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外国企業による中国への投資形態は、以前は中国企業との合弁企業も多かったのですが、市場の開放が進むにつれ中国での事業ノウハウが蓄積されたこともあ り、独資による設立・運営も増えています。更に、既存の企業を買収して効率よく中国市場への進出を図ったり、委託・外注先を内製化したりする目的でのM&Aの形態による投資も増えています。今回以降数回に分けて、中国でのM&Aに関する規定について紹介したいと思います。

中国のM&Aの種類

外国企業の中国でのM&Aに関し、2006年1月改正施行の会社法と、同年9月、2000年の暫定規定が改正施行された「外国投資者の国内企業合併買収に関する規定」にその主な種類と定義が記されています。また、外国企業が中国で設立した外商投資企業が中国内で行うM&A関連業務については、上述の規定の他、2001年11月に公布実施された「外商投資企業の合併と分割に関する規定(改正)」に記載されています。

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株式買収・資産買収

外国企業による中国資本企業の株式買収とは、外国投資者(外国企業或いは外国企業が中国国内に設立した外商投資企業)が、非外商投資企業の株主の株式権を買収することを言います。既存の株式の持ち分を取得する場合と、増資分を投資者が引き受ける場合があります。

一方、外国資本企業による中国資本企業の資産買収とは、外国投資者が外商投資企業を設立し、当該企業により中国資本企業の資産を協議買収して当該資産を運営すること、或いは外国投資者が国内企業の資産を協議買収し、当該資産を以て外商投資企業を設立して当該資産を運営することを言います。

合併・分割

企業の合併には吸収合併と新設合併の2種類があります。吸収合併とは、ある企業が他の企業を吸収して1社となりますが、吸収する方の企業が引き続き存続し、吸収される方の企業は解散します。新設合併とは、2つ以上の企業が合併して1つの新しい会社を設立し、合併する各社は皆解散することを指します。

一方、分割とは、1つの企業が会社の最高権力機関の決議を通じて2つ以上の会社に分割することを指し、存続分割とは、1つの企業を2つ以上の企業に分割し、分割前の企業が引き続き存続することを存続分割と言います。

解散分割とは、ひとつの企業が二つ以上の企業に分かれ、分割前の会社が解散し、かつ2つ以上の新企業を設立することを解散分割と言います。

審査認可と進出制限業種

外国資本が国内企業を買収することは、中国資本企業を外商投資企業に変更することになります。外資企業の設立に審査認可が必要であるのと同様に、商務部門による買収の審査認可が必要です。認可取得後、工商登記などの登記変更手続きを行うことになります。各種の手続きについて、次回以降に説明します。

また、外国企業或いは外商投資企業は、中国資本のどのような業種の企業でも買収することができるわけではありません。中国は外資の進出業種を、「外商投資産業指導目録」という業種リストにおいて「奨励・許可・制限・禁止」の4種類に分けています。奨励業種の一部及び制限業種において、出資比率に制限があるか、中国資本との合弁・合作のみが認められる業種については、外国資本が当該中国資本企業を100%買収することができません。禁止業種においては、外資での進出が禁止されており、買収そのものを行うことができません。

このような外資進出制限業種には、製造業では自動車の完成品や発電設備製造などが良く知られていますが、サービス業種では教育機関、医療機関、出版印刷、不動産開発、情報通信業種などがあります。

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