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[M&A] 加賀電子、大阪の商社から事業買収、中国で販売網拡充

10月1日付で、半導体商社のヌマタ完全子会社の香港ヌマタを、電子部品商社大手の加賀の連結子会社である加賀デバイスの傘下に収める。買収額は数億円とみられる。

加賀デバイスは国内のほか中国で半導体の販売代理店の事業を展開しており、中国現地の家電メーカーとのビジネスに強みを持つ。ヌマタは中国で20年以上販売代理店事業を展開しており、中国の通信関連メーカーとの取引が多い。

中国のメーカーがエアコンに省エネ部品のインバーターを搭載し始めるなど、半導体や電子部品の市場拡大が見込まれる中で、加賀はヌマタの事業を取り込むことで、中国の顧客層を家電から通信まで拡大し、販売網を拡充、成長を図る狙いである。

買収後の中国での売上高は年間100億円程度となり、2~3年後に倍増を狙う。

半導体メーカーの再編が、専門商社などの販売代理店にまで波及し始めた背景には国内市場の比重の低下があり、これまで国内メーカー中心に取引をしていた代理店にとっては、海外へのシフトが喫緊の課題になっている。

3月まで、加賀デバイスは旧ルネサス、ヌマタは旧NECエレクトロニクスの販売代理店であった。4月に旧ルネサスと旧NECエレクトロニクスが統合し、ルネサスエレクトロニクスが発足、10月より両社とも申請ルネサスの全ての製品を扱えるようになり、この統合により中国市場での存在感を拡大し、特約店として取引を維持してもらうことをアピールする狙いがある。