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2016年4月1日以降開始する決算期から適用できる「適格コーポレートトレジャリーセンター優遇税制度」。非金融機関の、海外関連会社からの借入金に対する支払利息の損金算入が認められることになったこの制度について、適用要件などを解説します。

香港では多くの多国籍企業が、全世界の関連会社に対する地域統括機能ならびにファイナンス機能を持つ法人を設置しています。けれども「金融機関ではない海外の関連会社からの借入金に対する支払利息は、原則として税務上損金不算入となる」という点が、そのような企業を誘致する上で大きな障壁となっていました。これを受けて、香港財政司司長の曾俊華(John TsangChun-wah)氏は、2014/2015年度政府財政予算案の中で「全世界の関連会社への地域統括機能ならびにファイナンス機能を持つ法人の誘致をさらに促進するため、税務条例上の支払利息の損金算入基準を見直し、当該基準を明確化する」と表明していました。
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2015-2017年二年間の香港予算案税金措置から見る傾向

 香港財政司司長の曾俊華(John Tsang Chun-wah)は、2016年2月24日(水)に発表した2016/2017年度政府財政予算案の中で、税金措置を提案しています。不動産価格高騰に対する抑制策として発効した印紙税増税により、税収が予測の7倍にも達した2015/16年度に引続き、今年度も潤沢な財政備蓄を背景に、香港市民への税還付支援は前年度同額で継続し、高齢者、低所得者及び障害者への追加支援を盛込み、一般市民の健康維持を含む生活向上並びに次世代育成などをさらに推進すべく、子女、父母祖父母の扶養への措置を拡大しています。一方で、企業が直面している経済低迷を受け、商業登録費の免除を始め、旅行代理店、宿泊施設、飲食店並びに食品行商人などのライセンス関連費用も、前年度の半年分免除から全額免除など、観光・飲食業界を中心に経済支援を打ち出した内容となっています。当該税金措置の過去2年間の傾向について、下記の通り解説します。

1.2015/2016年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントでの所得税額の軽減措置

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香港において新会社条例(第622章)が2014年3月3日より発効し、会計上2015年3月期から(正確には2014年3月3日以降に開始する会計年度、つまりは2015年3月2日付以降の期末決算時)の決算書作成時に影響を受けることとなりますが、今回は資本の部に関連する事項について取り上げます。 (続きを読む…)

2014年3月3日より、香港において新会社条例(第622章)が発効し、2015年3月期から(正確には2014年3月3日以降に開始する会計年度、つまりは2015年3月2日付以降の期末決算時)の決算書作成時に影響を受けることとなりますが、今回は香港の非公開会社が一定条件の下で適用を許容されている、報告免除規定(Reporting Exemption: 在提交報告方面獲豁免)について取り上げます。 (続きを読む…)

2014年3月3日より、香港において新会社条例(第622章)が発効しています。その内容はコーポレート・ガバナンスの強化、規則の内容改善、事業活動の促進並びに法体系の近代化などを目指したもので、これにより、2015年3月期からの決算書作成時に影響を受けることとなるため、今回その中から合併(Amalgamation)について取り上げます。

合併とは、2つ以上の会社の事業、資産及び負債すべてが結合され、元々存在する会社の何れか1社、もしくは新設会社へ統合される法的手続を指します。従前の会社条例(第32章)では、合併という文言こそ含まれていたものの、合併制度の具体的な法規がなく、裁判所の認可の下、存続会社への資産負債及び資本を含めた事業譲渡と、消滅会社の解散を個々に進める、または、存続会社へすべての資産負債を譲渡し、消滅会社の清算もしくは登記抹消の組み合わせで吸収合併や新設合併と同様の効果を得る、というのが、香港でのグループ内組織再編時に用いられる主たる手法でした。

しかしながら、2014年3月3日以降、裁判所の干渉を受けず、合併を進めることが可能となっているため、合併における会計及び税務上の取扱いで留意すべき項目について整理しています。 (続きを読む…)

香港財政司司長の曾俊華(John Tsang Chun-wah)は、2014年2月26日(水)に発表した2014/2015年度予算案の中で、税金措置を提案しています。ここでは、香港行政長官の梁振英(CY Leung Chun-ying)により、2014年1月15日(水)に立法会にて発表された施政報告(Policy Address)の中で、香港市民の高齢者、低所得者や障害者への支援、一般市民の健康維持を含む生活向上並びに次世代育成などに触れていた通り、父母祖父母の扶養、子供の教育、及び自己価値の向上に係る費用や、中小企業が直面している給与賃金や賃借料が増加していることによる圧力に対抗した内容である、と言及しています。その中で当該税金措置の個々の項目について下記の通り解説します。
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前回は、合併制度の具体的な法規が存在しない(2013年12月現在)香港でのグループ内組織再編時に用いられる、事業譲渡に係る課税関係と、考慮すべき項目について触れましたが、今回は当該グループ内組織再編時でも一般的に用いられている、株式譲渡方式を取り上げます。事業譲渡のそれと比較すると、手続きにおける複雑性は減少するものの、株式譲渡方式は大きく分けて、①持分譲渡によるものと、②現物出資によるものとに区分され、会計及び税務上の取扱いに相違点が出てくる可能性もあるため、各々の課税関係と考慮すべき項目について整理しています。 (続きを読む…)

日本企業のアジアへの進出は、かつては香港を足掛かりとして、製造拠点として中国への進出が活発であった1970年代後半・1980年代前半から約30年、来料加工廠(非法人型加工貿易工場)の独資化が進み、中国への投資は以前と比較し落ち着いた感覚があるものの、現在も東南アジアを中心に留まるところを知りません。一方で、継続企業として生残る術としてや事業承継に起因する、日本企業の他社との合併やグループ内組織再編もまたしばしば見られ、それに伴い、日本企業が古くから多数進出している香港においても、香港株式の移転や組織再編が発生しています。このようなグループ内組織再編時の香港株式の移転や香港での組織再編が起こる場合の、日本親会社での課税関係はもちろん、香港での課税関係を押さえておくことは重要な項目となります。ここでは、合併制度の具体的な法規が存在しない香港でのグループ内組織再編時に用いられる、事業譲渡に係る課税関係と考慮すべき項目について整理しています。 (続きを読む…)

香港財政司司長の曾俊華(John Tsang Chun-wah)は、2013年2月27日(水)に発表した2013/2014年度予算案の中で、税金措置を提案しています。当該税金措置の個々の項目について下記の通り解説します。

1. 2012/2013年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントでの所得税額の軽減措置


2012年4月から2013年3月の税年度期間に課される利得税(法人及び個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントでの所得税額の確定額に対し、10,000香港ドルを上限とする75%の減税措置を提案しています。当該減税措置は資産所得税そのものには適用されず、別に賃貸所得がある個人は、パーソナル・アセスメント適用資格を満たしていれば、当該減税を享受できます。事業所得がある納税者は、パーソナル・アセスメントを選択するか否かにかかわらず、当該減税を享受できますが、通常の利得税申告とパーソナル・アセスメント申告との間で、減税額が異なる可能性があるため、案件毎に査定される必要があります。事業所得や賃貸所得がある個人は、各々の個人所得税申告書でパーソナル・アセスメントを適用するか否かを選択でき、税務局は、当該選択が納税額の負担を減らすことができるかどうか案件毎に個別に確認し、最も有利な方法で査定します。
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