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香港・多国籍企業グループに対するグローバル・ミニマム課税及び香港版ミニマムトップアップ課税(2025年6月更新版)

多国籍企業グループに対するグローバル・ミニマム課税及び香港版ミニマムトップアップ課税

2021年7月、経済のデジタル化から生じる税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)のリスクに対処するために、経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development、以下「OECD」)が公布した2つの柱の解決策である国際的な税制改革のフレームワーク(一般に「BEPS2.0」として知られる)を受け入れ、香港は130を超える税管轄区域に加わった。

香港の国際的な義務である国境を越えた脱税への対処と課税権の保護を果たすため、香港財政司司長は2024/25年度予算案において、OECDが公布したBEPS2.0のフレームワークに従ってグローバル・ミニマム課税を香港が実施し、関連する香港版ミニマムトップアップ課税(Hong Kong minimum top-up tax、以下「HKMTT」)を2025年以降に導入すると発表した。

当該提案を実施するために、2025年税務(改正)(多国籍企業グループに対するミニマム課税)条例(以下「改正条例」)が2025年6月6日に制定された。

BEPS2.0の第2の柱

BEPS2.0パッケージの第2の柱では、現在の会計年度の直前の4年間のうち、少なくとも2年間の連結収益が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業(Multinational Enterprise以下「MNE」)グループ(すなわち、「対象MNEグループ」)は、次の2つの連動ルールを通じて15%のグローバル・ミニマム課税の対象となる。

これら2つのルールは、総称してグローバル税源浸食防止(Global Anti-Base Erosion、以下「GloBE」)ルールと呼ばれ、対象MNEグループが事業を展開するすべての税管轄区域から稼得した利益に対して最低15%の税金を支払うことを確実にし、それによって大規模なMNEグループが税金を減らすために、低税率もしくは無税率の税管轄区域に利益を移転するインセンティブを減らすことを目的としている。このルールはまた、資本と投資を誘致するために法人所得税率を引き下げようとする税管轄区域間の競争を、税率設定に下限を設け抑制することとなる。

GloBEルールでは、税管轄区域がGloBEの仕組みに基づき、独自の適格国内・地域内ミニマムトップアップ課税(Qualified domestic minimum top-up tax、以下「QDMTT」) を導入することが可能である。対象MNEグループが事業を展開し、ETRが最低税率を下回る税管轄区域(つまり、軽課税の税管轄区域)は、独自のQDMTTを実施している場合、その税管轄区域内の低税率の構成会社等に対するトップアップ税を課税する最優先権を持つこととなる。そうでない場合は、IIRまたはUTPRによる課税を通じて、別の税管轄区域によってトップアップ税が課税される。

香港における実施体制

改正条例に基づき、香港におけるGloBEルールの実施のため、税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)に第4AA部及び附表61~64が追加された。OECDが公布したグローバル・ミニマム課税の詳細な条件を定めているGloBEモデルルールは、可能な限り限定的かつ必要な修正を加えた上で、附表61の第1部に直接組み込まれている。一方、附表61の第2部には、UTPRに関する香港の規定が含まれている。OECDが発行した解説及び運用ガイダンス(以下「OECDが公表するGloBEルールの文書」)に基づいて、セーフ・ハーバー、HKMTT並びに税務行政に関する規定(以下「その他のGloBE関連規定」)は、それぞれ附表61の第3部、附表62及び附表63に規定されている。

OECDが公表するGloBE ルールの文書に準拠した解釈

OECDが公表するGloBEルールの文書は、IROに組み込まれるGloBE モデルルール並びにその他のGloBE関連規定の解釈及び運用を補足して、明確にする形で施行される必要がある。これにより、GloBE ルール及び香港で実施されるHKMTTが国際的に合意された結果と整合し、OECDによって適格なルールとみなされることが保証される。OECDが公表するGloBEルールの文書及びその他の詳細は、IRO附表64の第1部に概説されている。

GloBEルール並びにHKMTTの実施フレームワークの主要な要素は、以下の通りである:

