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2020年10月26日インドネシア政府労働大臣は通知M/11/HK.04/X/2020号をインドネシア国内の全地方自治体首長へ通知しました。

内容は、下記の通りです。

  • 2021年度最低賃金について2020年と同額とするよう要請する。
  • 2021年より後の最低賃金については各法律に基づき決定すること。
  • 2020年10月31日までに2021年最低賃金を策定すること。

これまでインドネシアの最低賃金は州、県、市町村がそれぞれ最低賃金を策定し、その中で最も高い最低賃金がその地域の最低賃金となっていました。賃金上昇率は、物価上昇(インフレ)率と経済成長率を足したものを上げ幅基準とするとしてきました。これまでの基準を適用した場合、2020年は新型コロナウィルスによる経済成長の鈍化やマイナス成長の可能性があることから、地区によっては上げ幅がマイナスとなる可能性があります。また、企業としてもコロナ禍での賃金上昇が難しいという現実を鑑みて、各地方自治体首長へ2021年の最低賃金の策定については、2020年と同額とすることを要請しております。

また、新たに国会を通過したオムニバス法では一部例外を除き各地域の最低賃金規定を撤廃して県の最低賃金に統一することとしています。オムニバス法の施行動向が現状不透明であることからも、本通知では最低賃金の策定の指示を各首長へ要請したものとなっています。

2020年10月5日インドネシア国会は、オムニバス法を可決しました。オムニバス法では各分野の法令について、横断的に1つの法律で策定することで新たな雇用と投資を生むことを目的としています。

主としてビジネス許可取得などの要件の明確化と簡素化、投資条件、雇用、中小企業保護、ビジネス環境、研究開発、行政、制裁、土地、政府投資プロジェクト、経済などの各項目について横断的に新たに規定を行うものとなっています。

オムニバス法は大統領が表明してから議論がされてきました。特に昨年2019年から今年2020年にかけて法案ドラフトが公開されてからは、経営者からは迎合的に受け入れられる反面、労働者団体からは強い反発がされていました。

2020年に入り、政府は新型コロナウィルス感染症拡大の影響で落ち込んだ経済に対して、景気刺激策として法律の可決を急ぎ、10月5日に国会可決となりました。当初10月8日に可決を行う予定であったものの、労働者団体からのデモ予告を受け10月5日に前倒しの上で可決となりました。

労働者団体からは、労働者へ不利な条項があり反発していたこともあり、コロナ禍での審議不十分という理由や、デモの状況を鑑みての前倒し可決という政府の態度に反発して現在までデモ・抗議活動が続いています。

また、現在までにオムニバス法の大統領署名は行われておらず、法令上3か月以内の詳細規則の策定も進んでいません。報道では少なくとも5草案以上の法案が公開されています。各草案では加筆修正削除などが行われており、800ページのものから1000ページ以上にわたるものまで、各種記載が異なっています。これを受け、一部法律家からは国会通過後に恣意的変更が行われている可能性があり、法律が国民の代表である国会のコントロールを受けていないという理由から法令自体が無効であるという主張もされています。

現在、新法令に伴う運用は開始されておらず、各分野、旧法令化での運用が続いています。

新法律が施行されると、外資企業にとっては、ビジネスライセンス、投資法、会社法、雇用、環境、税の部分は大きく影響を受ける可能性があります。また、外国人駐在員の雇用や税についても、現在公開されている法令案では規定されています。今後、記載による変更と施行状況については、注視する必要があります。


2020年10月5日に新法律(オムニバス法)の国会での可決に対するデモが断続的に行われています。

現在、新法令は国会の採決を経て可決したものの大統領署名が行われておらず、3か月内に詳細規則を策定する目途もたたず、今後の動向を注視する状況となっております。

当初の予定では2020年10月8日に国会採決が行われる予定であったものの、審議を早め10月5日に強行採決を行ったことから、学生団体や労働者団体が大きく反発しています。現在までに明らかとなっているオムニバス法の国会審議案では、退職金の減額、整理解雇条項の再規定、最低賃金計算方法の変更などが規定されており、労働者に不利な条項が盛り込まれています。

