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インドネシア・断食・断食明大祭とTHR(法定賞与)の支給について

断食と断食明大祭期間の注意

2019年6月5日(水)・6日(木)は、イスラム教の断食明け大祭日としてインドネシアでは祝日の指定がされています。他の祝祭日とも重なり5月30日から6月9日まで官公庁はは連休となります。

イスラム教の宗派・月の満ち欠け等によって異なることから正式発表は現時点でされていませんが、5月5日(月)頃より、イスラム教の断食期間となります。例年、断食期間においては官公庁は例年14時前で業務終了となるだけでなく、手続きスピードが著しく低下する傾向にあります。また、官公庁による抜打監査が実施されることが多く、許認可・滞在許可等には特に注意が必要です。

近年、断食期間前後でのテロ等が増えており、断食期間中にインドネシアに滞在される際には、外務省からの安全情報 [1]を御確認下さい。

断食明大祭前の法定賞与支給について

インドネシア労働法においては、断食明大祭前には労働者に対してTHR(法定賞与)の支給が義務付けられています。

法定支給額は1年以上勤続する従業員には基本給与の1か月分、1ヶ月以上1年未満勤続の従業員の場合には、1ヶ月の基本給を12で案分して勤続月数を掛けた額の支給を義務付けています。

また、支給日は断食明大祭日の1週間以上前、今年は2019年5月29日以前が法令上必要となります。一般的には2週間程度前で支給することが多く、日系企業の場合には、直近給与と共に支給するよう調整している場合も多くみられます。5月で法定賞与を支給する場合には、5月給与とTHR(法定賞与)の総額に対して、月次の従業員所得税を計算・納税する必要があるので注意が必要です。

また、4月度月次納税の期限(5月10日)については、断食明大祭の祝祭日に伴い金融庁・税務署等から日程変更等の措置が取られる予定ですが、正式発表次第、御案内いたします。