対象MNEグループ

GloBEモデルルールに従い、GloBEルール及びHKMTTは、対象MNEグループにのみ適用される。GloBEルールの下における連結収益の基準額は、ユーロ建てでIROに組み込まれている。対象MNEグループがユーロ以外の通貨で連結財務諸表を作成する場合、当該グループは連結収益の金額を、欧州中央銀行 [33](European Central Bank、以下「ECB」)が提示する外国為替参照レートによって決定される、当該会計年度開始前の暦年の12月における平均外国為替レートに基づいて換算する必要がある。表示通貨がECBの外国為替参照レートで表示されていない場合、当該グループは連結収益の金額を、香港金融管理局 [34]が公表する12月の平均外国為替レートに基づいて換算する必要がある。

MNEグループがGloBEルールの適用範囲内にある場合、当該グループは各構成会社等の所在地と収入を確定し、税管轄区域毎にETRを計算する必要がある。同じ税管轄区域に存在する各構成会社等のGloBE基準の収入または損失と調整対象なる税を合算し、ETRを計算する。

トップアップ課税

対象MNEグループが軽課税の税管轄区域に関して支払うトップアップ税は、以下のとおりである:

MNE企業の所在地

事業体が香港に所在するかどうかを判断することは、トップアップ税を課す上で非常に重要である。GloBEルールでは、事業体の所在地は、税務上の居住者である場所もしくは設立された場所となる。香港で設立もしくは組成された事業体、並びに香港以外で設立もしくは組成され、香港内で管理または支配されている事業体が、GloBEルール及びHKMTT適用の目的で、香港に所在しているものとみなされることを保証するために、一般的な目的で「香港居住事業体」の定義がIROに導入される。この定義は、香港が締結した包括的二重課税回避条約または協定(Comprehensive Avoidance of Double Taxation Agreements or Arrangements、以下「CDTAs」)における香港の税務上の「居住者」の定義と概ね一致している。以下の条件に該当する事業体は、香港の税務上の居住者とみなされる:

上記の定義は、2024年1月1日から遡及的に適用される。これにより、当該定義に該当する事業体は、2024年度を通じて香港に所在するものとみなされ、2024年1月1日以降に開始する会計年度にGloBEルールを実施した他の税管轄区域でのトップアップ課税の対象となるリスクを最小限に抑えることができる。

GloBEルールの課税の仕組み

IIR(所得合算ルール)

IIRにおいては、香港に本社を置く対象MNEグループの最終親会社(Ultimate Parent Entities、以下「UPE」)、IIRを実施していない税管轄区域に所在する外国に本社を置く対象MNEグループの香港における中間親会社、または対象MNEグループの香港における部分的所有している親会社に対し、UPEもしくは中間親会社がIIRを適用する必要があるかどうかに関係なく、トップアップ税が課される。これらの親会社は、香港外にある低税率の構成会社等に対する持分比率に基づき、IIRにおけるトップアップ税が課される。対象MNEグループは、香港外に所在する低税率の構成会社等に加えて、香港外の軽課税の税管轄区域に所在または運営する共同支配会社等、共同支配会社等の子会社、無国籍の構成会社等(総称して「その他の事業体」という)に関しても、IIRに基づきトップアップ税が課される可能性がある。

IIRによるトップアップ税は、2025年1月1日以降に開始する会計年度に関連して課税される。

UTPR(軽課税所得ルール)

UTPR では、トップアップ税は追徴課税と同様の調整として課される。香港に割り当てられたUTPRにおけるトップアップ税は、グループがUTPRトップアップ税の支払い対象として1つ以上の香港の構成会社等を指定しない限り、対象MNEグループの香港の構成会社等に対して、従業員数と有形資産の価値のそれぞれの比率に基づいて課税される。

UTPRは、香港財経事務及庫務局局長が後日指定する日付時点で実施される予定である。

HKMTTの課税の仕組み

HKMTTはGloBEルールに準拠して運用され、香港に所在または香港で事業を行っている対象MNEグループの低税率の構成会社等並びにその他の事業体に対し、IIR及びUTPRよりも優先してトップアップ税を課すものである。投資企業及び保険投資企業は、税務上の中立性を保つために、HKMTTの適用範囲から除外される。一般的にHKMTTは、対象MNEグループが1社以上の香港の構成会社を指定してHKMTTを納付しない限り、対象MNEグループの香港構成会社間で各企業のGloBE所得に比例して配分され、課税される。HKMTTに基づいて支払われたトップアップ税は、GloBEルールに基づいて課されたトップアップ税から税額控除できるよう、HKMTTの設計は、QDMTTの要件を満たすことを目指している。

