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前回に引き続き税収徴収管理法および同法実施細則の規定を紹介します。今回は納税人および源泉徴収義務者に対する罰金の徴収などの罰則規定を取り上げます。

1. 法律責任


税収徴収管理法の「第六章 法律責任」には、
  1. 納税人および源泉徴収義務者
  2. これらの者の預金口座を開設する銀行などの金融機関
  3. 税務機関およびその職員―の違法行為、その他税収徴収管理法に規定の違反する行為を行った者に対する罰則、その決定権限
などが定められています。
納税人および源泉徴収義務者に税収徴収管理法に違反する行為が生じた場合には、その違反行為の種別ごと罰金の徴収(注1)や営業許可証の取り消しなどの罰則が適用されることになります。さらに、その違反行為が犯罪を構成する場合には、刑法に基づいて刑事責任が追及されることが規定されています。

(注1)前回紹介した延滞金の追徴規定は、第六章ではなく、「第三章 税金の徴収(中国語表記では「税収征服」)」に規定されています。
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前回に引き続き税収徴収管理法(以下、本稿では「管理法」と呼びます。)および管理法実施細則の規定を紹介します。

1. 税金の徴収方法


税金は法および関連規定に基づいて税務機関および税務機関から委託を受けた組織や個人が徴収し、国庫に納付されます。徴収は、帳簿査定徴収が一般的ですが、納税人の財務会計制度が不健全で帳簿が完備されておらず、帳簿から正確な計算ができない場合には、税務機関により査定徴収が行われます(注2)。また、税務機関は納税人および源泉徴収義務者の納税申告の真実性および適正性を検証し、信用等級を査定します(注2)。
納税人および源泉徴収義務者は法及び関連規定に従って納付を行わなければならず、源泉徴収義務者が法に基づいて履行する源泉徴収、代理徴収を納税人は拒否できないと定められ、納税者がこれを拒否する場合には、源泉徴収義務者は速やかに税務機関に報告することを求められています。なお、源泉徴収義務者には税務機関から源泉徴収の手数料が支払われます。
(注1) 中国語表記では、帳簿査定徴収は「査チョウ(チョウは貝へんに長)征収」、査定徴収は「核定征収」。
(注2) 納税人をA、B、C、Dの4等級に評価します。B級が正常管理で、A級には優遇があり、C級は厳格な管理、D級は重点監督管理の対象となり、税にかかわる審査が強化されるのみに留まらず、関連部門にも通知されるため、経営、投資、輸出入、出入国、プロジェクトの入札、生産許可、就業資格、資質審査などさまざまな分野で制限または禁止措置がとられます。
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1. 概要

 広州市地方税務局は「2017年度社会保険年度納付基数の通知」(原文)を7/14付で公布した。2016年度広東省非民営企業在職従業員の年平均給与は72,848元(月平均給与は6,071元)、2016年度広州市非民営企業在職従業員の年平均給与は89,100元(月平均給与は7,425元)。また、東莞市・佛山市・中山市についても同様に当地従業員平均給与が公布されている。以上に基づき2017年7月1日から2018年6月30日までの期間における広州市・東莞市・佛山市・中山市における社会保険料基数上下限が調整され、社会保険を納付する必要がある。
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1.概要

 『広東省労働人事争議処理弁法』(原文、粤府令〔2017〕第234号、以下『弁法』と呼称)が2017年5月1日より施行開始されている。『広東省企業労働人事争議処理実施弁法』(1995年5月1日施行、粤府令〔1995〕第19号、以下『旧規定』と呼称)は同時に廃止となる。今回の『弁法』では労働争議の処理範囲、組織機構、処理規制、労働争議の処理体制及び処理方法等に関する規定が改定及び明確化された。
 『旧規定』は『中華人民共和国労働法』(1995年施行)*1及び『中華人民共和国企業労働争議処理条例』(1993年施行)*2を法律依拠とし、労働争議の処理を完全にすることを目的として1995年施行された。しかし、政府部門が労働争議の実務において新しい状況を処理する際に相応しい法律依拠が乏しく、また調停のプロセスに関する基準が明確でない等の問題が多発したため、労働争議の処理効率は高いとは言えないものであった。
 その後、2008年に『中華人民共和国労働契約法』*3が施行され、従業員の権利意識が高まり、更に『労働争議調停仲裁法』*4(2008年施行)において、①協議(雇用者と従業員or労働組合or第三者間での和解協議、省略可能)→②調停(調停組織による調停、省略可能)→③仲裁(労働争議仲裁委員会による判断)→④訴訟(人民法院による司法判断)という一連の労働争議に関連するプロセスが明確化されたこと、及び仲裁費用については当事者負担が無料とされたことにより、近年、中国全土における、雇用者と従業員の間における個人労働争議の発生件数は増加の傾向にある。
 今回施行された『弁法』では労働争議の処理プロセスに関し、これまで労働争議において軽視されることの多かった予防、協議、調停に重きを置くことが強調されており、労働争議をその場で速やかに解決することが促進されている。また仲裁において、仲裁機構が法定代表人や分公司責任者といった当事者代表者の出廷を求めることができるとされている点や、仲裁申請時の必要資料に当事者代表者の身分証明書(パスポート)を提出する必要が含まれている等、実務面での明確化に伴い雇用者側の注意が必要な変更点も幾つか存在している。以下に主な変更点をまとめる。
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中国においても、企業活動に関係する税金の徴収は、納税者自身が申告して納税することや源泉徴収といった手法が採用されています。今回は税金の徴収に関する規範法規である税収徴収管理法の概要を紹介します。

