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2020年8月31日付政令49号により、2020年度8月度から2021年1月度のBPJS労働社会保険の保険料の軽減と納付期限の延長が決定しております。

政令の趣旨としては、コロナウィルス感染拡大に伴い、企業の資金繰りなどが厳しい状況を鑑みたものとなります。

政令の主な内容内容は下記の通りとなります。

1 毎月の保険料納付期限を毎月15日から30日へ変更
2 30日が祝祭日等の場合には直前の営業日までを納付期限とする
3 JKK(労災保険)とJKM(死亡保障)部分の保険料を99%減額する。
4 JP(年金)部分の会社負担である月額保険料(給与2%分)の99%を納付猶予とし、従業員負担部の支払と共に支払うことが出来る。
5 上記JP(年金)の支払猶予は2021年5月15日から2022年4月15日までに分割又は一括での納付が必要となる。(事前申請が必要です。)
6 期間中の保険料支払遅延の罰則を2%/月から0.5%/月へ改定。
7 保険料軽減と支払猶予、納付期限の延長は2020年8月度から2021年1月までとする。
8 保険料の軽減による保険金額の変更はなし。
9 保険料軽減の適用は、2020年7月までにBPJS登録を行っている者に対して適用がなされる。2020年7月以降にBPJS登録を行った者に対しては、最初の2か月は軽減が適用されず3か月目以降にBPJS保険料計算システムにより自動適用がなされる。
10 保険料の計算はBPJSシステムによって自動計算がなされることから、事前の申請等は不要。通常額で8月度を支払っている場合の差額は翌月以降で自動充当参入として計算される。



会社業務で利用する携帯電話の料金について、会計上は費用として財務諸表上の記帳が出来ても、インドネシア税法上では50%費用否認(損金不算入)となります。

日本では、ケースによって異なるもののプライベートでの利用が無いことや、法人契約などを行っているなどの事実関係を満たせば100%損金として扱う事が可能な場合があります。

しかしながら、インドネシア税務署規則kep-220/pj/2002では、会社が負担している携帯電話代金・費用については、100%会社業務での利用(プライベートでの利用が無いこと)が証明されたとしても50%の費用品を行う旨の規則が出されております。

法人税計算の際に会社が支払った携帯電話代金の50%は損金不算入としなければ、後の税務調査で指摘を受ける可能性があるので、注意が必要です。

インドネシアにおいては、年次法人税の納税と年次申告の後、月次法人税予納が開始されます。月次予納は次年度法人税に充当することができます。予納であっても月次予納額の支払いを遅延・未払の場合には、予納に対して遅延罰金等を科される場合があります。

コロナウィルスの感染拡大に伴い、インドネシア政府は景気刺激策として5月から一部業種の企業の法人税予納の減額を決定しています。5月当初は30%減額であったものの、7月度より50%の減額と予納減額幅を拡大しております。

法令上、50%の予納減額拡大は、7月度予納から開始となっているものの、法令発令が8月中旬を過ぎて発令されたことから、既に7月度予納を完了している企業が多くを占め、7月度予納の過払い分(20%分)の取り扱いについては、法令規則が出されていませんでした。

8月25日付税務総局通達SE-47/PJ/2020においては、上記のようなケースでの取扱いについて、定めています。

通達では7月度30%減額適用で法人税予納を納税している場合、法令上20%過払いとなっている予納額は8月度へPBK(翌月度以降への充当承認書面)なく、充当を認めるという通達となっています。

また、8月度予納で50%分を支払った場合であっても、7月度過払い予納額は翌月以降の予納への充当が可能となっています。

ジャカルタ首都特別州は、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、9月11日、PSBB(大規模社会規制)を移行期間Fase1から従前の規制(ロックダウン)へ戻し、規制を許可することを決定しました。ジャカルタ首都特別州は9月9日まで、約2か月半程度施行していたPSBB Fase1(New Normalへの移行期間)の評価を行い、その結果、9月10日の記者会見にて規制強化の発表を行いました。理由としては、感染拡大に歯止めがかからないことや、死亡率や感染率の拡大、医療崩壊のおそれなどが理由となります。規制強化は9月11日に知事決定959号と規則88号によって発令され9月14日から施行されています。知事決定・規則においてはPSBBは9月27日までとされ、状況を見て10月10日まで延長される可能性があります。