一定の条件が満たされた場合、対象MNEグループはQDMTTセーフ・ハーバーの恩恵を享受することができる。このセーフ・ハーバーでは、当該グループが香港で支払うべきGloBEトップアップ税がゼロとみなされるため、グループは香港でGloBE計算を行う必要がなくなり、税務コンプライアンスの負担が軽減される。

HKMTTは、2025年1月1日以降に開始する会計年度に関連して課税される。

トップアップ課税の性質

香港でGloBEルール及びHKMTTに基づいて課されるトップアップ税は、法人利得税(=法人所得税)とみなされる。これにより、現在IROに基づく徴税、異議申立並びに控訴手続きなどの関連する税務管理の仕組みがトップアップ税にも適用される。対象MNEグループは、該当する場合に、関連する国境を越えた紛争を解決するために、香港のCDTAに基づく相互協議手続きの仕組みを利用することもできる。

セーフ・ハーバー

OECDは、特定の条件が満たされた場合に、対象MNEグループが完全なGloBE計算を実行することを免除するセーフ・ハーバーを設定した。香港では、対象MNEグループのコンプライアンス負担を軽減するために、移行期の国別報告セーフ・ハーバー、移行期のUTPRセーフ・ハーバー、QDMTTセーフ・ハーバー、並びに重要でない構成会社等向けの簡易計算セーフ・ハーバーが導入されている。

税務コンプライアンスと管理

コンプライアンスの負担を軽減するために、GloBEルール及びHKMTTの報告並びに管理要件は、可能な限り一致されている。また、GloBEルール及びHKMTTの税務管理フレームワークは、関連する異議申立や控訴手続き、徴収並びに税還付などに対処するために、必要な修正を一部加えた上で、IROの特定の管理規定に基づいている。

税務管理フレームワークの主要な要素は、以下の通りである:

トップアップ税の申告書の提出

対象MNEグループを構成する香港の各構成会社等は、GloBEルール及びHKMTT(トップアップ税申告書)の目的のため、報告対象となる会計年度の最終日から15ヶ月以内に、所定の方式及び形式で単一のトップアップ税申告書を提出する必要がある。MNEグループの構成会社等の最初の移行年度の提出期限は18ヶ月に延長される。トップアップ税申告書には、標準化されたGloBE情報申告書(GloBE Information Return、以下「GIR」)に必要な情報が含まれる。対象MNEグループの香港における構成会社等は、適格な管轄当局間の取り決めに基づいて、香港とGIR情報を交換できる税管轄区域でGIR情報を提出している場合、GIR情報を提出する義務が免除される。

申告書の提出に柔軟性を持たせるため、対象MNEグループの香港の構成会社等は、香港の構成会社等を1社指定(Designated Local Entity、以下「指定現地事業体」)して、香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)にトップアップ税の税務申告書を提出することが許可されており、これにより、当該グループの他のすべての香港の構成会社等は申告義務から免除される。指定現地事業体は毎年指定する必要があり、指定は該当する報告対象となる会計年度に関して有効である。

トップアップ税の通知書の提出

対象MNEグループを香港の各構成会社等は、所定の形式と方法でトップアップ税申告書を提出する義務に関する年次通知(トップアップ税通知書)を提出する必要がある。MNEグループがグローバル・ミニマム課税及びHKMTTの対象となる場合、トップアップ税通知書を通じてIRDに通知する必要があり、一定の条件が満たされている場合は、当該通知書を通じ、どの事業体及び税管轄区域がGIR情報フォームを香港に提出する必要があるか、並びにどの現地事業体がトップアップ税申告書の提出義務を免除されるかを明記する必要がある。トップアップ税通知書は、報告対象となる会計年度の最終日から6ヶ月以内に提出する必要がある。トップアップ税申告書の提出に関する取り決めと同様に、対象MNEグループの香港の構成会社等は、他の香港の構成会社等の提出義務を免除するために、1社の指定現地事業体を任命して、トップアップ税通知書を提出することが可能である。

