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香港行政長官の林鄭月娥(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor)氏は、本日(2020年11月25日)の施政報告の中で、非居住用不動産取引に関する従価税である二倍印紙税(Doubled Ad Valorem Stamp Duty 、以下「DSD」)を廃止するため、印紙税条例改正の明日(11月26日、発効日)からの導入を発表した。香港税務局は、非居住用不動産取引に課される従価印紙税率を、発効日以降Scale 1(第一標準税率、1.5~8.5%)からScale 2(第二標準税率100香港ドル~4.25%)に戻すこととなる。

DSDは、取引活動が活発で価格の高騰をもたらした不動産市場の過熱を背景に、2013年に導入された。当時不動産市場の安定を維持するためには、非非居住用不動産の需要を抑える措置が必要であった。COVID-19パンデミックを取巻く景気後退及び不確実性の結果として、非居住用不動産の販売価格と取引量が一定期間大幅に下落しており、市場の需要が鈍化したことを示していた。香港政府は、需要に対する管理措置として、今がDSD撤回の適切な時期であると考えている。

DSDの廃止は、景気後退が故に、財政難や現金流動性ニーズに直面している企業による非居住用不動産の売却を促進し、このパンデミックが香港経済及び事業活動に与える影響を和らげる可能性がある。

2020年印紙税(改正)条例草案(以下「条例草案」)は、当該廃止を発効するものである。関連する不動産所有者が、可能な限り早急にDSD廃止の恩恵を受けられるよう、香港行政長官は、法定権限を行使することによって2020年公共収入保障(印紙税)命令(以下「命令」)を発令し、当該命令が効力を維持している限り、当該条例草案に完全なる法的効力が与えられることとなる。当該命令と当該草案は、各々本日及び11月27日に官報に公告され、12月2日に立法会に提出されている。

発効日より前に実行された売買文書は全て、元々のDSDレートにおける従価印紙税を課されることとなる。

原文、2020年11月25日更新)

以下は香港金融管理局を代表し公表されている。

本日(11月2日)香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority、以下「HKMA」)が香港投資推進署(InvestHK/香港投資推廣署)と、香港におけるフラッグシップフィンテックイベントである香港フィンテックウィーク2020を共同開催し、フィンテックエコシステムをさらに促進し、企業、特に中小企業(Small and Medium-sized enterprises、以下「SMEs」)をサポートするための様々なイニシアティブを発表した。

1. データを運用してSMEへの融資を促進

HKMA総裁のエディー・ユー(Eddie Yue/余偉文)氏は、開会の基調講演で、HKMAが新しいデータ戦略を模索し、銀行システムにおけるより効率的な金融仲介を可能とし、香港での金融包摂を向上させるために、商業データ交換(Commercial Data Interchange、以下「CDI」)と呼ばれる新しい金融インフラの構築を検討していることを発表した。

CDIは、銀行と商業データソース間でのより安全でかつ効率的なデータフローを可能にする、同意に基づく金融インフラである。SMEが独自のデータを使用して金融サービスへのアクセスを増進できるようにすることで、SMEの資金調達における長年の問題点を解決できる可能性を秘めている。

CDIの技術的フィージビリティを研究するために、HKMAは銀行群による協力の下、概念実証(Proof-of-Concept、以下「PoC」)研究を実施している。PoCは、貿易関連データを使用して、貿易融資申請プロセスの促進に重点を置いており、2020年末までに完遂する予定である。当該研究の次のフェーズは2021年に開始され、銀行によって実施されるオルタナティブ・クレジット・スコアリングを容易にする可能性が見込まれる、その他の商業データソースをカバーすることとなっている。

HKMAは、オルタナティブ・クレジット・スコアリングに関連する技術を開発するために、香港応用科技研究院(Hong Kong Applied Science and Technology Research Institute、以下「ASTRI」)に対し、SMEローン申請における人工知能(Artificial Intelligence、以下「AI」)の使用を研究するよう別途委託した。そして本日、「零細及び中小企業のオルタナティブ・クレジット・スコアリング」という表題の白書を発行して、研究結果を報告した。

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香港は中国のフィンテックジャガンナートを支援する上で重要な役割を担うと財務司司長のポール・チャン(Paul CHAN/陳茂波)氏が言及

  • 香港は、中国への玄関口であり、かつ向上しつつある地域的なフィンテックの能力を伴い、多方面において貢献可能で、結果に報いる準備ができているとポール・チャンは述べる。
  • サウス・チャイナ・モーニング・ポスト・リサーチによって作成された「2020年度中国フィンテックレポート」は、投資に関する識見、並びに中国本土で対象となるセクターが如何に急速に発展しているかの詳細な分析を提供している。

