国内貨物へと変更できることになっています。法人への転換時に保税のまま移転できる場合、5年間を加工廠から新法人へと連続して計算できることが明記されました。

加工貿易契約関連

加工貿易契約は新たに設立された法人により新たに申請され、行われることとなり、転換後に加工廠名義での契約を締結することはできなくなります。
加工貿易企業は加工貿易を申請する手続きの最初に、1年間の生産能力を外経貿部門より確定され、これに応じた手冊の貿易枠を税関に登記することになっています。また税関手続きの正確性や違反行為の有無によって税関より企業分類を確定されています。来料加工当時に税関が確定した企業分類と、外経貿部門が確定発行した生産能力証明について、転換後も基本状況に重大な変化が無い場合は、各機関の承認後継続して認可されるものとしています。

環境・消防・建築関連の許可証等について

環境保護・消防の基準証明、生産能力証明、或いは転換後の企業の経営範囲・生産規模・工場設計等に変更のない関連許可証・資質証書等について、有効期間内であれば簡便な処理を提供するべきであるとしています。「建築工程消防設計審査意見書」と「建築工程験収意見書」について、転換後の企業の経営範囲・生産規模・生産技術・工場設計に変更がある場合のみ消防部門への申請が必要で、1998年9月1日以前に使用開始された建物である場合には再調査が必要とされています。
(以上)