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欧州連合(EU)は本日(10月5日)、香港における特定の外国源泉(オフショア)受動的所得に対する非課税の取扱いが、「二重非課税」の状況に繋がり得る可能性があると見なし、税務面の非協力的な国・地域EUリストに含めることを発表した。香港政府は、この発表に関するメディアからの問合せに答えた。

香港政府報道官は、「香港は国際金融センターとして、常日頃国際税務協力に積極的に参加し、支援をしてきました。香港は長年にわたって、国・地域内源泉所得課税(源泉地国課税)の原則を採用しており、香港外のオフショア利益は、概して香港の利得税の対象にはなりません。」と述べた。

EUは、香港において実質的な経済活動を行っていない企業が、特定のオフショア受動的所得(利子やロイヤリティ等)に対して課税されない点に関し、「二重非課税」の状況になる可能性を懸念している。国境を跨ぐ租税回避行為に立ち向かう原則の下、香港政府はEUと協力し、2022年末までに税務条例(香港法第112章)を改正し、関連する措置を2023年中に実施することに同意した。

香港政府報道官は、「香港は引続き源泉地国課税の原則を採用していきます。香港政府は、香港のビジネス環境の競争力を持続するために、シンプルかつ明確な、低税率を適用する税制を維持するよう努めていきます。」

「提案されている条例修正案は、国境を跨ぐ租税回避が目的で受動的所得の概念を利用している、特に香港において実質的な経済活動を行っていない企業をのみを対象としています。個人の納税者は影響を受けることはないでしょう。金融機関については、現行の香港税務条例に基づき、オフショア事業に帰属する利子所得もまた、利得税の課税対象となっているため、当該法改正により税負担が増えることはありません。」

「法改正の具体的な内容については、利害関係者と十分に協議し、企業のコンプライアンス遵守負担を最小限に抑えるため、最善を尽くします。」と強調した。

EUは2019年10月、外国源泉所得の免税制度に関するガイダンスを発行し、多くの税管轄区域(香港を含む)の税制に対する評価を開始した。この評価の焦点は、オフショアのシェルカンパニーが「二重非課税」を通じて、税制上の優遇措置を享受している状況への対処である。香港政府は、当該評価に関連する事項について密にEUと連絡を取り、フォローアップすべき作業についてEUと積極的に従事している。

香港政府報道官は、「香港企業は、税務面の非協力的な国・地域EUリストに含まれている結果として、EUが課す防御的税制措置の対象とはならないでしょう。香港政府としては、関連する税制を改正後、香港を当該リストから迅速に削除するようEUに求めていきます。」と述べた。

原文:Couple convicted of falsely claiming deductions of expenses of self-education and approved charitable donations、2021年10月6日更新

行政長官のキャリー・ラム(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor/林鄭月娥)氏は本日(10月6日)、自身の香港特別行政区政府立法会における任期中最後となる第5回施政報告を発表し、香港の将来の計画を打ち出した。

ラム氏は、「一緒に明るい未来を創造し築く」というテーマの下で、香港は過去2年間の前例のない深刻な挑戦を経て、中央政府の全面的な支援により、現在「一国二制度」の原則が正しい軌道に戻っていると述べた。

また、「香港国家安全維持法の施行と選挙制度の改善により、社会の安全及び安定が回復した。香港は今、経済発展の新たな出発点にある」とラム氏は述べた。

彼女は、「第14次5ヶ年計画における、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(GBA/粵港澳大湾区)の開発計画概要、並びに前海・深圳・香港現代型サービス産業協力における改革開放の全面的深化構想(前海構想)の下、香港の企業や専門サービスプロバイダーは無限の機会を享受することとなる」と述べ、「香港を支援する中央政府の政策を活用することによってのみ、香港はその独自の強みを十分に発揮することができ、それが今度は経済に継続的な推進力をもたらすであろう」と強調した。

その中でも重要な措置である北部都会区の建設は、沿岸都会区とともに各々の経済的原動力を主導し、相互に補完しあうことで、香港の将来の発展を促進する。

続けて、「この北部都会区は、国際的なI&T(イノベーションとテクノロジー)ハブとして開発され、「都市と農村地域の統合及び開発、並びに保全が共存」する独特な都市景観を備えることとなり、一方で、香港の国際金融センターとしての地位を支える沿岸都会区は、ランタウトゥモロービジョンのカウイチャウ人工島の埋め立て地を含め、拡大される」とラム氏は言及した。