財務司司長のポール・チャン氏の見解によると、アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団控股)、アント・グループ(螞蟻集団)、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)他を含む中国のフィンテックの巨人は、国内外で収益を拡大する余地を十分に備えるため、香港は中国の金融技術の開発において、重要不可欠な役割を果たしている。

「非常に短期間で、中国は世界最大のフィンテック市場の1つとなった」とチャン氏は声明の中で、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの「2020年度中国フィンテックレポート」の発表を記念して述べた。「中国本土が繁栄するフィンテックセクターを拡大し続ける中、世界有数の金融センターの1つである香港は、中国本土へのユニークなビジネスの玄関口であり、向上しつつある地域的なフィンテックの能力を保有する。」

サウス・チャイナ・モーニング・ポスト・リサーチが作成し、当ポストのレポートに基づいて作成された当該レポートは、投資に関する識見、並びにデジタル決済、バーチャルバンク(仮想銀行)、オンラインウェルスマネジメント及び保険プラットフォームが、中国で如何に急速に発展しており、フィンテックの採用において世界をリードしている実情の詳細分析を提供している。

主要なセクタープレーヤーに係る独占的なケーススタディとともに、当該レポートは、香港及び上海でのアント・グループによる今後のデュアルIPOや、今週のニューヨークでのルファックス(陸金所)の上場など、これらハイテク巨人の資金調達活動の概要もまた提供している。

中国のデジタル巨人アント・グループは、今週、世界最大の新規株式公開で約345億米ドルを調達し、世界最大の銀行であるJPモルガン・チェースを超える評価をされる予定である。

国内において、フィンテックを採用する最大の原動力は、中国でのスマートフォンの普及であり、そこでは、世界最大の通信市場に存在する16億台の携帯電話のおおよそ2分の1が、データ及びインターネットサービスが可能なデバイスである、と当該レポートにて記載されている。その他の主な要因として、クレジット、ウェルスマネジメント及び保険商品へのアクセスを拡大するための、着実な増加傾向にある収入並びに重要な機会が含まれる。

中国は、ますます発展するフィンテック技能の輸出を目論んでいるため、国際的に拡大成長する余地もある。中国のフィンテックにとって、最も注目せざるを得ない輸出市場は発展途上国であり、そこではより広範囲な金融包摂の必要性が最も差し迫っている、と当該レポートは付け加えている。

世界最大のフィンテック市場として、中国の消費者全体のほぼ90%が、日常生活に関連するほぼすべての経費を、フィンテックを使用して支払っている一方で、ほとんどの中小企業は、費用対効果の高い方法で事業を運営するためにフィンテックを使用している。

当該レポートはまた、モバイル決済の世界最大の市場としての中国本土の台頭にも注目している。2019年の総支払額は、米国におけるわずか1,000億米ドルに対し、200兆元(29.8兆米ドル)をはるかに超えた。

今年3月の時点で、中国では約7億7600万人がモバイル決済サービスを使用して、商品やサービスの購入及び現金のデジタル送信を行っており、その大部分は、アント・グループのアリペイ(支付宝)もしくはテンセントのWeChatペイ(微信支付)の決済プラットフォームを使用している。アントは、我が新聞社を保有するであるアリババの関連会社である。

中国はまた、オンライン証券取引の最大の市場となっており、世界の取引量の約半分を占めていると当該レポートで述べられている。そのオンラインウェルスマネジメント及び保険市場は驚異的なスピードで発展しており、国内デジタル通貨の開発においては、如何なる主要国よりもずっと進んでいる。

当該レポートは、これらの新しいウェルスマネジメントプラットフォームにより、以前は富裕層しか利用できなかった資産に対し、何百万もの一般の人々が投資できるようになったと論じている。

ユーザーは、通常の健康保険の僅かなコストで相互扶助プランにアクセス可能で、このプラットフォームはオペレーターにとって有益ではないが、他のサービスの取引への貴重な推進力になる可能性がある、と当該レポートで述べられている。

原文、2020年10月28日更新)

目次

  • 国別報告書制度とは
  • 香港における導入
  • 通知及び申告
  • 国別申告書XMLスキーマ及びユーザーガイド
  • 任意提出手続
  • 国別報告書の自動交換
  • 国別報告書における情報の適切な利用
  • 国別報告書制度ポータルの試用版
  • 国別報告書制度に関する資料
  • よくある質問
  • 問い合わせ等

国別報告書制度とは

国別報告書制度(Country-by-Country、略して「CbC」以下「国別」、Reporting)とは、企業の税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)への行動計画13に基づき、経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development、以下「OECD」)によって策定された最低限導入すべき基準の1つである。

