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法人税申告書では添付で特別関係者取引に関する報告書面を添付する必要があります。

インドネシアでは特別関係者との取引が一定規模以上ある場合、移転価格文書を作成する必要がありますが、移転価格文書作成義務を負わない事業者においても、報告書を法人税申告書に添付する必要があります(3A-1書面)。

報告書(3A-1)ではフォームにチェックを行い、最下段に会社代表者による署名と押印を行うことで、関係者取引が独立企業間原則(関係者間取引であっても独立した第三者間取引と同様の条件で価格決定を行っていること)の表明するものとなっております。

フォームでは、1資料の有無、2 取引の有無、3 比較、4 価格 に項目を分けられ、各質問に対してYes/Noに対してチェックを行う形となります。それぞれ、データや作成の有無を確認するものとなっていることから、各企業の状況に応じてチェックを行うこととなります。

インドネシアでは近年、税務調査において関係会社との取引・移転価格について重点的に確認がなされています。法人税申告書に添付する報告書において、虚偽なく報告書を作成のうえ期限内に申告をすることが重要となります。

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、企業の社会的活動として寄付金を支出するケースが増えています。税務優遇規則(PMK90号)では、コロナ禍における寄付金支出の際の税務上の取り扱いについて、規定しておりこれまでの規定共に、寄付金支出の取り扱いについて確認します。
原則、寄付金は事業関連性が無い場合には税法上の費用(損金)として認められません。

寄附受領者が適格を満たす場合等の要件を満たす場合には、損金として認められる場合があります。寄附受領者が、一親等内の直系血族(父母または子)、宗教団体、教育機関、公益団体(財団法人や基金)、協同組合、小規模事業者・個人などへの寄付金の支出の場合、企業が支出した寄付金は損金として認められる場合があります。

また、非営利目的の団体への寄付金支出であっても、寄付金提供者と受領者の間に特別関係(事業・雇用・支配・所有)がある場合には、損金と認められません。しかしながら非営利目的で設立されている宗教団体、教育機関、公益団体への寄付である場合には特別関係が存在しても損金として認められる場合があります。

2020年法務人権大臣令26号と、投資調整庁(BKPM)通知12号(No.12/Pengumunan/A.5/2020)の発令により、VISA関係の法令がアップデートされております。新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、インドネシア政府は外国人のVISAに関する法令を更新し実務運用を変更しております。本規定施行により一時帰国からの再入国や、新規での赴任に大きく影響する可能性があるので、注意が必要です。

新法令においても、これまで同様、訪問VISAや到着VISAは引き続き停止しております。

一方で下記の様な変更が加えられており、10月1日からの施行となっております。

  1. 期限の切れたTelex VISAや大使館プロセス後のVISAの再アクティベーション措置の廃止。
  2. 期限が切れたITASを保有する者で外国に滞在するは、新規VISA取得プロセスを行ったうえで入国する旨を明記。
  3. 緊急作業の目的などでのシングルVISAの再開。
  4. インドネシア国内に滞在し続ける外国人でビザ承認(Telex/ E-visa)を受けたものは、出国無しでのプロセスが可能。
  5. BKPMの推薦状の取得プロセスの廃止。
  6. VISAの承認について電子化。

新法令によって、大きく影響があるプロセスは、下記の通りです。

これまで事実上、一時避難としてインドネシアから出国してITAS期限が切れていた者の再入国は12月末までの延長が認められてましたが、この猶予措置が廃止され、期限切れでインドネシアに国外に滞在する者は一律、新規取得プロセスを行わなければならないという規定に変更となりました。

新規プロセスの際にBKPMからの推薦状の取得が不要となったため手続き期間が読みやすくなりました。

これまで、Telex VISAを待って在外大使館プロセスの後に入国となっていましたが、E-Visaによる手続きのため大使館プロセス無しで入国が可能となりました。

2020年10月5日インドネシア政府法務人権省法務総局は規則13号を発令し登記の際の納税者のステータス確認について各公証人に通知しています。

内容は、公証人に対して登記変更を行う場合には、2020年10月10日以降納税ステータスの確認を行うよう義務付けるもので2015年の汚職防止に関する大統領令7号に伴う措置となります。

インドネシアでは各省庁システムの連携が進んでおります。既にBKPM(投資調整庁)システムのOSSにおいては、税務システムとの連結が完了しており、企業の税務に未納状況や未申告の状況がレコードされている場合には、税務問題を解決しなければ、BKPM登録の変更が認められない運用が開始されています。

