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シンガポール・源泉税の滞納または未納について

ほとんどの納税者は、源泉徴収税を期限内に申告・納付しています。支払日から起算して2か月目の15日が申告および納付期限です。期限までに納付されない場合、罰金および強制徴収措置の対象となる可能性があります。納付額遅延のペナルティには上限がありますが(上限15%)、金額が大きくなる場合がありますので、月次決算を実施されていない場合、源泉徴収義務の漏れが発生していないか、毎月モニタリングする必要があります。

■源泉税の申告納付義務が発生するケース

非居住者及び非居住法人への各種支払いについて、シンガポール国内法では下記のように源泉税率が定められています。

  1. 利子、コミッション、融資や債券に関する報酬:15%
  2. ロイヤルティなどの権利使用料や一定の権利に関する役務の提供報酬等:10%
  3. 動産の使用に関する賃料等:15%
  4. コンサル・マネジメントフィー:支払先が法人なら17%、個人なら22%
  5. シンガポール非居住不動産業者からの不動産購入取引:15%
  6. REITからの分配:10%

たとえば、日本親会社に対して、上記1~4をシンガポール子会社が支払う場合です。

なお、逆に、日本法人から、シンガポール居住者・居住法人への支払いの際は、日本国内法による源泉税を検討する必要があり、また、対日本との取引においては日星租税条約 [8]で規定されている源泉税率が上限となります。

■納付遅延または未納の結果

納付期限までに支払いが行われなかった場合、IRASは以下の措置を取ることがあります:

※上記は一例であり、その他の措置が取られる可能性もあります。

■納付遅延に対するペナルティ

■遅延罰金の免除申請について

以下の条件をすべて満たす場合に限り、S45 WHT罰金免除申請フォームを通じて免除申請が可能です:

  1. 未納税額を全額納付済みであること
  2. 過去2年間に免除を受けたことがないこと
  3. 今後は期限内に納税することを誓約すること(例:GIRO登録などの再発防止策を講じる)

申請は15営業日以内に処理されます。

■代理人の指定について

納付がされない場合、IRASは以下のような「代理人」を指定することがあります:

例:銀行が代理人に指定された場合

税金を完納するまで、銀行口座の使用(例:入出金)が制限されることがあります。

■支払方法について

源泉税は、複数の支払方法で納付できます。

■GIRO(口座振替)のキャンセルや解除について