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[実務入門] (32) 原価計算 (1)

今回から、原価計算について説明していきます。まず、「原価」と「費用」の違いは何か、という非常に基本的な点を確認したいと思います。

「旧」企業会計準則・企業会計制度上では、以下のように規定されています。

ひらたくいうと、製品の売上や役務に紐つけて損益計算書に計上すべき支出が原価、期間(1ヶ月や1年)に紐つけて損益計算書に計上すべき支出が費用ということになります。

本記事は、現在NNA.ASIAで連載中の「ここに注目!中国会計・税務実務入門」を転載したものです。

それでは、「旧」企業会計準則・企業会計制度上、原価に集計すべき費目は決まっているのでしょうか。

このため、直接材料費のみならず、各種の労務費や間接費を製品原価に含めて原価計算を行う必要があり、月末の「製品」「仕掛品」残高の中にも労務費や間接費も含まれている必要があるでしょう。

ところで日本では、原価計算は昭和37年に大蔵省企業会計審議会より出ている「原価計算基準」に規定されており、改訂もなく今日まで有効な唯一の原価計算に関する会計基準となっています。
ここでは「直接費」「間接費」の定義について触れていますので、基本的な点ですが確認してみましょう。

したがって、外部の立場から中国の製造業会社の財務分析を行う場合には、どのような費目を原価に含めて計算しているのか確認することは重要です。
また、親会社の日本法人と子会社の中国現地法人という観点からは、もちろん原価計算方法を統一することが望ましいです。
しかし、一方で企業会計制度上以下の規定があることをご留意ください。

次回も引き続き原価計算について解説する予定です。