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2017年税務(改正)(第6号)条例草案が、今週金曜日(2017年12月29日)に官報へ掲載される予定である。当該税務条例改正草案の主たる目的は、移転価格税制の基本原則を、税務条例(第112章)の中で成文化した上で、経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development、以下「OECD」)が打ち出している、企業の税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)への対策の最低基準を設置することである。

BEPS法案は、多国籍企業によって、ほとんどもしくは全く経済活動の無い低税率もしくは無税の場所へ、人為的に利益を移され、税務上の規則の差異及び不整合性による搾取をされることに対抗しようとするものである。2016年6月、香港はBEPS法案を設置する承諾を示した。

政府スポークスマンは、「BEPS法案を実施することは、香港がクロスボーダーの租税回避行為に立ち向かうことを実証している。これは香港にとって、国際金融及び国際事業センターとして、我々の競争力及び評判を維持するために、特に必要不可欠で重要な要素である」、と述べた。
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2017年税務(改正)(第7号)条例草案が、今週金曜日(2017年12月29日)に官報へ掲載される予定である。当該税務条例改正草案は、2017年度施政報告の中で宣言された二層制の法人(個人事業)利得税制度の設置を目論むものである。

政府スポークスマンは、「我々の目的は簡素な税制度と低税率を維持すると同時に、競争力のある課税システムを実施することによって、経済発展を促進することである。二層制の法人(個人事業)利得税制度を取り入れることにより、特に中小企業や開業したばかりの会社の税負担を軽減することができる。これにより、有利な事業環境を造り上げ、経済成長を刺激し、香港の国際競争力を増大することができる」、と述べた。

提案されている税制度下では、各企業の最初の2百万香港ドルまでの課税所得に対する適用税率が8.25%まで引き下げられ、当該金額以上の課税所得については16.5%の税率が適用されることとなる。法人形態ではないパートナーシップや個人事業主は、これに呼応して7.5%及び15%の二層制が採用される。これにより、法人としては年間165,000香港ドル、法人形態ではない事業体としては年間150,000香港ドル各々税債務を抑えることが可能である。

目下提案されている二層制の法人(個人事業)利得税制度は、その規模に関わらず、課税所得があり、資格のある企業すべてに恩恵をもたらす。なお、当該税優遇措置が中小企業を中心として恩恵を与えることを確実にすべく、政府当局は、各々の企業グループの関連会社のうち、指定された1社のみが当該税優遇措置を享受できるよう、別途制限案を加筆する予定である。

当該税務条例改正草案は、2018年1月10日に立法会にて発表される予定である。

原文、2017年12月27日更新)

国際金融センターや国際物流拠点に象徴され、その役割を担えるインフラが整備されているここ香港において、航空金融事業は高付加価値の航空サービスに不可欠であることが2015/2016年度、2016/2017年度政府施政報告・財政予算案の中でも言及され、航空機リース事業に対する税務上の優遇措置は長らく渇望されていましたが、2017年3月10日に当該税務条例改正案が官報に掲載されて以来、立法会での審議が継続されました。当該審議中、航空機リース事業者へのさらなる優遇措置の選択肢拡大案が盛込まれ、2017年5月19日に当該条例改正案への修正案が提案、2017年6月28日に承認されています。これにより、2017年4月1日以降開始する決算期から、税制適格航空機リース事業に対する優遇制度(Aircraft Leasing Tax Concessions、以下「ALTC」)が適用されることとなりました。その内容について背景も交えながら、下記の通り解説します。
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香港行政長官の林鄭月娥(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor)は、本日(2017年10月11日)宣言した最初の施政報告の中で、香港経済の多角化を推進し、香港において更なる多くの機会を設けるための青写真を描いた。

林長官は、「香港政府は香港の自由市場経済の原則を維持しつつ、土地家屋の供給、人材、政府対政府の事業、政策の方向性、投資、事業活動に適した環境や税務を含む多方面において、我々の経済的活力を促進する役割を積極的に強化しなければならない」、と述べた。

林長官は、企業の負担を軽減するために、各企業の最初の2百万香港ドルまでの課税所得に対し適用する税率を、現在の標準税率の半分である8.25%まで引き下げる二層制の法人利得税システムを含む、新税務措置を宣言した。

林長官は、「この税制上の優遇措置が、中小企業を主な対象として恩恵をもたらすことを確かにするため、各企業グループが当該軽減税率の恩恵を受ける企業を1社のみ指定できる制限を、法令上設ける予定である」、と述べた。