規制の内容は、従前のPSBBと同じでですが、主な規制は下記の通りです。

  • 特定11業種(保健、食品、エネルギー、情報通信、金融、運輸・運送、ホテル、建設、指定戦略的産業、公共サービス、日用必需品関係)以外の事業所の稼働は認められません。
  • 企業の事務所・施設は原則閉鎖で従業員は自宅勤務を行うものの、必要不可欠な場合に限って25%の定員を順守することで従業員の事務所への出勤が可能。
  • 飲食業の店内飲食は禁止されデリバリーのみ。
  • 教育機関(学校等)や、公共施設(公園等)は閉鎖。
  • 大規模礼拝所などの宗教施設は閉鎖され、小規模礼拝施設のみ50%の定員を順守することで施設の利用が可能です。
  • オンラインバイクタクシーの二人乗りは禁止されておらず、この期間、目抜き通りなどのナンバー規制(偶数奇数制度)は停止されます。
  • 公共交通機関、自家用車のは乗客定員は50%までに制限されます。
  • PSBB規制許可に伴い、ジャカルタ地下鉄(MRT)も運行時間・運行間隔を変更しております。最終電車の時間を段階的に引き上げ、午後10時、8時、7時と変更することを決定しています。
  • また、州政府はPSBBの規制強化に伴い、各企業への立ち入りによる検査・監督も強化しています。個人と企業に対し違反回数に応じた罰則も強化されています。
  • 新型コロナウィルス感染者の自宅隔離が禁止となり、州政府指定の隔離施設への収容を行う取り扱いも開始されております。

なお、ジャカルタ周辺自治体については、小規模社会制限として、ジャカルタ特別州よりも緩和された規制で対応しています。

インドネシアでは年間売上高48億ルピア以下の企業の法人税については軽減法令が適用されています。月次で売上の0.5%を納税する制度がとられてきました。(参考:特定売上高以下の企業に対する所得税軽減法令の改定について

2020年9月7日付税務総局通知No.PENG-10/PJ.09/2020においては、上記の軽減適用の期限を2020年税務年度までと確認されています。なお、有限会社(CV)や組合などは2021年度税務年度までとなります。

期限経過後は、新法令が発令等されない限り、通常の利益課税へ戻ります。

現在、新型コロナウィルスの拡大に伴い、インドネシアでは2020年4月から、原則として外国人のVISA発給を行っておりません。通常手続きによる新規就労VISA(ITAS)取得の手続きは再開しておりません。

一方で2020年6月11日付BKPM通知で、BKPM(投資調整庁)による新規ITAS取得のサポートについての通知をおこなっております。内容としては、各企業からBKPMへ「外国人の渡航者(新規ITAS取得者)について」の申請を行い、BKPMが承認した者にはITAS取得の各官公庁(労働省や移民局、在外インドネシア大使館)手続きを進めることができるというものです。

参考
インドネシア・新規VISA取得のためのBKPMからの許可取得

BKPMからの推薦状取得を経てVISA(ITAS)プロセスを行い、入国する際の規制が新たに交付されています。

2020年8月24日付投資調整庁決定2020年185号では、BKPMの書面を経て新規VISAをセットアップされて入国する外国人については、スカルノハッタ国際空港でPCR検査を受けたうえで、陰性の結果が出るまでBKPMが指定するホテルでの待機が必要となります(指定ホテルでの留め置き)。陰性の結果が出た後に、当該外国人は就労地・居住地に向けて出発することが可能となります。

また、本決定においては、BKPMへの推薦状申請の際に当該外国人が、いつ入国する予定であるも記載しなければならない旨も新たに加えられております。

インドネシア政府は、新型コロナウィルスの影響から経済対策として、税務便宜の政策を行ってきました。これまで、財務大臣規則23号、44号、86号を順次施行して、一部事業者(KLU(事業目的)番号準拠)に対して、給与所得税(pph21)の軽減や、輸入時前払い法人税(PPH22)の減免、一定額までのVAT還付プロセスの簡易化、小規模事業者の売上に伴うファイナルタックスの免除(PH4-2)、法人税予納(PPH25)の30%減免などの景気刺激対策を行ってきました。

参考
インドネシア・新型コロナウィルス感染拡大に対する経済対策(製造業支援のための優遇税制)

今回、新たに2020年7月16日付財務大臣規則110号(No.110/PMK.03/2020)を施行して税務面の経済対策・景気刺激対策の拡充を行っております。

本規則で拡充された税務便宜のサマリーは下記の通りです。

・法人税予納(pph25)減免を30%から50%へ拡大
・各種税務便宜の減免期間を2020年12月まで拡大

減免の税務便宜の適用は、税務オンラインシステムを通じて申請をおこなったうえで、承認された後に適用が可能となります。既に過去に税務便宜の申請を行っている企業については、本規則施行に伴う新たな申請は不要です。

なお、税務便宜を適用した後は、これまで3か月ごとの報告が必要とされていましたが、毎月20までに税務便宜適用の方向所を行う事となりました。月次税務申告の申告の期限が毎月20日であることから、月次税務申告と共に報告を行うこととなります。