施政報告はまた、成長可能性の高い産業セクターの開発を支援するため、多くの措置を提案している。

金融サービスを後押しすべく、ラム氏は、上場制度の充実、人民元オフショア事業の拡大、並びにグリーンファイナンスの促進を提案した。

ラム氏によると、もう1つの有望な産業セクターとして、船籍登録、船舶の資金調達と管理、海上保険、海事法務及び仲裁サービスなどの高付加価値の海事産業向けのサービスを挙げている。

ラム氏は、「海事産業に従事する人々が魅力的に感じるような、事業開始における存在感を確立するために税制優遇措置が導入される」と述べ、香港船舶登録処の海外サービスネットワークを拡大し、香港における船籍サポートを強化すべく、サンフランシスコ、東京及びトロントに新たな事務所を設立する旨を加えた。

政府は、来年完成する将軍澳の先進製造センターに対する各業界の積極的な反応を踏まえ、第2の先進製造センターの建設計画を含む再工業化を引続き推進する。

もう1つの新しい取組みは、香港と深圳の境界にある落馬洲ループに設置される香港・深圳イノベーションアンドテクノロジーパーク(港深創新及科技園)に、InnoLife Healthtech Hub(生命健康創新科研中心)を設立することによって、科学研究を促進することである。

ラム氏は、「生命と健康の分野で相当数の新興企業や大企業が、この地域における香港の利点とGBA市場の可能性に注目しており、香港に足場を築くことに関心を持っていることを認識している」と述べている。

ラム氏は、住宅及び開発可能な土地供給に対する需要を満たすために、約350ヘクタールの土地が特定され、2031-32年までの10年間で約33万戸の公営住宅を建設できると述べた。さらに、彼女は今後10年間で約170ヘクタールの土地を確保し、市場に約10万戸の民間住宅建設のための土地を提供できるように努める。

ラム氏はまた、「グリーンベルト」地域の開発可能性を検討することを提案した。

香港市民の生活を改善することは、現行政府の優先任務であり、ラム氏は、社会福祉への経常支出が2017-18年の653億ドルから2021-22年の1,057億ドルに大幅に増加し、4年間で62%増加したと述べた。彼女はまた、政府は今後1年間に計画された政策や措置の実施に注力し、来年の下半期には、普通及び高額高齢者生活手当(OALA/Old Age Living Allowance)を統合し、高額手当の資産上限要件をより緩和し、普通手当の要件が全面的に採用されることで、適格申請者は、高額手当を受給できることに言及した。

さらに彼女は、政府は児童虐待事件に関する義務的な報告メカニズムを提供するための立法案を策定することを含め、児童保護を強化し、同時に児童虐待事件を特定するための関連する専門業者向けの訓練も強化されると述べた。政府はまた、オンサイト就学前リハビリテーションサービスの場所の数を今年の9,000から、2022/23学年度は10,000に増やす予定である。

ラム氏は、今後15年から20年以内に、政府は気候変動の緩和と適応に関する様々な対策を推進し、グリーンビルディング、電気自動車、日々の発電向けの石炭の使用を段階的に廃止するなどの低炭素ライフスタイルを促進するために、約2,400億ドルを費やすと述べた。

新たな課題に対処するためのガバナンスを改善する目的で、ラム氏は、次期政府が検討及び実施するため、今後数ヶ月間以内に政府構造の再編成計画が提案されると述べた。 彼女は、公務員事務局長官に、上級公務員ポストの既存の選任のメカニズムを検討するように依頼し、特定の責任を持つ、より献身的な専門職ポストを設置することを提案した。

ラム氏は閉会の辞の中で、「今日、国家安全保障と改善された選挙制度の二重の保障制度の下で、香港は「一国二制度」の正しい軌道に戻っている。

香港はかつてないほど堅固であると確信しており、香港が我が国の包括的な発展に融合され、我が国が2世紀に渡る目標に向かって前進する際に、不可欠な役割を果たせることは疑いようがない」と締め括った。

原文:CE outlines bright future for Hong Kong in Policy Address、2021年10月6日更新

参考:The Chief Executive’s 2021 Policy Address – Policy Address、2021年10月6日開示の全文

参考:Building a Bright Future Together、2021年10月6日開示のリーフレット

インターネットを介してオンラインビジネスを営む者も、商業登記(税務登記)に係る法令を遵守する必要がある。

インターネットを介して従事される活動が、香港における事業を構成するか否かを確認するために、香港税務局は、商品の調達及び販促活動、購入者の勧誘、商品の発送、売上収入の決済、事業規模、並びに当該活動が行われる場所等を含む、関連する活動の詳細を収集する。

ある個人がインターネットを介して売買取引活動を実施、もしくはサービスの提供に従事しており、香港内において、これに関連する活動が行われている、またはサービスが提供されている場合、その当事者は商業登記を申請する必要がある。

事業登録におけるインターネット/オンラインビジネスに関するよくある質問

Q: インターネット/オンラインビジネスに関して、商業登記条例(Business Registration Ordinance、以下「BRO」)に特定の規定は設けられているか?