これらに対して変更・撤回を求めるデモが各地で断続的に行われています。政府としては労働者へのコスト・リスクを減らすことで外資企業の誘致が進み、雇用が創出されるという説明をおこなっています。オムニバス法施行により886兆ルピアの投資が生まれ、130万人の雇用機会創出が見込めるという政府の試算と共に、大統領自身がインターネット会見で国民へ説明するなど、デモの鎮静化を試みているものの、労働者団体・学生団体は反発を続けています。デモ参加団体は、オムニバス法が撤回されるまでデモを継続するという強気の声明も発表しており、新法令の施行状況とデモに伴う治安の悪化などには、引き続き注視する必要があります。

また、フランスで歴史教師がイスラム預言者ムハンマドの風刺漫画を生徒に見せ、その後殺害された事件で、マクロン大統領が風刺画を見せたことについて肯定的な発言をおこなったことを理由に、中央ジャカルタフランス大使館近辺では抗議デモが行われています。

報道等によるとインドネシア政府・通信情報省は、SNSをはじめとするインターネット上の有害なコンテンツを削除しない媒体について、アクセス遮断法令規則の策定を検討していることが明らかとなっています。

これまで、政府は電子情報取引に関する法(サイバー法)を根拠に宗教や人種に対する差別的なコンテンツ、ポルノ、テロの動画や画像については個別にブロックの措置をしてきました。

2019年8月のパプアで人種差別に抗議するデモの過激化・暴動の際に政府が大規模なアクセス遮断を行った事件に対して、行政裁判所が2020年8月に、アクセス遮断が人権侵害に該当すると判断・判決したことから、政府による大規模なアクセスの遮断に対して国内外の人権団体からは批判が高まっていました。

昨年や本年、ジャカルタにおいてもデモが発生した際にその地域のアクセスを一時的に遮断させる措置が取られており、政府としてはデモや暴動を拡大させる情報の封鎖を念頭に置いて新法令の策定を検討しています。

ネガティブコンテンツのみのブロックではなく、地域の大規模アクセス遮断を可能とする法令は表現の自由を著しく制限する、また、何をもってネガティブコンテンツとするかの権限が政府に与えられることで政府批判の封じ込めに繋がるとして、人権団体や法律家からは批判があがっています。

BPJS事務所(社会保険事務所)は、2020年10月19日付でB/20894/102020号、B/136239/102020号通知をBPJS加入事業者へ行っております。

内容は、加入労働者の情報をアップデートするよう要請する内容となっております。

BPJS事務所では、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う事業者の保険料の負担軽減や労働者の生活を守るために、これまで、保険料の減免や、低所得者への給与補助の為の給付金支給などを行っております。

【参照】
インドネシア・BPJS労働社会保険の保険料軽減と納付猶予・納付期限の延長について
インドネシア・政府による給与補助について

通知では加入者情報の確認と、今後の社会保険料運用、そして更なるパンデミック下におけるフォローアップ政策策定の為に、加入事業者へ労働者情報のアップデートをするよう要請しています。

アップデートの期限は10月31日までとなっており、個人ID番号(NIK)、住所、携帯電話番号、個人のe-mailアドレスを更新するよう要請しています。

全ての情報はBPJSシステムへアクセスの上、ログインしたうえで情報を入力する形となります。

ジャカルタ首都特別州は、州規則101号、州知事決定1020号を発令し、PSBB(大規模社会規制)の再緩和を決定しております。

これまで、新型コロナウィルス感染症がインドネシアで発生した後、ジャカルタ首都特別州では、いわゆるロックダウンと緩和を繰り返し直近では2020年10月11日までロックダウンを行い企業と市民に対して移動制限を課してきました。

【参照】インドネシア・PSBB大規模社会規制(ロックダウン)の延長

新規則・決定では、2020年10月11日から緩和規制として2週間の施行、状況を鑑みて更に2週間の延長を決定しています。なお、10月25日までの2週間が経過し延長を決定し11月8日までの延長を決定しています。

PSBB Transisi(緩和/移行PSBB)では、店内飲食の解禁、オフィスの人員50%までの出社の解禁、感染者が発生した事業所では3日以上の閉鎖と消毒措置、3時間以上開けての出社シフトの作成、訪問者トラッキングの為の入室履歴の管理などが新たに義務化されています。

インドネシアでは引き続き新型コロナウィルスの感染拡大と病床不足が継続しており、法令上も今後の動向を見て再々ロックダウンも検討されています。一方で失業者の増加や、経済の低迷から、報道においては過半数の市民が再々ロックダウンへの反対というデータもあり、今後の動向は不透明となっています。