トップアップ課税の査定及び納税通知書

トップアップ税申告書の提出時に申告された情報に基づいて、トップアップ課税の査定及び納税請求書が発行される。トップアップ税の予定納税の納付義務は課されない。トップアップ税の納付期限は、当該申告書の申告期限または査定通知書の発付日のいずれか遅い方の翌日から1ヶ月以内となる。

GloBEルールに従い、IIRにおけるトップアップ税は、対象MNEグループの親会社に課される。UTPRにおけるトップアップ税またはHKMTTに関しては、トップアップ税のデフォルトの配分方法に基づき、各構成会社等はトップアップ税の自社負担分のみを負担する必要がある。UTPRにおけるトップアップ税またはHKMTTの納付手続きに柔軟性を持たせるために、当該グループは1社以上の納付事業体を指定することが可能である。しかしながら、指定された納付事業体のいずれかがトップアップ税を納付しない場合は、香港におけるすべての構成会社等が、当該グループのトップアップ税の総額に対して連帯責任を負うこととなる。

トップアップ課税の査定に対する異議申立の期限は、査定通知書の発付日から2ヶ月以内である。

不遵守に対する罰則

IROの第80O条、第82条並びに第82A条は、報告及び管理要件の不遵守(トップアップ税申告書またはトップアップ税通知書の提出の不履行、並びに不正確な申告書及び通知書に関する不正行為など)に対しては、罰則のレベルを規定している。これらの罰則のレベルは、既存のIRO第4部に基づいて科される利得税に関する罰則規定と同等である。申告主体のためにトップアップ税申告書もしくはトップアップ税通知書の提出を依頼されたサービスプロバイダーも、IROの第80P条に基づく罰則と同様の罰則の対象となる。

租税回避防止規定

GloBE制度及びHKMTT制度の完全性を維持し、GloBEまたはHKMTT制度の目的の下での濫用もしくは租税回避行為に対処するため、IRO第61A条(すなわち、唯一または主目的テスト)は、改正を加えた上で、GloBE及びHKMTT制度に一般的な租税回避防止規定(General Anti-Avoidance Rule、以下「GAAR」)として適用される。第61A条は、香港税法において長年にわたり存在してきたGAARであり、効果的に適用されてきた。改正された第61A条をGloBE及びHKMTT制度に適用することで、現行の仕組みとの整合性を維持することができる。

現行の仕組みでは、以下の3つの前提条件が満たされている場合、IRO第61A条が納税者に適用される可能性がある:

GloBE制度及びHKMTT制度の文脈において、改正された第61A条は、IRO第4AA部に基づくトップアップ税の納税義務に関連して、個人が税制上の優遇措置を享受するのを可能にすることを、唯一または主たる目的として締結されたあらゆる取引に適用される。当該取引に疑義があり、トップアップ税制上の優遇措置を享受するのを可能にすることを、唯一または主たる目的として締結されたかどうかを判断する際には、上述の7つの事項に加えて、以下の2つの事項を考慮する必要がある:

当該目的に関する結論に至る前に、上記のすべての事項に関するあらゆる結論の妥当性について、全体として検討される。

上記の3つの前提条件が満たされている場合、改正された第61A条が適用され、税務局副局長は、以下のいずれかの方法で、トップアップ税を課す権限を有する:

香港構成会社等以外のMNE企業への適用

一般的に、税務管理フレームワークは、香港の構成会社等に適用されるのと同様に、香港に所在または香港で事業を行っている対象MNEグループのその他の事業体(共同支配会社等、共同支配会社等の子会社、または無国籍の構成会社等)にも適用される。

適格ルールのステータス

香港におけるIIR、UTPR、HKMTT並びにQDMTTセーフ・ハーバーの実施によって達成される結果は、GloBEモデルルール及びOECDが公表するGloBEルールの文書と一貫性のある結果を達成できることを目標とされなければならず、それによって加盟国間のOECD相互評価手続きにおいて関連する適格ルールのステータスを取得できるようになる。この過程により、GloBE ルールが税管轄区域全体で一貫した方法で適用されるようになり、GloBEルールの有効性が確保される。