当該基準の下、特定多国籍企業グループ(multinational enterprise group、以下「MNEグループ」)は、下記の条件に当てはまる場合に、該当する会計年度に関連する報告書を提出することが要求される。

  • 前会計年度の年間のグループ連結売上高が、少なくとも7.5億ユーロ(もしくは68億香港ドル)以上であり;かつ
  • 税務上の居住地国が異なる、恒久的施設を含む2つもしくはそれ以上の事業(企業)体(以下「事業体」で統一)で構成されていること。

国別報告書は、MNEグループを構成する各国の事業体が、経済活動に従事する税務上の居住地国毎における所得、納税額及び特定の指標の全世界配分に関して、詳細かつ共通の情報を収集することを要求し、また、財務情報が報告された全ての構成事業体のリストの作成と、その中では、当該構成事業体の設立された場所(もし税務上の居住地国とは異なる場合)及び主要な事業活動の内容を明記することが求められる。

国別報告書は、各国税務当局間での関連する情報交換協定に基づき、自動的に情報交換が実施される。

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目次

  • リース関連の費用に係る税査定実務
  • 減損並びに再評価調整額
  • 公正価値モデルの下で会計処理されているサブリース資産

リース関連の費用に係る税査定実務

香港財務報告基準(Hong Kong Financial Reporting Standards、以下「HKFRS」)第16号リースは、2019年1月1日以降に開始する年次報告期間から適用される。HKFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用を伴っての早期適用が認められている。会計上の目的でHKFRS第16号を採用する際、税務局局長は次の査定方法を採用する:

貸し手

貸し手に対する会計処理への実質的な変更がないため、税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)に基づく貸し手に対する現在の法人・個人事業利得税の取扱いに変更はない。

借り手

借り手は、HKFRS第16号の原則に従い認識されるリース資産に係る費用(すなわち、損益計算書に計上されるリース負債の利息並びに使用権(right-of-use、以下「ROU」)資産の減価償却費)を、次の条件に該当する場合に損金算入することが可能である:

  • 対象となるリースは、税務上の売却ではなく;
  • 当該損金算入額が、発生もしくは実現している費用または損失に関連し;そして、
  • 当該費用の法的性質は、リース資産を一定期間使用する権利の対価である。

当初より、課税所得を計算する際、IROに準拠するために必要な調整を実施しつつ、発生主義の会計基準を適用する必要がある。借り手がHKFRS第16号に基づいて会計処理する場合、損益計算書に計上される費用は、対象となるリース資産に関連する減価償却費及び対応するリース負債に関連する利息と最終的に同額となる。これは一般的に、発生主義の概念と一致するものであり、借り手の賃借料支払い総額の月次ベースでの計上を達成する上で適切な手法である。契約上で支払期限が到来する年度内に、費用が計上されるべき必要性があるわけではない。

単純なケースでは、リース期間にわたって認識されるリース資産(つまり、支払利息及び減価償却費)に関する損益計算書上の損金算入合計額は、当該リース期間中の支払リース料総額と等しくなるが、これら2つの金額が特定の1会計年度内において、必ずしも同額であるとは限らない。

固定資産に関連するリースが、税務上の売却と見なされる場合(例として、ハイヤーパーチェスまたは譲渡条件付リース)、借り手は対象となるリース資産に対して、リース料の支払額による損金算入の代わりに、IROの第6部に基づく支払利息及び減価償却費を損金算入することが可能である。

例1

香港会社は、ある機器に対する5年間のオペレーティングリースを締結した。年間リース料は、毎年末に100,000ドル支払われた。リースの計算利子率は5%であった。香港会社は、年利5%の割引率を用いて、100,000ドル5回分の支払総額の現在価値でリース負債を測定し、432,948ドルとなった。

支払リース料 支払利息 返済額 リース負債
1年目頭 - - - 432,948
1年目末 100,000 21,647 78,353 354,595
2年目末 100,000 17,730 82,270 272,325
3年目末 100,000 13,616 86,384 185,941
4年目末 100,000 9,297 90,703 95,238
5年目末 100,000 4,762 95,238 -
合計 500,000 67,052 432,948 -

香港会社によるリースの当初認識及び測定

1年目頭
勘定科目 借方金額 貸方金額
使用権資産 432,948
リース負債 432,948
1年目末
勘定科目 借方金額 貸方金額
支払利息
リース負債
21,647
78,353
現金(第1回リース料支払) 100,000
減価償却費(432,948÷5) 86,590
減価償却累計額 86,590

