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シンガポール雇用パス(EP)申請・管理ガイド

シンガポールに駐在される方、現地採用で雇用される日本人の方について、シンガポールで就労する前提条件として、シンガポール政府の人材開発省(The Ministry of Manpower)のEPの承認が必要です。

弊社では、会計税務会社秘書役等で継続的にご支援をさせていただいているお客様を中心に、年間数十件以上、支援開始から累計で数百件の申請サポートをさせていただいております。

その流れについて解説をします。

1. 申請前の準備

1.1 公平な採用活動の実施

これは、シンガポール国民等の雇用を確保し、同等の人材が見つからない場合にのみ、外国人の雇用は、許容されるという政府のスタンスに基づいています。

1.2 求人広告の要件

1.3 MCF広告免除条件

以下の場合、MCFの広告掲載が免除されます。

2. 雇用パス(EP)の要件

EPを申請する場合には、以下の要件を満たす必要があります。

2.1 給与要件

45歳以上:

なお、EP更新の場合には、2025年1~12月の期間は、S$5,000(金融セクター5,500)

2.2 COMPASS評価要件

2.1の最低給与要件を満たしたうえで、各申請者について、以下の要件を満たす必要があります。詳細は、別記事「シンガポール就労ビザ認定制度(COMPASS制度)について」をご参照ください。

免除対象:

2.3 その他要件

シンガポール居住住所

EP申請者は、シンガポール居住住所が必要です。サービスアパートメントでも申請は可能ですが、EP承認後に、転居された場合、MOMへのアップデートが必要です。

シンガポール携帯電話番号

EP申請者は、シンガポール携帯電話番号が必要です。

3. EPの申請プロセス

MCFでの掲載を終了したあとのEPの申請プロセスは以下の通りです。

3.1 必要書類

3.2 申請手順

  1. 1. オンラインでの申請
  2. MOMの審査・承認(通常10営業日以内)
  3. MOMによるIPA(承認書)発行
  4. シンガポール入国準備
  5. EPカード発行手続き
  6. MOMでの指紋・写真登録
  7. カード受取り(5営業日以内)

4. 入国要件

EPの申請が承認され、IPAが発行されたあと、EPカードの発行を受けるために、シンガポールに入国します。その際の注意点は以下のとおりです。

4.1 基本要件

日本国のパスポートは、2025年3月24日以降は、パスポートの偽変造対策を強化するため、人定事項ページにプラスチック基材を用いた「2025年旅券」の発給が開始されます。このため、申請から交付まで1か月程度の日数を要することが見込まれますので、ご注意ください。

5. EP発行後のアップデート

EP発行の前提条件が変わった場合には、MOMへの変更申請が必要です。

5.1 変更届出事項

5.2 EPの更新

5.3 EPカードの再発行

5.4 EPの取消し

6. 重要な注意事項

(注)上記取扱いは、出稿当時のもので、最新実務と異なる場合がありますので、ご注意ください。

錦戸 傑宜(Nishikido Takanobu) / AVIC NAC PTE LTD

シンガポールにて、シンガポールとマレーシアの日系企業のASEAN進出および事業展開支援に特化したサービスを提供しています。日本の公認会計士として、Big4での監査経験、12年以上のスタートアップのCFO経験を持ち、EC、Fintech、IoT/AI、エネルギー、創薬など、幅広い業界での実務経験を有しています。日本での実務経験とシンガポールでの実務知識を組み合わせ、現地法人設立から、会計・税務対応、内部統制構築、資金調達まで、包括的なビジネスサポートを行っています。特に、日本とシンガポールの商習慣や制度の違いを熟知し、両国の架け橋となることで、クライアントの円滑な海外展開を支援しています。