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香港・2018年税務及び強制積立年金制度条例(年金保険料及び強制積立年金への任意拠出に対する所得控除)(改正)条例草案が官報に掲載

香港政府は、2018年税務及び強制積立年金(以下「MPF」)制度条例(年金保険料及び強制積立年金への任意拠出に対する所得控除)(改正)条例草案(以下「当該改正条例草案」)を本日(2018年12月7日)付で官報に掲載した。当該改正条例草案は、退職に向けて自主的貯蓄を奨励することを目的とした、繰延年金保険料及びMPFの税務上控除可能な任意拠出(以下「MPF TVCs」)に対する所得控除を推進していた、2018 – 19年度予算案を設置しようとするものである。

当該所得控除の上限は、年間6万ドルである。これは、より大きな柔軟性を提供するために設定された、MPF TVCs並びに繰延年金保険料の、累積最大控除限度額となる。言い換えると、納税者がMPF TVCsを6万ドルに設定するか、6万ドルの繰延年金保険料を支払うか、もしくは税制適格繰延年金を購入するか、に関わらず、納税者は6万ドルを上限として、給与所得税並びにパーソナルアセスメント申告における、所得控除を申請できることとなる。

共同年金受給者を許容することで、年金は、夫婦が退職後の生活を計画するのに、便利な金融ツールとなる。この考察に基づき、政府は、納税者がその配偶者を共同年金受給者として、または納税者もしくは納税者の配偶者を単独の年金受給者として、何れも網羅した形で、繰延年金保険料に対する所得控除を申請できることを提案している。各納税者はその控除額に対し、個々の所得控除額の上限を超えない限り、彼ら自身の繰延年金保険料の所得控除額を割当てて、総控除額である12万ドルを申請することが可能である。

香港財経事務及庫務局(Financial Services and the Treasury Bureau)のスポークスマンは、「提案されている税務上の所得控除は、長寿リスクに対応するため、労働人口が可能な限り、早期退職のために貯蓄できることを促進することを目的としている」と述べた。

2018 – 19年度予算演説において、財政司司長は、人々が退職後の生活のための財政上の取決めを計画する際、更なる選択肢を提供できるよう、繰延年金市場の発展を奨励すべく、税制優遇措置を導入することを提案しており、当該優遇措置は、MPFの任意拠出にも同様に適用される。

保険業監管局並びに強制積立年金管理局は、投資者教育センター及び関連業界と協力して、年金商品及びMPF TVCs、並びに個々のニーズに合わせて、多様な退職計画ツールの評価方法に関し、適切に人々の理解を深めることに努める。

当該税務条例改正草案は、2018年12月12日に最初の閲覧のため、立法会にて発表される予定である。

原文 [1]、2018年12月7日更新)