1年目から5年目にわたって計上されている「支払利息」及び「減価償却費」の合計(すなわち、67,052ドル+432,948ドル)は、リース機器を使用する権利に対する対価を表している。法人・個人事業利得税に対して、HKFRS第16号に従って、損益計算書に計上される支払利息並び減価償却費に関し、損金算入が認められる。

毎年支払われるリース料は100,000ドルに相当するが、当該リース料が契約上で支払期限が到来する年度内に、計上される必要があるわけではない。1年目に関して、IRO第16条(1)項の下、認められる損金算入額は、108,237ドル(つまりは、21,647ドル+86,590ドル)となる。

損金算入は、当該原則が正確かつ継続的に適用され、租税回避の要因となる兆候がない限り、契約上の支払いに基づいて計上することができる。別段の主張がある場合、108,237ドルの会計上の計上額(21,647ドル+86,590ドル)の代わりに、1年目の支払額である100,000ドルの損金算入も許容される。

減損並びに再評価調整額

リース資産から利益が導き出される能力が悪影響を受ける場合、リース資産の減損損失は損益計算書上で認識される必要があり、それに応じてROU資産の帳簿価額が減少することとなる。当該ROU資産に関連する減価償却費も、以降減額される。

リース資産に対し、過年度に認識された減損がもはや存在しない、または減損額が減少している可能性があるという兆候がある場合、そのROU資産の帳簿価額を増額(戻入)する必要がある。しかしながら、減損損失の戻入れは、対象となる資産に対して、過去数年間に減損損失が認識されなかった場合に決定されていたであろう帳簿価額を超えてはならない。

例2

2019年1月、香港小売会社は、ある店舗を5年間賃借した。毎年6月30日付で決算書を締めていた。

香港小売会社は、COVID-19が原因で事業を大幅に縮小した。5年間のオペレーティングリースに基づくリース資産(つまり、ROU資産-店舗リース)が減損しているかどうかを評価しなければならなかった。当該店舗に関して、2020年6月30日時点でのROU資産の正味帳簿価額は300万ドルだったが、香港会計基準(Hong Kong Accounting Standards、以下「HKAS」)第36号で規定されている原則に従うと、当該ROU資産の回収可価額はわずか100万ドルであった。それ故、香港小売会社は、2020年6月30日に終了した会計年度の損益計算書上で200万ドルの減損を認識した。

当該減損損失の認識後、損益計算書に計上されている支払利息及び(減額された)減価償却費は、HKFRS第16号に準拠して会計処理され、支払リース料の月次ベースでの計上を継続表示した。それ故、損益計算書に計上される支払利息及び(減額された)減価償却費は、損金算入が可能である。

会計効果(すなわち、元々の減価償却費)、並びに減損が行われなかった場合に利用可能であったであろう税務上の損金算入額を近似させるために、200万ドルの減損損失は、対象となるリースの残存期間にわたって定額法で損金算入が認められる。

その後、減損の一部もしくは全額の戻入れが発生した場合、当該ROU資産の帳簿価額は増加することとなる。損益計算書に計上されている支払利息及び(増額された)減価償却費は、HKFRS第16号に準拠して会計処理され、支払リース料の月次ベースでの計上を継続表示した。それ故、当該戻入れはリースの残存期間にわたって定額法の下、月次ベースで計上され、それに応じて課税される。損益計算書に計上される支払利息並びに(増額された)減価償却費は、損金算入できる。

公正価値モデルの下で会計処理されているサブリース資産

Nice Cheer Investment Limited対CIR(2013年度)16 HKCFAR 813案件において、終審法院(最高裁判所)は、利益が実現されていなければ、公正価値ベースで計算された利益に課税することはできないと当時判決を下した。法の原則として、「利益」とは、潜在的もしくは予期される利益ではなく、実際的または実現された利益を意味する。そして、利益も損失も予想され得ない。

HKAS第40号に準拠した公正価値モデルに基づく、ROU資産の会計処理から生じる未実現利益もしくは損失は、損益計算書上で認識された時点で課税または損金算入が認められることはない。代わりに、公正価値の変動額合計は、リース期間にわたって定額法により月次ベースで計上され、損金算入される。

例3

香港メイン貸手会社はオフィスビルを所有しており、以下の条件でリース契約の下、香港サブ貸手会社に貸出すことに同意した。

  • 対象となるリースの契約期間は5年間で;
  • 年間賃借料は、毎年200,000ドルの後払いとなる。

香港サブ貸手会社は、更新オプションなしの1年間から3年間のリース期間で、オフィスビル全体を10の異なるテナントに転貸していた。当該オフィスビルは一等地に位置していたため、香港サブ貸手会社は、古いリースが満了しても直ぐに新しいテナントを見つけることができると確信していた。