今回、定款・法務省登記を管轄する法務人権省のシステムでも税務システムとの連携が開始されました。本規則施行に伴い会社(PT)の税務に問題が生じている場合、一切の登記変更が出来なくなりました。

本規則は法務人権省から公証人に対する通知となっておりますが、企業の税務に未納や未申告がある場合、公証人による定款変更・法務省登記の変更が出来ない状況となり各企業に影響します。これまで以上に税務の適法性が重要となることから、各企業では引き続き、適時適法な納税申告が重要となります。

2020年10月26日インドネシア政府労働大臣は通知M/11/HK.04/X/2020号をインドネシア国内の全地方自治体首長へ通知しました。

内容は、下記の通りです。

  • 2021年度最低賃金について2020年と同額とするよう要請する。
  • 2021年より後の最低賃金については各法律に基づき決定すること。
  • 2020年10月31日までに2021年最低賃金を策定すること。

これまでインドネシアの最低賃金は州、県、市町村がそれぞれ最低賃金を策定し、その中で最も高い最低賃金がその地域の最低賃金となっていました。賃金上昇率は、物価上昇(インフレ)率と経済成長率を足したものを上げ幅基準とするとしてきました。これまでの基準を適用した場合、2020年は新型コロナウィルスによる経済成長の鈍化やマイナス成長の可能性があることから、地区によっては上げ幅がマイナスとなる可能性があります。また、企業としてもコロナ禍での賃金上昇が難しいという現実を鑑みて、各地方自治体首長へ2021年の最低賃金の策定については、2020年と同額とすることを要請しております。

また、新たに国会を通過したオムニバス法では一部例外を除き各地域の最低賃金規定を撤廃して県の最低賃金に統一することとしています。オムニバス法の施行動向が現状不透明であることからも、本通知では最低賃金の策定の指示を各首長へ要請したものとなっています。

2020年10月5日インドネシア国会は、オムニバス法を可決しました。オムニバス法では各分野の法令について、横断的に1つの法律で策定することで新たな雇用と投資を生むことを目的としています。

主としてビジネス許可取得などの要件の明確化と簡素化、投資条件、雇用、中小企業保護、ビジネス環境、研究開発、行政、制裁、土地、政府投資プロジェクト、経済などの各項目について横断的に新たに規定を行うものとなっています。

オムニバス法は大統領が表明してから議論がされてきました。特に昨年2019年から今年2020年にかけて法案ドラフトが公開されてからは、経営者からは迎合的に受け入れられる反面、労働者団体からは強い反発がされていました。

2020年に入り、政府は新型コロナウィルス感染症拡大の影響で落ち込んだ経済に対して、景気刺激策として法律の可決を急ぎ、10月5日に国会可決となりました。当初10月8日に可決を行う予定であったものの、労働者団体からのデモ予告を受け10月5日に前倒しの上で可決となりました。

労働者団体からは、労働者へ不利な条項があり反発していたこともあり、コロナ禍での審議不十分という理由や、デモの状況を鑑みての前倒し可決という政府の態度に反発して現在までデモ・抗議活動が続いています。

また、現在までにオムニバス法の大統領署名は行われておらず、法令上3か月以内の詳細規則の策定も進んでいません。報道では少なくとも5草案以上の法案が公開されています。各草案では加筆修正削除などが行われており、800ページのものから1000ページ以上にわたるものまで、各種記載が異なっています。これを受け、一部法律家からは国会通過後に恣意的変更が行われている可能性があり、法律が国民の代表である国会のコントロールを受けていないという理由から法令自体が無効であるという主張もされています。

現在、新法令に伴う運用は開始されておらず、各分野、旧法令化での運用が続いています。

新法律が施行されると、外資企業にとっては、ビジネスライセンス、投資法、会社法、雇用、環境、税の部分は大きく影響を受ける可能性があります。また、外国人駐在員の雇用や税についても、現在公開されている法令案では規定されています。今後、記載による変更と施行状況については、注視する必要があります。


2020年10月5日に新法律(オムニバス法)の国会での可決に対するデモが断続的に行われています。

現在、新法令は国会の採決を経て可決したものの大統領署名が行われておらず、3か月内に詳細規則を策定する目途もたたず、今後の動向を注視する状況となっております。

当初の予定では2020年10月8日に国会採決が行われる予定であったものの、審議を早め10月5日に強行採決を行ったことから、学生団体や労働者団体が大きく反発しています。現在までに明らかとなっているオムニバス法の国会審議案では、退職金の減額、整理解雇条項の再規定、最低賃金計算方法の変更などが規定されており、労働者に不利な条項が盛り込まれています。

