香港法人設立の概要

香港への進出方法には、現地法人、外国法人の香港支店、駐在員事務所等が考えられますが、こちらでは、香港進出で一般的な現地法人の設立についてご案内致します。

設立方法(新規設立とシェルフカンパニー)

香港法人の設立方法は、2つあります。「新規設立」「シェルフカンパニー購入」ですが、「シェルフカンパニー購入」というのは、売却目的のために発起人による設立手続を済ませている会社で、新規に設立するには時間がないという方にとっては、大変有効です。一度設立後にビジネスを休止している「休眠会社」とは異なりますので隠れ負債などの心配はいりません。下記には、「新規設立」の方法を中心に説明します。

設立留意事項

香港法人設立にあたっては、まず「会社名」「本店所在地」「資本金」「株主(1名以上)」「取締役(1名以上)」などを決めなければなりません。決定するにあたり、各項目で留意する点は、次のとおりです。

会社名(Company Name)

香港法人の名称は、英文表記、または英文・中文併記となります。中文の表記は任意となります。会社名の最後には、英文表記では、「Limited」が、中文表記では、「有限公司」がつきます。会社名が決定しましたら、会社登記局にて類似商号を確認することになります。この確認は、お申込み受領後に弊社が確認致します。「シェルフカンパニー購入」の場合には、会社リストから、気に入った会社名を選ぶだけで済みます。

本店所在地(Registered Office)

香港法人の登記上の所在地になります。香港では、通常、オフィス賃貸契約時に設立証明書等の書類が必要となりますので、会社設立前では、香港法人として賃貸契約を締結できないケースがあります。その場合は、会計事務所の住所にて設立を登記を行い、発行された商業登記証を持って、賃貸契約を行うことになります。

事業目的(Type of Business)

香港では、通常、定款上で事業目的の制限を入れませんので、基本的にはどのような事業も行なえます(但し、旅行業、医薬品関係、教育業、不動産業、金融業、飲食業などは設立後に別途ライセンス申請が必要です)。しかし、毎年、更新する商業登記証(Business Registration Certificate)上に記載するために、予め、主な業務だけは決定しておきます。

資本金(Capital)

資本金の額をどうしたらよいかの質問はよくあるのですが、香港では、日本の商法、税法にあるような資本金額の大きさによる会社分類はありませんので、必要となる設備投資は運転資金などとの関連などで資本金額を検討することになります。最低限の資本金で会社を登記しようとした場合には、1人の発起人が1人1株(HK$1)で引受ける(すなわち資本金HK$1=約15円)ことで可能です。

株主(Shareholders)

株主は、1名以上必要ですが、年齢、国籍、居住地を問いません。個人でも法人でも株主になれます。

取締役(Directors)

取締役は、1名以上必要で18歳以上の個人、又は法人であれば年齢、国籍、居住地を問いません。香港では、日本のような「代表取締役」という法的な地位はなく、会社登記所に対しては、取締役としてのみ登記することになります。

会社秘書役(Company Secretary)

会社秘書役は、香港会社法により、その選任が義務付けられています。日本にはない制度で、馴染みにくいのですが、議事録などの様々な法定書類を会社のために適切に作成、登記、保管する役割を担います。香港居住の個人または法人であることが条件ですが、会社設立業務を依頼された会計事務所等をそのまま任命するケースが一般的です(この場合、会社秘書役費用が毎年かかります)。

会社設立に要する日数について

お申込みから設立登記完了まで、シェルフ会社購入の場合は、早くて1週間、新規設立の場合は、3~4週間ほどかかります。

どのような進出形態が最適か、資本金をどのくらいに設定するのが適切か、進出後の税務申告をどうしたら良いか、など香港進出に関する質問はこちらからお気軽にお問い合わせ下さい。