香港サブ貸手会社は、これらのサブリースをオペレーティングリースとして会計処理していた。HKAS第40号に基づいてROU資産(つまり、オフィスビルのリース)を認識するために、公正価値モデルが採用された。香港サブ貸手会社が追加借入する際の増分コストは2%で、ヘッドリースに関連する初期直接費用、前払費用もしくは原状回復費用はなかった。

当該ROU資産の公正価値を計算するために、以下の事項が想定された:

  • サブリースの計算利子率は平均2%だった。
  • ヘッドリースの開始時のリース負債(支払リース料の正味現在価値)は、割引率2%で942,692ドルだった。
  • 予想される年間賃貸収入は、後払いで毎年400,000ドルとなる。

香港サブ貸手会社によるリースの当初認識及び測定

1年目頭
勘定科目 借方金額 貸方金額
使用権資産(投資不動産) 942,692
リース負債 942,692
1年目末
勘定科目 借方金額 貸方金額
使用権資産(投資不動産) 580,400
投資不動産公正価値評価益(損益勘定) 580,400
支払利息 18,854
リース負債 18,854
リース負債 200,000
現預金 200,000
現預金 400,000
リース売上高(損益勘定) 400,000

香港サブ貸手会社は、1年目から5年目までの間、損益計算書上で400,000ドルの年間サブリース売上を認識する。

香港サブ貸手会社は、以下の内訳に基づき、損益計算書上で支払利息を認識する。

支払リース料 支払利息 返済額 リース負債
1年目頭 - - - 942,692
1年目末 200,000 18,854 181,146 761,546
2年目末 200,000 15,231 184,769 576,777
3年目末 200,000 11,536 188,464 388,313
4年目末 200,000 7,766 192,234 196,079
5年目末 200,000 3,921 196,079 -
合計 1,000,000 57,308 942,692 -

損益計算書に計上される支払利息は、損金算入が認められる。

香港サブ貸手会社は、以下の期待キャッシュフローに基づき、リース期間中の各年度末におけるROU資産の公正価値の変動を会計処理する。

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
サブリース売上 400,000 400,000 400,000 400,000 400,000
支払リース料 (200,000) (200,000) (200,000) (200,000) (200,000)
正味キャッシュフロー 200,000 200,000 200,000 200,000 200,000
使用権資産(投資不動産)の公正価値 1,523,092 1,153,554 776,625 392,157 0
公正価値評価(損)/益 580,400 (369,538) (376,929) (384,468) (392,157)

損益計算書に計上される年間の公正価値評価(損)/益は、法人・個人事業利得税の算出目的では考慮されない。代わりに、リースの当初認識時のROU資産の価値を表す、942,692ドルの公正価値変動額の合計(すなわち、580,400ドル-369,538ドル-376,929ドル-384,468ドル-392,157ドル)は、リース期間にわたって定額法の下、月次ベースで計上され、損金算入される。

毎年の公正価値の算定に影響を与える情報(例えば、金利/稼働率の変化)に確証が取れなかった場合、リース期間中にわたってROUリース資産の公正価値の変動額の合計を正確に決定することが困難となる可能性がある。そのような状況において、認識されたROUリース資産(つまり、942,692ドル)は、そのヘッドリースの期間にわたって定額法での損金算入が認められる。当該ROUリース資産の定額法における税務上の減価償却費は、財務諸表上に反映されているリース負債の損金算入可能な支払利息とともに、ヘッドリースの下で支払われる年間の支払リース料に近似する。

損金算入は、当該原則が正確かつ継続的に適用され、租税回避の要因となる兆候がない限り、契約上の支払い(すなわち、200,000ドル)に基づくヘッドリースに係る賃借料に対して計上することができる。別段の主張がある場合、支払利息、減価償却費もしくは公正価値の変動額を損金算入する代わりに、1年目から5年目までにおける税務上の取扱いとして、200,000ドルの損金算入が許容される。

原文、2020年9月17日更新)

香港税務局は本日(3月30日)、2019-20年度の資産所得税申告書及び雇用主支払報酬申告書を、4月1日に発行すると公布した。同査定年度の(法人・個人事業)利得税申告書及び個人所得税申告書は、各々5月4日並びに6月1日に発行される。納税者及び雇用主は、関連する税務申告書の発行日から1ヶ月以内に、申告手続を完遂する必要がある。税務代理人を選任している場合、各税務申告書の提出期限は、当局のウェブサイトにアップロードされている「全体延長承認通達(Block Extension Letter)」に詳細が記載されている。

