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[中国会計税務レポ] 企業関連者間取引の特別調整 -特別納税調査調整と相互協議 (7)

中国の租税回避防止管理のガイドラインである『特別納税調整実施弁法(試行)』(国税発[2009]2号 [1]。以下「2号弁法」)について、2016年6月に関連申告(第二章)、同期資料管理(第三章)、12月には事前確認(第六章)を改訂する公告が発せされたのに続き、2017年3月には『特別納税調査調整および相互協議手続管理弁法に関する公告』(国家税務総局公告2017年第6号。以下「6号公告」)が公布されました。 
 

1. 特別納税調査調整および相互協議手続管理弁法

6号公告の前文では、「《国税・地方税の徴収管理体制改革法案の深化》の徹底した遂行、特別納税調整および相互協議手続の管理業務をいっそう整備し、税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画の成果の積極的な活用、我国が対外的に締結している二重課税回避協定・合意、または取決めを効果的に執行するため」にこの弁法を制定したとしており、国際的な行動基準であるBEPS 行動計画を重視しています。
6号公告では、2号弁法の

また、さらに『クロスボーダーの関連取引の監視および調査の強化』(国税函[2009]363号 [2])、『企業の国外関連者への費用支払に係る企業所得税問題に関する公告』(国家税務総局公告 2015年第 16 号)などの規定も廃止され、新たに定められています。

(注1) 5月1日より施行。2号弁法には、コストシェアリング(第七章)、被支配外国企業(第八章)、 過少資本(第九章)及び一般租税回避防止(第十章)も含まれており、これらの規定は依然として有効である。

2. 特別納税調査の対象

6号公告では、税務機関はリスク管理に向かわせるものとして、関連者取引の利益水準管理体制を整備するとともに、企業の利益水準に対する監督を強化し、特別納税調整を通して企業の法律コンプライアンスを促進することを掲げています。税務機関は、利益水準の監督、関連申告の審査および同時文書の管理を通して企業の特別納税調整リスク、すなわち移転価格リスクを認識し、特別納税調査を実施するものとしています。
特別納税調査の実施においては以下9項目のリスクの特徴を有する企業を重点的に調査するとしています。

新たに

になっています。なお、2号弁法と同様に、実際の税負担が同じ国内の関連者間の取引については、当該取引が直接または間接に国家全体の税収を減少させない限りには、原則として移転価格調査・調整を行わないものとしています。