8月25日付法務人権省入国管理総局の公式通知(IMI.1-UM.01.01-4088)によると、8月24日、25日に館内職員へのCovid-19 PCR Swab Testを行い、その結果、20名の要請が確認されました(303名へのTestを実施の結果)。

この結果に伴い、法務人権省入国管理総局は、8月26日から9月8日までの14日間の閉館を決定しました。通知では、全職員を自宅勤務とするとしています。現時点では各地域イミグレーションの追加閉鎖は発表されていません。

これに伴い、VISA関係業務、一部登記業務の遅延などの影響が予想されます。

インドネシア現地法人が稼働し利益を出し始めた後は、本社への還元を検討することが多いですが、その際の注意点を記載します。

配当は日本と同じく、インドネシアにおいても会社法にて規定がされています。

会社法71条3項:累積欠損の解消

企業が利益ではなく損失を計上している場合、税務上5年間は繰越欠損として繰り越すことが可能です。株主配当を行う上では、過年度の繰越欠損が解消されていることが条件となります。

会社法70条・71条2項:準備金の積立

年度で利益が発生した場合、純利益の内の一部を準備金として積み立てることが義務付けられています。純利益から準備金を差し引いた金額を配当として行う事が可能となります。準備金は払い込み資本金額の20%を超えるまで積み立てる必要があります。各年度の準備金は年次申告後の総会で決定する必要があります。

株主総会決議による配当決議

上記の条件を満たしたうえで、配当には株主総会での決議が必要です。100%外資企業の場合、総会決議が関係者のみとなることから、株主総会での配当の決議をスキップする企業が往々にして行われていますが、あくまでも配当は総会決議の決定に基づいて行われる必要があります。

配当決議は、実務上会計監査や税務調査の際に決議の有無が問題となるケースもあります。また、配当を現地法人から本社へ行う場合の銀行送金手続きの際、銀行実務として配当決議のコピーの提出を求められる場合があります。

また、税務上配当は海外取引源泉税PPH26 対象となりますので、送金の際には原則20%の源泉が必要となります。また、株主が日本本社であり日本本社側で居住証明(DGT)を取得している場合には、源泉税の減免を受けることが可能となります(25%以上の株式比率の場合には日本インドネシア間の租税条約適用で税率10%)。納税申告後、源泉徴収票を本社側で処理することで日本本社側で外税控除を受けることが出来る場合があります。

ジャカルタ首都特別州は、8月27日、PSBB(大規模社会規制)移行期間Fase1を更に2週間延長することを決定しました。これにより、9月10日までの延長となります。

これに伴い、周辺自治体も9月初旬までのPSBB規制の延長を決定しております。既にインドネシア国内の移動については、制限が緩和されており、飛行機への登場はPCRチェックなどを行えば搭乗のうえ移動が可能となっています。

引き続きマスク着用義務や、公共交通機関への乗車前の検温、オフィスビル入館の際には検査結果の提示などの措置は続いております。

警察や軍、労働省職員などによるNew Normal規制(オフィス内人員50%やなど)の抜き打ち検査が多発しております。違反の場合には、罰金だけでなく業務停止命令なども行われております。

インドネシアにおいては、2020年8月4週目現在、新規感染者が3000人/日を超える感染拡大状況が続いており、上記規制と共に感染症対策には引き続き注意が必要です。

感染拡大に歯止めがかからない政府・ジャカルタ州政府は、社会規制違反の罰則を強化しています(2020年知事規則79号)。個人への義務としては、マスク着用、手洗い、ソーシャルディスタンス1メートル以上の確保、New Normalの順守、自動車乗員は1列2人等の義務を課しています。

また、マスクを着用せず外出した個人に対する義務違反に伴う罰則は下記が適用されます。

1度目:25万ルピアの罰金または清掃60日
2度目:50万ルピアの罰金又は清掃120日
3度目:75万ルピアの罰金又は清掃180日
4度目:100万ルピアの罰金又は清掃240日
事業者(企業・法人)の対策義務は、事務所人員50%、従業員のマスク着用、職場での検温・消毒対策、従業員の健康管理、コロナウィルス情報の更新など。
事業者に対する上記義務違反の罰則は下記が適用されます。
最大3営業日の職場閉鎖
罰金 1度目:5000万ルピア 2度目:1億ルピア 3度目:1億5000万ルピア

なお、PSBB延長に伴う規制内容・New Normal規制に伴う制限は、従前の規制と、ほぼ同じとなっております。

参考
インドネシア・PSBB大規模社会規制の移行期間フェーズ1の延長(4度目)
インドネシア・PSBB大規模社会規制の移行期間フェーズ1の延長