一般の方々は、税務申告手続に関する一般的な質問及び回答について、当局のウェブサイト(www.ird.gov.hk)にアクセスし、閲覧可能である。当局は、eTAX電子サービスを通じて税務申告書を提出するよう、納税者に奨励している。詳細については、(こちら)のウェブサイトをご覧頂きたい。また、当局のウェブサイトにおいて、雇用主の電子税務申告に係るガイドラインも入手可能である。

当局は、納税者及び雇用主に、税務申告書を郵送する場合、当該納期を確実に遵守するために、十分な送料を支払うよう改めてリマインドする。

一般の方々は、香港ポストのウェブサイトを閲覧して、現在の郵便料金の詳細を確認できる。郵便料金が不十分な郵便物を、当局は受付けない。

なお、昨年勃発した香港民主化デモの影響及びCOVID-19の最新状況を勘案し、2019-20年度の(法人・個人事業)利得税申告書が、例年の4月ではなく、5月4日に発行されることを受け、各税務申告期限は下記の通りです:

  1. 2019年4~11月が決算期(N Code Cases)である企業;
    2020年6月30日(例年の4月30日に対し2ヶ月間の猶予が付与されています)
  2. 2019年12月が決算期(D Code Cases)である企業;
    2020年9月30日(前年度は8月15日で先日ほぼ例年通りの8月17日までとなっていましたが、7月14日付けの通達により、2020年9月15日までの約1ヶ月間の猶予が付与され、その後さらに9月9日付の通達により、15日間の追加猶予が付与されています)
  3. 2020年1~3月が決算期(M Code Cases)である企業;
    2020年11月30日(前年度は11月15日で先日ほぼ例年通りの11月16日までとなっていましたが、9月9日付けの通達により、2020年11月30日までの2週間の猶予が付与されています)、並びに
  4. 2020年1~3月が決算期(M Code Loss Cases)で赤字である企業;
    2021年2月1日(前年度は1月31日でほぼ例年通りとなっています)。

さらに、2019-20年度の個人所得税申告書も同様に、例年の5月初旬ではなく、1ヶ月後の6月1日に発行されることとなっており、当該税務申告期限もまた、その1ヶ月後の同年7月2日(eTAX電子サービス利用の場合は8月3日)となります。個人事業主に関しては、発行日から3ヶ月以内の9月1日(eTAX電子サービス利用の場合は10月3日)となっています。

原文、2020年3月30日更新及び補足)
原文、2020年6月1日更新及び7月14日補足、9月9日再補足)

昨今新型コロナウイルス(以下「COVID-19」)に対し、各国政府が様々な救済処置を実施していますが、各業界において事業活動を継続するためには、それ以上に賃料免除(Rent Holidays)や一時的な賃料減額(Temporary Rent Reductions)を含む賃料減免(Rent Concessions)が求められており、事務所もしくは店舗の貸し手であるオーナーより、賃料減免が提供されている、または提供される見込みであったり、未だ折衝中であったりする状況かと存じます。ここで、賃料減免は、今期は賃料免除や一時的な賃料減額となるとしても、将来的に、例えば翌期においては賃料増額を伴う可能性があり、原則として、リース契約の条件変更に該当するか否かの検討を要する事象となりますが、新型コロナ禍の最中、利害関係者が直面する多くの課題を勘案すると、実務的に困難を来す可能性があります。

2020年5月28日、国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、以下「IASB」)は、リース会計に係る新基準である「国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、以下「IFRS」)第16号リース」に係る改訂を公表しています(COVID-19に関連した賃料減免 – IFRS第16号リースの改訂、以下「IFRS第16号リースの改訂」)。これにより、リースの条件変更に該当するか否かの検討を要する従来の基準と比較し、COVID-19に起因する賃料免除や一時的な賃料減額を含む賃料減免に関する借り手側の会計処理がより簡易になっています。

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申請対象者

財政的困難が故に、納期限通りに納税ができない納税者は、納税通知書に記載の納期限までに、分割納付による納税を税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)に申請することが可能である。

税務条例上、納期限後の未納付の税額に対して5%を超えない追徴課税が課される場合があり、納期限から6ヶ月間後は、10%を超えない追徴課税(元々の税額及び既に課されている5%の追徴課税を含めた金額が対象)が課される可能性がある。

2019/20年度の査定年度の納税者(個人及び企業を含む)の納税を支援するため、2020年8月から2021年8月の間に発行される給与所得税、(法人・個人事業)利得税並びにパーソナル・アセスメントにおける納税通知書に対する納付に際し、経済的困難に陥っている納税者は、IRDによって承認された分割納付計画に従い、当該分割納付計画が適切に遵守されている場合に、各々の納税通知書に記載されている納期限から最長1年間、追徴課税が免除される。納税通知書の1回目の分割納付において請求されている税額が、当該納期限もしくはそれ以前に納付されており、2回目の分割納付に対してのみ、上述の分割納付計画が承認付与されている場合、追徴課税の免除期間は、当該2回目の分割納付期限から、1年間がカウントされる。