林長官は、これは、「中小企業へ更に税金救済をもたらすものである」、と強調する。課税所得が2百万香港ドルを超える部分については、標準税率である16.5%のままで変わらない。その上、林行政長官は、適格研究開発費(research and development (R&D) expenditure)の最初の2百万香港ドルに対し、300%の損金算入額を認め、それを超える残りの支出に対しても200%の損金算入を享受できる措置も提案している。当該2つの構想を実施するための法案は、香港政府より出来るだけ早く、立法会に提出される予定である。
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香港財経事務及庫務局(Financial Services and the Treasury Bureau)の劉怡翔局長及び陳浩濂副局長は、当局管轄下の税務政策組が来年後半には立法会に提出される予定の二層制の法人利得税システムの設置について、研究を継続していることを表明した。

陳浩濂副局長によると、「現時点で提案されている改正草案では、最初の200万香港ドルまでの課税所得に対して10%の税率を適用し、それ以上の課税所得については16.5%の税率を適用するもので、左程複雑性が伴うものではない」とし、当該措置の設置に当たり、税務条例自体の修正を要するものであるとしている。

また、劉怡翔局長によると、当該税務政策組による研究は、二層制の法人利得税システム法案、金融連座及び経済的影響に注視しており、継続して現行の税務条例と当該変更による結果を調査する予定である。

さらに劉怡翔局長は、現在の単層制の法人利得税システムの代わりとなる二層制の計画は、多少複雑性が増加する点よりも、香港の各事業活動がさらに研究開発に資金を投入する機会を与え、結果として全体的な経済動向に恩恵を与えるであろう、と言及した。

原文①、2017年8月14日更新)
原文②、2017年8月16日更新)

香港財経事務及庫務局(Financial Services and the Treasury Bureau)の劉怡翔局長は、当局管轄下の新たな税務政策組を今年4月に編成し、研究開発費に対する追加の減税措置を提供する計画の研究に着手し始めていることを発表した。

劉怡翔局長は、本日立法会での林健鋒議員による質問に対し、林鄭月娥(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor)行政長官が掲げた、選挙マニフェストの中で上程された二層制の法人利得税システムへの展開を目論んだ提案もまた、研究している旨の声明を出した。

また、劉怡翔局長は当該税務政策組による第一の業務に言及し、それはより良い税務政策を設置し、香港の産業や経済発展を促進することであることを加えつつ、「具体的な改正案の推敲が完遂すれば、香港政府は即時に利害関係者に諮問を開始する」と述べた。
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香港政府は本日2017年7月31日に、企業の税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)への対策に係る諮問報告書を発表した。

香港は2016年6月に、OECDによって提唱されたBEPSに関連する税務協力体制への承諾と継続的な対策実施を示した。この香港の承諾を進めて行くために、香港政府は2016年10月26日から同年12月31日までの間、関連する措置に対する意見を収集し、評価すべく協議会を実施した結果、26団体からの書面による意見書を受領した。

香港政府スポークスマンは、「我々の簡素でかつ低税率な体制を維持しつつも、OECDよる15の行動計画のうち、4項目の最低基準(⑤有害な租税慣行への対応、租税条約の濫用の防止、⑥移転価格文書、⑬国別報告書作成の規定設置、並びに⑭クロスボーダー紛争解決策の改善)に焦点を当てて我々が提案した、対策設置戦略への変わらぬ支持に歓迎を表する。我々は、これら相関性のある意見や修正部分に対する提案内容に対応する、一定のパラメーターを微調整し、利害関係者各位への関心に応えるつもりだ」と述べた。

香港政府は目下全力で当該立法案件に関する業務に従事しており、2017年末までに当該修正案を立法会に提出することを目指している。

上述に関連する諮問報告書内容は、香港財経事務及庫務局(Financial Services and the Treasury Bureau)のウェブサイト上に、既に掲載(英語版及び繁体字版)されています。また、当局による更なる取りまとめ及び税務実務解釈指針は、後日発行予定であるDIPN(Departmental Interpretation and Practice Note)で公表されることが見込まれています。

原文、2017年7月31日更新

Q. 先般親会社の香港市場上場に伴い、RSU(Restricted Stock Unit、制限付き株)を付与されたのですが、香港において「確定申告」の必要はあるのでしょうか。香港では、基本的に「キャピタルゲイン非課税」と認識しているので、香港の居住者である限り、当該RSUも同様の処置が取られると思うのですが、この理解は間違っておりますでしょうか。
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毎年恒例行事のおさらいですが、今月は丁度旬のトピックである給与所得税の申告と計算について解説したいと思います。4月に入ると、香港税務局(IRD, Inland Revenue Department)から給与所得税(Salaries Tax)に係る申告フォームが雇用主宛に発行され、その後、個人宛にも別途申告フォームが発行されます。各フォームとも申告期限があり、提出を怠ると罰則(通常は罰金のみ、悪質な場合は禁固刑の規定もある)の対象になる可能性があります。本稿では、申告から納付までの流れと税額の基本的な計算方法を解説します。
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