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[華南ビジネス] 外国専門家の短期(90日以下)滞在に関わるFビザ新通知について

一.外国専門家証による中国での勤務

 外国人は中国への入国に際し、入国目的に沿ったビザを取得することとされており、中国国内の企業に勤務する場合は就業許可取得の上Zビザを取得し、滞在が180日を超えるならば居留許可を取得する必要があります。このほか、中国国内組織機構の招きを受けて、中国にて管理、技術、科学研究、教学、指導、コンサルティング等の業務に従事する場合、「外国専門家(『外国专家』)を取得することとされています。外国専門家とは、広州市外国専門家局によると、外国専門家とは以下のような人を指しています。

(1) 政府機関、国際組織間協議・協定、中外貿易経済契約の執行のために中国に招かれ勤務する外国籍専門技術或は管理人員
(2) 招きに応じて中国で教育、科学研究、新聞、出版、文化、芸術、衛生、体育等に従事して勤務する外国籍専門人員
(3) 招きに応じて中国国内の企業で副総経理以上の職務を担当するか、或は同等の待遇を享受する外国籍高級専門技術或は管理人員
(4) 国家外国専門家局が認可した、国外専門家組織或は人材仲介機構の中国駐在代表機構の外国籍代表
(5) 中国で経済、技術、工程、貿易、金融、財務会計、税務、旅行等の領域に従事して勤務し、特殊専門を有し中国で不足する外国籍専門技術或は管理人員

※広州市では、上記(2)及び(3)の外国専門家の勤務許可審査に対し、大学学士以上の学位と5年以上の勤務経験、並びに(3)の‟同等の待遇を享受する外国籍高級専門技術或は管理人員“は招聘単位より関連証明の提出を求めています。

 中国での就業・勤務の内、90日を超えない国内提携先への技術指導等業務は短期就業としてZビザ、子会社等への管理業務であれば商務(M)ビザを取得することになっていますが、2015年11月1日施行にて、《外国専門家の中国短期訪問に係わる手続きを更に完全にすることに関する通知》及び《外国専門家の中国短期訪問に係わる手続きの実施細則》が公布され、外国専門家の短期(90日以下、90日を含む)滞在に関し、中国国内の受入側組織より所在地域の外国専門家局に《外国専門家来華招聘状》を申請取得した上で、Fビザを取得することが明確化されました。

 この通知及び細則のポイントの一つ目は、FビザやLビザは本来報酬を得る就業活動を目的とした入国としては認められず、また複数回入出国する場合は更に審査条件のハードルが上がりますが、《外国専門家来華招聘状》に基づくFビザで、外国専門家として中国に入国し管理、技術、科学研究、教学、指導、諮詢等の業務に90日以下滞在して従事することが可能となることです。
 もう一つのポイントは、90日を超える外国専門家としての滞在は就業とみなして、外国専門家としての就業許可を取得する必要がありますが、広州市等広東省の各市における外国専門家の審査において、外国専門家の対象範囲の中には、中国国内企業に勤務する副総経理以上の管理人員を含み、この人員に対する年齢制限が明記されておらず、通常の就業許可申請時の年齢制限である60歳を超えても申請できるということです。但し、地域によっては外国専門家の年齢制限を65歳程度までとしているところもあるようですので各地にて確認が必要です。
 外国専門家として長期滞在する申請は、各地の外国専門家局に履歴書、学歴証書、健康証明、雇用協議・契約書、無犯罪記録等を提出し、外国専門家証(『外国专家证』)を取得した上で、ビザ及び居留許可を取得するという手順となります。

二、外国専門家の短期滞在手続き

①今回の通知に基づき外国専門家の短期滞在申請を行う場合、申請の条件は以下の通りです。

(1) 招聘側企業は法人資格を有し、外国専門家の招聘能力を有する。
(2) 明確な来華任務がある。
(3) 中国での詳細な活動日程がある。
(4) 招聘のための十分な費用を保障できる
(5) 外国専門家の条件は《外国専門家の来華就業許可服務指南》(外専発[2015]173
号)を参照する。

②受入側企業が各地の外国専門家局へ以下の書類を持って申請提出します。

(1) 《外国専門家来華招聘状申請表》
(2) 招聘企業の申請書
(3) 入国者の有効なパスポート或はその他の国際旅券
(4) 短期雇用契約或は派遣(招請)状
(5) その他提出の必要な資料

③上記申請後、5営業日で審査結果が告知され、審査合格する場合《外国専門家来華招聘状》が発行され、これを基に派遣側所在地の中国大使館でFビザ申請し入国する手順となります。

※各地の運用状況が異なる場合があります。各所在地にて再度ご確認ください。