承認された分割納付計画に従って納付が実施されない場合、当該分割納付の取決めは取消され、未納付額に対し5%を超えない追徴課税が課されることとなる。未納付の税額と5%の追徴課税が課された日から6ヶ月後に、これらの未納付額が残っている場合、当該未納付額に対し、10%を超えない追徴課税が課される可能性がある。

上記の救済措置は、香港からの転出を目的として出発する前のタックスクリアランスをしなければならない納税者、並びに資産所得税を納付する納税者には適用されない。

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香港税務局は本日(3月30日)、2019-20年度の資産所得税申告書及び雇用主支払報酬申告書を、4月1日に発行すると公布した。同査定年度の(法人・個人事業)利得税申告書及び個人所得税申告書は、各々5月4日並びに6月1日に発行される。納税者及び雇用主は、関連する税務申告書の発行日から1ヶ月以内に、申告手続を完遂する必要がある。税務代理人を選任している場合、各税務申告書の提出期限は、当局のウェブサイトにアップロードされている「全体延長承認通達(Block Extension Letter)」に詳細が記載されている。

一般の方々は、税務申告手続に関する一般的な質問及び回答について、当局のウェブサイトにアクセスし、閲覧可能である。当局は、eTAX電子サービスを通じて税務申告書を提出するよう、納税者に奨励している。詳細については、以下のウェブサイトをご覧頂きたい。また、当局のウェブサイトにおいて、雇用主の電子税務申告に係るガイドラインも入手可能である。

当局は、納税者及び雇用主に、税務申告書を郵送する場合、当該納期を確実に遵守するために、十分な送料を支払うよう改めてリマインドする。

一般の方々は、香港ポストのウェブサイトを閲覧して、現在の郵便料金の詳細を確認できる。郵便料金が不十分な郵便物を、当局は受付けない。

なお、昨年勃発した香港民主化デモの影響及びCOVID-19の最新状況を勘案し、2019-20年度の(法人・個人事業)利得税申告書が、例年の4月ではなく、5月4日に発行されることを受け、各税務申告期限は下記の通りです。

1. 2019年4~11月が決算期(N Code Cases)である企業

2020年6月30日(例年の4月30日に対し2ヶ月間の猶予が付与されています)

2. 2019年12月が決算期(D Code Cases)である企業

2020年9月15日(前年度は8月15日で先日ほぼ例年通りの8月17日までとなっていましたが、7月14日付けの通達により、約1ヶ月間の猶予が付与されています)

3. 2020年1~3月が決算期(M Code Cases)である企業

2020年11月16日(前年度は11月15日でほぼ例年通りとなっています)、並びに

4. 2020年1~3月が決算期(M Code Loss Cases)で赤字である企業

2021年2月1日(前年度は1月31日でほぼ例年通りとなっています)。

さらに、2019-20年度の個人所得税申告書も同様に、例年の5月初旬ではなく、1ヶ月後の6月1日に発行されることとなっており、当該税務申告期限もまた、その1ヶ月後の同年7月2日(eTAX電子サービス利用の場合は8月3日)となります。個人事業主に関しては、発行日から3ヶ月以内の9月1日(eTAX電子サービス利用の場合は10月3日)となっています。

原文、2020年3月30日更新及び補足)

原文、2020年6月1日更新及び7月14日補足)

給与所得税及び(法人・個人事業)利益税(防疫抗疫基金)免除措置命令が、5月29日から運用実施されている。当該命令は、個人並びに企業に対し、特定の条件の下で、防疫抗疫基金(Anti-epidemic Fund、以下「AEF」)に基づいて提供される財政支援もしくは救済に関し、給与所得税及び(法人・個人事業)利得税の納付を免除する。当該免除措置は、2019年4月1日に開始する査定年度及びそれ以降すべての査定年度において、課される給与所得税及び(法人・個人事業)利得税に関連して適用される。

  • 給与所得税
  • 課税免除措置
  • 雇用主もしくは従業員による税務申告の上での措置
  • (法人・個人事業)利益税の課税免除措置
  • 防疫抗疫基金に基づく支援措置に係る課税免除措置のよくある質問と回答(FAQ)
  • 関連するリンク
  • 給与所得税

    課税免除措置

    当該免除措置命令は、AEFプログラムに基づき提供される以下の給付金に関し、これを受領する個人(従業員)に対して、給与所得税の納付を免除する:

