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[華南ビジネス] 広東省外国専門家証の許可及び東莞市の就業ビザ年齢制限について

 中国で勤務し居住する際のビザとして、中国国内企業での雇用契約に基づき就業許可を申請するほかに、学術/文化/経済等の指導に従事する、特殊分野で中国に不足する人材として勤務する「外国専門家*1証」を申請して、就業証と居留許可を得る方法があります。一般的な就業ビザが60歳という年齢制限を受けるのに対し、年齢制限要件が厳格ではなく、シニア人材にとっては有効な中国居留許可申請方法の1つですが、これまで東莞市等一部の地域では外国専門家としての許可申請を受け付けていませんでした。
 広東省では、当地の経済・社会の知力増強のため、外国籍の高級人材や専門家人材の流入を強力に支持するとして、省レベルと一部の市のみが行っていた外国専門家証の審査認可を、省内の多くの市及び自由貿易試験区等の地域に委託するとし、省内各市で外国専門家の申請が提出できるようになっています。2016年1月1日より開始されています。

省から市・区域への具体的な委託事項は以下の通りです。

(1)広州、深セン、珠海、湛江、清遠等の5市が“外国専門家の就業許可”及び“専科学校及び以下の教育機構が外国専門家を招聘する単位資格の認可”を取り扱うことはこれまでと変わらず有効。

(2)佛山、恵州、中山、江門、茂名及び佛山順徳区、広州南沙区、深セン前海区等5市3区が“外国専門家の就業許可”を取り扱う事はこれまでと変わらず有効、“専科学校及び以下の教育機構が外国専門家を招聘する単位資格の認可”取扱いを加える。

(3)スワトウ(汕头)、東莞、韶関、河源、梅州、汕尾、陽江、肇慶、潮州、揭陽、雲浮、珠海横琴新区等11市1区は“外国専門家の就業許可”及び“専科学校及び以下の教育機構が外国専門家を招聘する単位資格の認可”を取り扱う。

 2016年7月21日、第13回目となる在東莞日系企業と東莞市政府との定期連絡会において、出席する日系企業100社超の前で、東莞市の人力資源と社会保障局の担当者より、就業ビザの年齢制限についての質問と緩和の要望に対する回答として、①進出企業の経営に参画する外国投資者及び常駐代表処の首席代表者には年齢上限無とする。 ②当地ですでに就業している場合の更新については、転職も含め65歳までとする。③他地域からの転入については継続と同様に65歳までとする。という発言がありました。同時に、専門家証が同市において審査認可が可能になったこと、専門家証においても年齢上限が無いことが付け加えて発言されました。
 就業ビザ申請時、制限要件には年齢に加えて大卒の学歴要求もありますが、同会議終了後、直接担当官の方にヒアリングしたところ、こちらは緩和条件の明言は無く「総合的に審査する」との回答がありました。
現状、東莞市の人力資源部門では、教育機構の教師の申請をよく取り扱っているということで、まだ企業からの申請は少ないとのことではありましたが、ケースによっては今後のビザ申請方法の一つとして検討可能となったと言えます。

*1広州市外国専門家局に定める外国専門家の範囲(参考)

(1)政府機関、国際組織間協議・協定、中外貿易経済契約の執行のために中国に招かれ勤務する外国籍専門技術或は管理人員
(2)招きに応じて中国で教育、科学研究、新聞、出版、文化、芸術、衛生、体育等に従事して勤務する外国籍専門人員
(3)招きに応じて中国国内の企業で副総経理以上の職務を担当するか、或は同等の待遇を享受する外国籍高級専門技術或は管理人員
(4)国家外国専門家局が認可した、国外専門家組織或は人材仲介機構の中国駐在代表機構の外国籍代表
(5)中国で経済、技術、工程、貿易、金融、財務会計、税務、旅行等の領域に従事して勤務し、特殊専門を有し中国で不足する外国籍専門技術或は管理人員