1. 税収徴収管理法

 税収徴収管理弁法(注1)は、租税徴収および納付行為の規範化、税収徴収管理の強化、国家の租税収入の確保、納税者の合法的権益の保護、税収管理の現代化の促進を図り、経済及び社会発展の促進を目的として制定すると規定されており、日本の国税徴収法に相当すると言えます。現行の税収徴収管理法は、総則、税務管理、税金徴収、税務調査、法律責任の五章(注2)で構成されており、当該管理法の実施における手続きや判断に関する規則を定めた実施細則も制定されています。 税収徴収管理法及びその実施細則は、税務機関の徴収管理に適用され、租税の徴収開始・停止、減税、免税、税金還付、税金追徴に関することは、原則として全てこの法規に基づいて実施され、これに抵触する行為は認められず、無効となります。
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印花税(2)

前回は印花税の概要を紹介しました。今回は、日本の印紙に相当する印花税票及び印花税票による納税について具体的に紹介します。なお、中国では電子形式で作成される各種電子文書に対しても印花税が課税されることとなっています。

1. 印花税票

印花税票は実際に課税文書に貼り付ける紙片で、日本の収入印紙と同様に票面に固定額が表記されています。専ら印花税の徴収に用いられる有価証券で、印花税票を課税文書に貼り付けて消印をすることにより、納税を行ったことを証明するものとなります。
印花税票は9種類(注1)の定額税票がありますが、国家税務総局が統一して印刷、管理をしており、定期的に図案を変えて発行されています(注2)。印花税票の図案変更による発行は国家税務総局の公告として公布されますが、国家税務総局の説明によると、公告は印花税の管理強化、公衆の税票に対する識別力の増強と同時に広範なコレクターの需要に応えるため行っているとのことです。公告では図案の詳細のほか、税票のサイズや目打ちの規格などの偽造防止措置や各金額の発行総数も記されています。印花税は納税義務者自らの行為のみで納税が行われるという特徴があり、定期的に図案を変更することにより、文書作成時に印花税票を貼付せず、後年になって税票を購入して貼付するなどの印花税納付漏れの偽装を防止するという管理強化も図られることになります。

(注1) 1角、2角、5角、1元、2元、5元、10元、50元、100元。
(注2) 2012年12月に故宮の珍宝、2013年11月に福建省の伝統建築、2015年12月には中国古代思想家を題材としたシリーズと、ほぼ1~2年ごとに改定発行されています。
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深セン市社会保険基金管理局は「2017年度深セン市社会保険料納付基数・待遇補償基数の調整に関する通知」を6/20付で公布した。2016年度広東省非民営企業在職従業員の年平均給与は72,848元(月平均給与は6,071元)、2016年度深セン市非民営企業在職従業員の年平均給与は89,757元(月平均給与は7,480元)。各料率については「深セン市在職人員社会保険納付比例・納付基数表」(2017年6月1日現在)に依る。以上に基づき2017年7月1日から2018年6月30日までの期間における深セン市社会保険料基数上下限が調整され、社会保険を納付する必要がある。 (続きを読む…)

 3月21日付で深セン市人大常委*1より、2013年より施行されていた《深セン経済特区人口と計画生育条例》を廃止する決定が審議通過し、公布されました。

 2015年後半には国が二人っ子政策を推進する《中華人民共和国人口と計画生育法》を修正発布し、広東省も《広東省人口と計画生育条例》を修正し、いずれも2016年1月1日より実施されています。深セン市はこれに伴い修正意見募集稿を出していましたが、広東省から2016年9月に再度修正条例が発布され*2、奨励休暇の延長や生育条件の明確化等が規定されたため、深センが別途規定する必要がなくなり廃止に至ったと、報道等では伝えられています。

 廃止に伴い、深セン市のみ規定されていた、産休時に高齢且つ合法出産の場合15日追加できるとされていた休暇日数*3が無くなることとなります。深セン市の産休は、広東省規定に沿って、最長では、法定98日 + 広東省奨励休暇 80 日 + (難産の場合30日) = 208日となります。男性の配偶者休暇は15日です。

 産休日数に関する、現行の国・広東省と広州市規定は以下の通りです。
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1. 加入するも納付基数低く

 「社会保険法」*1の公布と実施に伴い、社会保険の加入義務は一般に広く認識されているが、一方、社会保険の計算基数の遵守割合が低いという調査結果がある。昨年の新聞報道で、社会保険委託機構の“51社保”が発表した「2016年 中国企業社保白書」によると、2016年度に社会保険基数を規定通り給与総額とする企業は2015年より減少し、7割が従業員の実際給与を社会保険の納付基数にしておらず、3割以上が最低基数に基づき納付しているとのことである。*2
 以下に、社会保険及び住宅積立金についての追納義務や、追納の可否について分析する。
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1. 本通知の公表、実施

人力資源社会保障部と財政部は2017年2月16日、《失業保険料率を段階的に引き下げることに関する問題の通知》にて、2018年4月30日迄の期間、失業保険料率(企業負担と個人負担の合計)が1.5%の省(区・市)について1%まで料率を引き下げても良いとする通知を公表しました。具体案は各省(区・市)が確定し、2017年1月1日に遡って執行を開始するとされています。
またその際には《社会保険料率を段階的に引き下げることに関する通知》(2016年4月14日公表)に基づき執行するとされていますが、それによりますと個人負担は0.5%を超えないものとするとされています。
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