    1. 個人並びに環境の衛生を強化し、従業員の反流行への取組みを認識するために、民間住宅/複合施設/産業ビル/商業ビルで勤務する各清掃員及びセキュリティスタッフに、各々毎月1,000ドルのハードシップ手当

    2. 疫病予防と流行防止のための経済的支援を提供し、この重大時期に従業員の献身的なサービスを認識するために、香港政府及び香港住宅委員会とのサービス契約に基づく清掃員、トイレ清掃員並びに警備員それぞれに毎月1,000ドルの手当

    3. 資格を有する登録建設労働者の各々に1,500ドルもしくは1,000ドルの補助金

    4. 建築条例に基づく登録建設労働者及び登録検査官、並びに消防サービス(設置請負業者)規定に基づいて認可された配管工へ、7,500ドルの補助金

    5. スクールバスの従業員運転手及び学校向けプライベートミニバスの運転手それぞれ、並びに雇用されている添乗員には車両毎に、1回限り10,000ドルの救援金

    6. ツアーバスコーチ従業員運転手各々に10,000ドルの1回限りの補助金

    7. 国境を越えて移動するトラック運転手が、香港においてCOVID-19の核酸検査を受けるための350ドルの給付金

    8. 学校に雇用されている教師、コーチ、トレーナー並びにインタレストクラスの運営者毎にオペレーターに7,500ドルの1回限りの支援助成金

    9. 過去1年間にコーチングの実績を証明した体育総会、並びに運動機構及び組織の各登録コーチへ7,500ドルの1回限りの支援助成金

    10. 各旅行代理店のスタッフ、並びに活動しているフリーランスの観光ガイド及び従業員であるツアーの添乗員に対して、毎月5,000ドルの補助金

    11. 販売員ライセンスを保有する各従業員へ2,510ドル、並びに不動産業者ライセンスを保持する各従業員に対する3,930ドルの1回限りの現金給付金

    12. SFCライセンスを保有する各従業員に対し2,000ドルの1回限りの補助金

    雇用主もしくは従業員による税務申告の上での措置

    上述の措置の対象となる個人は、AEFプログラムに基づき支給される給付金を、2019/20年度及びそれ以降の査定年度のTax Returns – Individuals(個人所得税申告書)上、報告する必要はない。

    これら個人の雇用主もまた、上述のAEFプログラムに基づき給付される助成金を、2019/20年度及びそれ以降の査定年度のEmployer’s Return(雇用主支払報酬申告書)上、報告する必要はない。

    2019/20年度の査定年度のEmployer’s Returnを既に提出しており、従業員に対して上述の金額を含めて申告している場合、雇用主は修正したIR56関連フォームに置換えるために再提出が必要である。

    フォームIR56の修正に関する詳細については、こちらのURLをご覧ください。

    (法人・個人事業)利益税の課税免除措置

    当該免除措置命令は、AEFプログラムに基づいて提供される助成金、給付金もしくはその他の財政的援助に対して、各企業体の(法人・個人事業)利得税の納付を免除する。しかしながら、当該免除措置は、香港において通常行われる貿易、専門業務もしくは事業活動の結果として発生する、一般的な取引利益の合計額(入出金が一致するよう約定が存在する上で支払われる合計額を除く)には適用されず、それらは以下の通りでありこれらに限らない-

    1. 商品販売による売上

    • 香港におけるLocal Mask Production Subsidy Scheme(マスク生産資金援助スキーム)に基づいて、企業が香港政府へ販売したマスクの収益
    • 再利用可能なマスクなどの技術ソリューションを提供するために、科学技術企業が受領した取った収入
    • タクシー及びパブリックミニバスに販売されている液化石油ガスの値引きに対して、石油会社が受取る精算金

    2. 役務提供による対価

    • COVID-19オンライン紛争解決スキームの下で、オンライン紛争解決サービスの提供のためにサービスプロバイダーである企業、調停者並びに仲裁人が請求する料金
    • 関連するAEFプログラムの実施のために、石油会社、MPF信託会社、香港政府及び香港住宅委員会のサービス請負業者、並びに運動機構が受領する管理費

    3. 施設全体もしくはその一部のリース、サブリース、またはライセンス供与から発生する収入

    • 家主がテナントに「家賃免除救済」を提供する目的で受領する精算金

    関連するリンク

    1. 給与所得税及び(法人・個人事業)利益税(防疫抗疫基金)免除措置命令
    2. 防疫抗疫基金による救済措置
    3. 2020年5月27日の香港政府によるプレスリリース – 防疫抗疫基金における課税免除措置
    4. 防疫抗疫基金に基づく2ラウンドの措置における税務上の処理の概要まとめ(上記プレスリリースの付録)

    原文、2020年5月29日更新)