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シンガポール・会計事務所の選び方

シンガポールの会計事務所の役割

シンガポールの会計事務所は、日本の会計事務所に比べて、幅広い業務を扱っている場合が多いです。対応が可能な業務とそうではない業務は、一般的に、以下の傾向があると思います。

対応可能、もしくは、得意な領域

対応していない、もしくは、苦手な領域

事務は得意であっても、ビジネス寄りの業務には対応できない、知見も乏しいことも少なくありません。

対応していない、苦手とされる領域でも、弊社 [15]のように対応できる事務所も存在します。

事務所の3つのタイプと特徴

コミュニケーション 価格 品質 ネットワーク
(1) 独立系日系会計事務所、及び、(2) 日本の会計事務所のシンガポール拠点 日本語によるサービス 接客が丁寧 レスポンスが早い 日本とシンガポールの両方の国の制度を踏まえたアドバイスなど。 価格面(ローカルに比べると価格が高い傾向) 専門性の高い領域の人材不足など。 他国に拠点がない場合がある。
(3) 大手・中堅国際会計事務所 中堅の国際会計事務所は、日本人の窓口担当が少ない。 価格が高い。 難度の高い領域の専門家を多く抱えている点。 世界中に拠点あり。
(4) ローカル会計事務所 日本人の常識、制度は全く通じないため、コミュニケーションロスが生じる可能性があります。 比較的価格が安い。 価格に応じたサービス品質であること、日本人の常識、制度は全く通じないため、コミュニケーションロスが生じる可能性があります。

(1) 独立系日系会計事務所、及び、(2) 日本の会計事務所のシンガポール拠点

前者(1)は、日本人がシンガポールまたはその他のアジア諸国にて創業し、日本人専門家が常駐し運営している日系の会計事務所を指します。弊社(Avic NAC) [15]もこれに含まれます。後者(2)は、日本の会計事務所のシンガポール事務所(支店を含む)です。

長所

日本語によるサービス、接客が丁寧、レスポンスが早い、日本とシンガポールの両方の国の制度を踏まえたアドバイスなど。

短所

価格面(ローカルに比べると価格が高い傾向)、他国に拠点がない場合がある、専門性の高い領域の人材不足など。

弊社は、香港本部のNAC国際会計グループ [16]の傘下にあり、東南アジア、中国大陸、オセアニアにネットワークを有しています。

(3) 大手・中堅国際会計事務所

最大手のBig4やその他の中堅国際会計事務所です。それらのシンガポール拠点は、日本の監査法人からの海外駐在者など、多くの日本人専門家を抱えています。一方で、中堅の国際会計事務所は、日本人の窓口担当が少ないです。日本の上場会社で、監査法人をグループ内を統一するために、シンガポールにおいても同系列の監査法人にご依頼されるケースはよく見受けられます。

長所

世界中に拠点があり、難度の高い領域の専門家を多く抱えている点。

短所

価格が高い。

(4) ローカル会計事務所

シンガポールローカル資本の会計事務所で、日本人担当者がいない、とにかく費用を抑えたい場合には適しています。破格の低価格のケースもあれば、日系会計事務所よりも高い報酬水準の事務所もあります。

長所

比較的価格が安い。ローカルのパートナーやスタッフとのコミュニケーションに支障がない、複雑な会計処理や税務相談が生じない、相談は不要という場合には、適しています。

短所

価格に応じたサービス品質であること、日本人の常識、制度は全く通じないため、コミュニケーションロスが生じる可能性があります。

シンガポールの会計事務所の選び方

では、どのような視点でシンガポールの会計事務所を選んだらよいか、という点ですが、以下の観点がまずはあげられます。

ただし、監査法人のみを「2.大手、中堅国際会計事務所」に依頼され、その他の業務や日常のアドバイスは、「1.独立系の日系会計事務所」、もしくは、「3.ローカル会計事務所」に依頼される、というケースも考えられます。

一方で、日本人デスクが、ローカルスタッフとのコミュニケーションが十分にできているかどうか、実際に、日本人デスクと会って話してみてフィーリングが合うかどうか、なども重要な視点です。