A: BROには、インターネット/オンラインビジネスに関する特定の規定は存在しない。物理的な実店舗であれインターネットを介しての事業であれ、事業を運営する人は、BROの下で同じ要件に準拠する必要がある。

Q: オンライン取引プラットフォームで中古品のみを売買取引する場合、商業登記を申請する必要があるか?

A: 売買活動を行う者は、その運営活動がBROに基づく事業を構成し、香港で実施される場合、商業登記を申請する必要がある。当該要件は、取引される商品が新品か中古かを問わず適用される。

Q: 商業登記の年齢に制限はあるか?インターネットを介して事業を営む者が18歳未満の場合でも、商業登記を申請する必要があるか?

A: 商業登記(事業者登録)の年齢に制限はない。BROの下では、未成年者が事業を営む場合(免税事業を除く)、未成年者とその受託者(保護者を含む)は、商業登記を申請する義務がある。

Q: ある個人がインターネットを介して事業を営んでいるが、商業登記を申請しなかった場合、香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)はどのような措置を取るのか?

A: IRDはまず、関連する活動(商品の調達、購入者の勧誘、商品の配送、及び売上収入の決済等)、事業規模、並びにこれらの活動が行われる場所の詳細を収集する。当該案件の事実全体に基づき、IRDは、その活動が香港における事業運営を構成するかどうかを判断する。香港における事業運営に該当する場合、IRDは、事業者に対して商業登記を申請するように助言し、支援する。それでも未だ商業登記義務に従わない場合、IRDは法令に従い、当事者に対して起訴する可能性がある。

Q: オンライン取引から利益を得た個人は、利得税(事業税)を支払う必要があるか?

A: 税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)は、香港で貿易、専門業もしくは事業を営み、香港で創出される、または香港から得られる利益を得る全ての者が利得税を支払わなければならないと規定している。案件の事実全体に基づき、IRDは、インターネットを介して実施された取引から発生する利益に対して、個人が利得税を課されるか否かを決定する。

商業登記証明書の申請自体が、利益税債務を決定付ける訳ではないが、インターネット事業を営む者は、以下を含むIROの様々な規定を遵守する義務がある:

(a)税務申告書を既に受け取っていない限り、事業者は、査定年度中に利得税の課税対象となる場合、当該査定年度の税年度終了後4ヶ月以内に、税務局局長に書面で通知する必要がある。

(b)事業者は、査定可能な課税所得を容易に確認できるよう、収入と支出の十分な記録を英語または中国語で保管する必要がある。業務記録は、関連する取引の完了後、少なくとも7年間保管する必要がある。

Internet Business:2021年7月19日更新
Q & A for Internet Business、2021年7月19日更新

COVID-19パンデミックは、人々の生活に著しい混乱を引き起こし、その結果、企業の運営方法や人々が働く場所に様々な変化をもたらしている。これらの変化により、会社や個人の税務上の居住地国、恒久的施設(PE)、国境を跨ぐ勤務者の雇用者所得並びに移転価格等、特定の税務上の問題も発生している。これらの問題に対する香港税務局(IRD)の一般的なアプローチを以下に示している。

これら税務上の問題に対するIRDのアプローチは、以降更新される可能性があるが一般的に、経済協力開発機構(OECD)が各々2021年1月と2020年12月に発表した、租税条約と新型コロナウイルス感染症の影響についての更新ガイダンス(the COVID-19 Tax Treaty Guidance、以下「COVID-19租税条約ガイダンス」)並びに新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に関する移転価格執行ガイダンス(the COVID-19 Transfer Pricing Guidance、以下「COVID-19移転価格ガイダンス」)とほぼ同等である点に、留意する必要がある。これらのガイダンスは、所得及び資本に関するモデル租税条約(MTC)の公的解釈指針並びにOECDの多国籍企業及び税務当局のための移転価格ガイドラインと合わせて、閲読されるべきである。

以下に示している見解は、あくまで現時点における一般的な情報のみであることを強調しておく必要があり、それぞれの案件に対する取扱いは、それ自体の事実及び状況に基づき決定される。