インドネシアで株式会社の新規設立や会社名変更をする際には、定款の変更・法務人権省登記が必要ですが、手続きの前に会社名の予約手続きを行う必要があります。

通常、会社名予約の手続きは公証人(Notaris)によって行われます。公証人が法務人権省システムにアクセスの上、希望する会社名が利用可能かをチェックしたうえで希望に沿って会社名の予約をおこないます。

従前は会社名の予約は、特に法務人権省へ登録手続費用を支払うことなく手続きが可能でした。しかしその結果、社名を利用しないにもかかわらず社名の予約登録のみを行うケースが増え、予約登録したにもかかわらず利用せずに放置するケースが大半を占めるようになりました。

法務人権省は対策として、会社名予約登録手続きに関して、会社名登録手続費用を徴収することを決定しました。また、会社名予約から60日以内に予約登録した社名を利用した定款(新規設立か社名変更)を行わなければ会社名予約登録を無効とすることを決定しました。

上記は公証人業務プロセスに関しての変更のため、上記変更に伴企業側プロセスに大きな変更はありません。

しかしながら、法務人権省が会社名予約登録手続きに費用徴収を開始したことから公証人費用の値上げが予想されるとともに、登記情報確定が遅れる等を理由して予約登録期間を超えると希望していた会社名が使えなくなる可能性があります。

決定した社名の利用を確実に行う事を希望する場合には、登記情報の速やかな確定が必要です。また、社名変更や会社新規設立の場合には、複数の社名候補を策定のうえ、希望順に公証人に伝えることを推奨します。

2020年9月11日付税務総局長通知(Peng-11/PJ.09/2020)が発表され、2020年10月度の月次VAT申告からは現在のE-Fakturアプリケーションの新バージョン3.0を利用することとした。

アプリケーションは、https://efaktur.pajak.go.idからダウンロードして利用を開始します。現在の旧アプリE-Faktur2.2を利用の場合には、アプリケーションをダウンロードの上、データベースを新アプリケーションへ置き換えることで再登録等必要なく利用を開始することが可能です。

アプリケーション更新後は利用開始前にDigital Certificateの設定が必要となります。

新アプリケーション3.0利用の前には、データのバックアップを取得しDigital Certificateを確認することを推奨します。

ジャカルタ首都特別州は、9月11日より規制を強化していたPSBB大規模社会規制を10月11日まで延長することを決定しました(2020年ジャカルタ首都特別州知事決定959号)。

再強化は当初、9月27日までとされていたものの、状況次第での延長が可能である旨の含みを持たせた決定となっていました。

【参考】インドネシア・PSBB大規模社会規制の規制再強化について(ロックダウン)

新型コロナウィルス感染症拡大に歯止めがかからない状況を鑑みて、今回、9月28日からの2週間の延長を決定しました。規制内容については、従前と同じです。

現在、ジャカルタ首都特別州と警察、軍はPSBB違反の取締を強化しています。特にオフィス棟の定員順守や、ビルや公道でのマスク不着は厳しく取り締まりをおこなっております。報道ベースでは違反者数が増加しているとともに、感染者数・死者数も増加の一途をたどっていることから、更なる罰則強化も議論されています。

インドネシアでは財務大臣規則No.213/PMK.03/2016の施行に伴い、2016年度から移転価格文書(ローカルファイル・マスターファイル)や国別報告書の作成が義務付けられています。また、作成義務の基準に該当しない会社であっても、関係者間取引がある場合には、法人税申告の際に関係者間取引の特別添付フォームを添付して申告する必要があります。

上記文書・申告書を作成するうえでは、特別関係者との取引があることが前提となりますが、取引を洗い出すためにも特別関係者を特定することが重要となります。

インドネシア税法においては、所得税法18条によって特別関係者が定められています。

税法上、特別関係者に該当する者は下記となります。

  • 直接または間接的に25%以上の資本出資をしている場合
  • 実質的な支配関係にある場合:主従関係にある場合や、同じ支配下にある場合
  • 直系・傍系の親族・血族・姻族の家族関係にある場合

上記の規定により、特別関係者は直接的な資本関係のみにはとどまりません。間接的な資本関係のあるグループ会社や、同一人物やその家族を取締役とする会社などが対象となる場合があります。

また、特別関係者の定義は、各国租税条約でも規定があります。例えば日本インドネシア間の租税条約においては9条においても定義があり、上記と同様に直接または間接支配・経営参加などが特別関係者の定義となっています。

法人税申告書別紙フォーム3Aにおいては、これらの関係性を示したうえで特別関係者間取引についての記載が義務付けられています。