利得税申告書の電子申告(e-filing)を義務化

税務デジタル化の一環として、IRDは、法人及び非法人事業体(個人事業主を除く)の利得税申告書の完全なる電子申告を段階的に導入することに取り組んでいる。利得税の電子申告義務化の第一段階として、対象MNEグループの事業体は、2025年4月1日以降に開始する課税年度(すなわち、2025/26課税年度以降)に係る利得税申告書を電子申告することが義務付けられる。当該電子申告義務化は、改正条例に基づき、IRO第51AAB条を改正し、附表65をIROに追加することにより実施される。

電子申告義務化の第一段階

適用課税年度

電子申告義務化は、2025年4月1日以降(すなわち、2025/26課税年度以降)に開始する課税年度(以下「適用課税年度」)の利得税申告書に適用される。

対象となる利得税申告書

電子申告義務化は、以下の種類の利得税申告書に適用される:

フェーズ1における適用事業体等

以下の2つの条件の両方を満たす事業体は、適用課税年度の利得税申告書を電子申告することが義務付けられる:

条件1: MNEグループの第4AA部に該当する事業体であること

当該事業体は、適用課税年度に相当する会計年度(2025年1月1日以降に開始する会計年度)において、MNEグループの第4AA部に該当する事業体(フェーズ1における適用事業体)であること。

IRO附表第63第1(1)条における「第4AA部に該当する事業体」の定義に従い、MNEグループの第4AA部に該当する事業体とは、以下の事業体を指す:

用語 定義
香港の構成会社等 香港に所在する構成事業体
香港の独立した共同支配会社等(ジョイント・ベンチャー) § 香港に所在し共同支配会社等の子会社を持たない共同支配会社等; § 香港で設立された無国籍の独立した共同支配会社等; または § 香港に属する無国籍の恒久的施設である無国籍の独立した共同支配会社等
共同支配会社等のグループの香港の構成団体 § 香港に所在する共同支配会社等もしくは共同支配会社等の子会社; § 香港で設立された無国籍の共同支配会社等もしくは無国籍の共同支配会社等の子会社; または § 香港に属する無国籍の恒久的施設である無国籍の共同支配会社等もしくは無国籍の共同支配会社等の子会社
第4AA部無国籍の構成会社等 § 香港で設立された無国籍の構成会社等; または § 香港に属する無国籍の恒久的施設である無国籍の構成会社等

構成会社等、共同支配会社等、共同支配会社等の子会社、無国籍の構成会社等、並びに無国籍の恒久的施設の意味は、GloBEモデルルールに規定されている定義に従って解釈されるものとする。

条件2: MNEグループが対象MNEグループであること

この条件は、以下のいずれかに該当する場合に満たされる:

適用課税年度に相当する会計年度

適用課税年度に相当する会計年度とは、フェーズ1における適用事業体の課税年度の基礎期間が終了するMNEグループの会計年度である。会計年度とは、一般的に、MNEグループのUPEが連結財務諸表を作成する会計期間を指す。

「一度の適用で常に適用」の仕組み

電子申告義務化は、「一度の適用で常に適用」の仕組みを採用している。

フェーズ1における適用事業体が、ある課税年度の利得税申告書を電子申告することが義務付けられている場合、それ以降の課税年度において上記の2つの条件を満たしているかどうかに関わらず、それ以降のすべての課税年度についても、利得税申告書を電子申告することが義務付けられる。

この運用方法は、フェーズ1における適用事業体が、その後対象MNEグループから外れた場合、並びにその後対象MNEグループ自体が対象MNEグループから外れた場合にも、一般的に継続して適用される。

詳細については、例示 [35]をご覧ください。

詳細情報

税務条例

OECD関連資料

以下は、参考資料としてGloBEモデルルールに関するOECD 情報文書の一覧である:

BEPSに関する包括的フレームワークは、GloBEルールの一貫した共通の解釈を確保するために、今後も継続的にガイダンス資料を公開していきます。詳細については、OECDのWebサイト [43]をご覧ください。

お問い合わせ

グローバル・ミニマム課税または香港版トップアップ課税に関するご質問がある場合には、beps2.0@ird.gov.hkまでお問い合わせください。

原文:Global minimum tax and Hong Kong minimum top-up tax for multinational enterprise groups [44]、2025年6月6日再更新