これらに対して変更・撤回を求めるデモが各地で断続的に行われています。政府としては労働者へのコスト・リスクを減らすことで外資企業の誘致が進み、雇用が創出されるという説明をおこなっています。オムニバス法施行により886兆ルピアの投資が生まれ、130万人の雇用機会創出が見込めるという政府の試算と共に、大統領自身がインターネット会見で国民へ説明するなど、デモの鎮静化を試みているものの、労働者団体・学生団体は反発を続けています。デモ参加団体は、オムニバス法が撤回されるまでデモを継続するという強気の声明も発表しており、新法令の施行状況とデモに伴う治安の悪化などには、引き続き注視する必要があります。

また、フランスで歴史教師がイスラム預言者ムハンマドの風刺漫画を生徒に見せ、その後殺害された事件で、マクロン大統領が風刺画を見せたことについて肯定的な発言をおこなったことを理由に、中央ジャカルタフランス大使館近辺では抗議デモが行われています。

報道等によるとインドネシア政府・通信情報省は、SNSをはじめとするインターネット上の有害なコンテンツを削除しない媒体について、アクセス遮断法令規則の策定を検討していることが明らかとなっています。

これまで、政府は電子情報取引に関する法(サイバー法)を根拠に宗教や人種に対する差別的なコンテンツ、ポルノ、テロの動画や画像については個別にブロックの措置をしてきました。

2019年8月のパプアで人種差別に抗議するデモの過激化・暴動の際に政府が大規模なアクセス遮断を行った事件に対して、行政裁判所が2020年8月に、アクセス遮断が人権侵害に該当すると判断・判決したことから、政府による大規模なアクセスの遮断に対して国内外の人権団体からは批判が高まっていました。

昨年や本年、ジャカルタにおいてもデモが発生した際にその地域のアクセスを一時的に遮断させる措置が取られており、政府としてはデモや暴動を拡大させる情報の封鎖を念頭に置いて新法令の策定を検討しています。

ネガティブコンテンツのみのブロックではなく、地域の大規模アクセス遮断を可能とする法令は表現の自由を著しく制限する、また、何をもってネガティブコンテンツとするかの権限が政府に与えられることで政府批判の封じ込めに繋がるとして、人権団体や法律家からは批判があがっています。

BPJS事務所(社会保険事務所)は、2020年10月19日付でB/20894/102020号、B/136239/102020号通知をBPJS加入事業者へ行っております。

内容は、加入労働者の情報をアップデートするよう要請する内容となっております。

BPJS事務所では、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う事業者の保険料の負担軽減や労働者の生活を守るために、これまで、保険料の減免や、低所得者への給与補助の為の給付金支給などを行っております。

【参照】
インドネシア・BPJS労働社会保険の保険料軽減と納付猶予・納付期限の延長について
インドネシア・政府による給与補助について

通知では加入者情報の確認と、今後の社会保険料運用、そして更なるパンデミック下におけるフォローアップ政策策定の為に、加入事業者へ労働者情報のアップデートをするよう要請しています。

アップデートの期限は10月31日までとなっており、個人ID番号(NIK)、住所、携帯電話番号、個人のe-mailアドレスを更新するよう要請しています。

全ての情報はBPJSシステムへアクセスの上、ログインしたうえで情報を入力する形となります。

ジャカルタ首都特別州は、州規則101号、州知事決定1020号を発令し、PSBB(大規模社会規制)の再緩和を決定しております。

これまで、新型コロナウィルス感染症がインドネシアで発生した後、ジャカルタ首都特別州では、いわゆるロックダウンと緩和を繰り返し直近では2020年10月11日までロックダウンを行い企業と市民に対して移動制限を課してきました。

【参照】インドネシア・PSBB大規模社会規制(ロックダウン)の延長

新規則・決定では、2020年10月11日から緩和規制として2週間の施行、状況を鑑みて更に2週間の延長を決定しています。なお、10月25日までの2週間が経過し延長を決定し11月8日までの延長を決定しています。

PSBB Transisi(緩和/移行PSBB)では、店内飲食の解禁、オフィスの人員50%までの出社の解禁、感染者が発生した事業所では3日以上の閉鎖と消毒措置、3時間以上開けての出社シフトの作成、訪問者トラッキングの為の入室履歴の管理などが新たに義務化されています。

インドネシアでは引き続き新型コロナウィルスの感染拡大と病床不足が継続しており、法令上も今後の動向を見て再々ロックダウンも検討されています。一方で失業者の増加や、経済の低迷から、報道においては過半数の市民が再々ロックダウンへの反対というデータもあり、今後の動向は不透明となっています。