中国・国家移民管理局による10項目の開放拡大と質の高い発展支援措置

国家移民管理局（出入国管理局）により、下記10項目の出入国便利化措置が実施されます。このうち、1～6項目は11月5日より開始されており、7～10項目は11月20日開始となります。

1．香港マカオ人材ビザの試行対象範囲の拡大

目下のところ北京、上海、大湾区に限られていた香港マカオ人材の申請試行地域を、長江デルタ、京津冀地域（北京、天津、河北省）全域と、全国の自由貿易試験区に拡大する。これらの地域で仕事をする内地人材で条件を満たす場合1～5年の香港或いはマカオ人材ビザを申請することができ、1回の滞在期限は30日を超えないとされている。

2．大陸住民の台湾親族訪問ビザ“全国統一手続”措置の実施

台湾親族訪問ビザ申請予定の大陸住民は、全国の県レベル以上の公安機関出入国管理機構にて申請することができる。申請手続きと戸籍地は一致することとされている。

3．一部の香港マカオ台湾航路を有するイミグレーションにおいてスマート通関の推進

目下深セン市の深セン湾イミグレーション、珠海市拱北イミグレーションで実施している顔認証通関を、上海虹橋空港、厦門高崎空港・五通港、広州琶洲旅客港・南沙旅客港、深セン皇崗・羅湖・蓮塘・福田・文錦渡、珠海横琴、香港珠海マカオ大橋等のイミグレーションで運用を推進する。

顔認証スマート通関の対象者は年齢満14歳以上、香港マカオ通行証及び、マルチの滞在、親族訪問、商務、人材、その他類の香港マカオビザを有する内地住民と、香港マカオ住民内地往来通行証（非中国籍を含む）を有する香港住民、5年有効台湾住民大陸往来通行証を有する台湾住民で、顔認証と指紋情報をイミグレーションで届出手続きした者で、自動通関レーンにて顔認証で通行できる。民事行為能力が無いか制限される人は法定保護者により付き添う必要がある。

4．河套深港科技刷新合作区 深セン園区の内地人材に対する越境移動の便利化

河套深港科技刷新合作区の研究所、企業等に勤務する内地人材は、合作区深セン園区管理部門にて備案後、公安機関入出境管理機構より3年マルチの香港/マカオ人材ビザを発行される。申請時に人材証明の提出が免除される。新興・創業企業が初年度納税額免除で香港マカオビジネス備案を手続きすることを許可し、ハイテク技術、ハイエンド製造等の重点企業・機構の香港マカオ往来備案人数を緩和する。皇崗、福田イミグレーションには合作区専用通路を設け、深セン園区内企業・機構人員が福田保税区一号通路より入出国することを許可することにより、合作区企業の人員の通関の利便化を図る。重大プロジェクト、活動等で緊急に入出国時には予約通関サービスを提供する。研究開発物資の合作区への搬出入にはグリーン通路を開通させ、通関・検査を最適化し、研究物資通関効率向上を図る。

5．24時間内トランジットで入出国手続き不要なイミグレーションの範囲拡大

天津濱海、大連周水子、南京禄口、福州長楽、青島胶東、武漢天河、南寧呉圩、海口美蘭、重慶江北、昆明長水の10か所の国際空港において24時間内トランジットに対し出入国検査手続き免除を実施する。24時間以内の乗換チケットを有し、上記いずれかの飛行場から外に出ることなく第三国・地域への乗換を行う旅客は、入出国手続きを免除することができる。

6．240時間のトランジットビザ免除政策を広東省5か所のイミグレーションにも新たに適用

広州琶州旅客港、横琴、香港珠海マカオ大橋、中山港、広深港高鉄西九龍駅など5カ所のイミグレーションにて240時間トランジットビザ免除政策を適用する。これにより、240時間ビザ免除イミグレーション数は60カ所から65カ所への増加となる。55の対象国民は有効な旅券と、旅行日程の確定した一貫チケットを持参し、中国入境後第三国へ出発時、24の省（及び自治区・直轄市）の65カ所の開放イミグレーションのうちいずれかの場所より入境し、規定区域にて240時間まで滞在・活動することができる。滞在期間中、旅行、商務、訪問、親族訪問等の活動に従事することができ、仕事、学習、取材等は事前に認可を受けビザを取得した後に入境しなければならない。相互ビザ協定或いは中国より発行するビザ免除政策に符合する場合はその規定に従う。

7．内地居住者への入出国証書の更新発行を“全国統一オンライン手続”で行える都市の拡大

16歳以上の戸籍住民（登記備案した国家公務員及び現役軍人を除く）は、国家移民管理局政務サービスプラットフォームにてオンラインで普通パスポート、香港マカオ往来通行証、台湾往来通行証の更新、追加発行を申請することができる試行都市の数を、既存の20から50に増加する。*1

8．親族訪問ビザで香港マカオ地区に往来する内地住民に対し香港マカオ地区で同類ビザの延期申請をより容易に

内地住民の香港・マカオへの親族訪問中の延期手続きに対し、期限満了の7日前までに香港の中国旅行集団もしくはマカオ中国旅行社にて同類ビザの延期申請を行うことができるようにする。

9．台湾住民に対する一回有効大陸往来通行証が発行可能なイミグレーションの拡大

台湾住民のシングル大陸通行証のイミグレーションを既存の58カ所から100カ所に増加する。有効な大陸出入境証書を持っていない台湾住民は到着時、公安機関出入境管理機構にて1回有効の台湾住民大陸往来通行証を申請することができ、許可後、証書取得してから入境することができる。

10．外国人入国カードのオンライン記入が可能に

外国人の中国入境時、前もって移民局アプリを政府HP・プラットフォームからダウンロードするか、Wechat・アリペイのミニプログラムにて、入境カードを記入することができる。入国検査時に携帯でQRコードをスキャンするか、現場に設置された設備に情報入力してもよく、紙の入境カードに記入してもよい。次の7種の外国人は入境カードの記入が不要である。外国人永久居留身分証、香港マカオ住民内地往来通行証（非中国籍）、団体ビザ或いは団体ビザフリーを有する、24時間トランジットビザフリー、クルーズ船で入境し元のクルーズ船で出境する、自動通関入境、入出境交通車両等で入出境する外国籍従業員等。

*1: 増加した都市は以下の通り。河北省石家庄、山西太原、内モンゴルフフホト、遼寧省大連、吉林長春、江蘇無錫、徐州、常州、蘇州、浙江省湖州、嘉興、紹興、金華、江西南昌、山東煙台、イ（さんずいに維）坊、湖北武漢、湖南長沙、広東佛山、恵州、東がん、中山、江門、肇慶、広西南寧、桂林、海南海口、貴州貴陽、甘粛蘭州、寧夏銀川。