  • 企業の税務上の居住地国
  • 個人の税務上の居住地国
  • 恒久的施設
  • 雇用者所得
  • 移転価格

企業の税務上の居住地国

このパンデミックによる国を跨いでの人の移動に対する制限は、上級管理職が会議を開催したり、企業が事業活動を行使する場所の変更を余儀なくさせる可能性があり、このような変化が、会社の居住地国に与える影響に係る懸念が高まっている。IRDとしては、異常事態中のそのような一時的な変更がそのまま、税務上の居住者区分を変えると見なしているわけではない。IRDは、会社の居住者区分を査定する際、全ての関連する事実及び状況を勘案する。

ある会社が、税務上同時に香港と他の管轄区域の居住者として見なされる場合、租税条約の適用上、会社が居住者として見なされる管轄区域を決定するため、関連する租税条約の下、タイブレーク規定が検討される。COVID-19租税条約ガイダンスに記載されている通り、租税条約に基づくタイブレーク規定により決定されたある会社の居住地国は、その会社の経営及び意思決定に参画する個々人が、関係する管轄区域の少なくとも1つの政府によって義務化されている、もしくは推奨されている公衆衛生上の措置の結果として、国を跨いでの移動ができないという事実によって、影響を受ける可能性は低い。

個人の税務上の居住地国

個人としては、当該パンデミックの下で義務化されている渡航制限、もしくはその他の公衆衛生上の措置の結果として、母国である管轄区域に戻ることができないため、一時的に主催国である管轄区域に留まらなければならない場合がある。そのような個々人は一般的に、主催国である管轄区域の居住者と見なされる可能性は低く、たとえそうなるとしても通常、関連する租税条約のタイブレーク規定に基づき、母国である管轄区域の居住者のままとなる。しかしながら、公衆衛生上の制限が解除された後も、同じ状況の変化が継続する場合は、別段のアプローチが必要となる可能性がある。

恒久的施設

香港の非居住者が、租税条約上の意味での範疇、もしくは(場合によっては)香港税務条例(IRO)の附表第17Gの第3部において、香港内にPEを有しているかどうかは、事実及び程度の問題となる。問題点を解決する際、IRDは、COVID-19への対策として、政府によって課されている公衆衛生上の措置が原因である国を跨いでの渡航制限を含む、全ての関連する事実及び状況を調査する。COVID-19パンデミックの異常な性質に鑑み、IRDとしては、COVID-19租税条約ガイダンスの関連原則を勘案し、その問題点を解決する際に柔軟なアプローチを採用する準備ができている。

上述のガイダンスにおいて説明されている通り、COVID-19パンデミックが故に、在宅勤務などの、従業員が雇用契約上の職務を遂行する場所の例外的かつ一時的な変化が、雇用主に新たなPEを形成させるべきではない。同様に、このパンデミックによる従業員もしくは代理人の居住地国における一時的な契約締結が、企業のPEを形成するべきではないが、対象となる従業員または代理人が、当該パンデミック前から、企業を代表して自国の管轄区域内で習慣的に契約を締結していた事実がある場合は、異なるアプローチが適切となる可能性がある。

上記の見解は、公衆衛生上の措置が実施されているCOVID-19パンデミック中に発生する状況においてのみ、関連する点に留意することが重要である。公衆衛生上の措置の終了後も、個人が在宅勤務を継続する場合、PEが存在するかどうかを判断するために、事実及び状況を調査する必要がある。

雇用者所得

別の管轄区域の居住者でありながら、香港における雇用契約上の職務に従事している従業員が、COVID-19パンデミックが故に香港内で立ち往生している場合で、もしそうでなければ、香港から発ち、MTCの第15条の下、香港での給与所得税の免税を享受する資格がある場合、そのような状況下において、従業員が香港内で過ごした追加の日数は、第15条(2)(a)における183日間テストの適用上カウントされない。

当該アプローチは、政府による検疫要件、COVID-19が起因していると認定された病気及び渡航禁止令、並びに政府の公衆衛生上の措置によって必要とされるフライトのキャンセルにより、従業員が渡航できない状況を対象としている。しかしながら、従業員が一般の人々のように、単に必要不可欠ではない渡航を避けるように促されている状況は網羅していない。

なお、IROの第8条(1B)に基づき日数をカウントするために、IRDは、国内レベルにおいては、物理的に香港内に滞在する日数を除外する裁量権は持ち合わせていない点は注意が必要である。

移転価格

取引の当事者によって管理された、経済的に重要性の高いリスクの結果が、パンデミックによってどのように影響を受けたかに関して、細心の注意を払う必要がある一方で、IRDは一般的に、パンデミックに直面した場合、国外関連当事者間取引の移転価格を評価する際には、独立企業間原則が引続き適用可能な基準である点を維持しているCOVID-19移転価格ガイダンスに従う。

COVID-19パンデミックが経済状況に与える影響を考慮すると、パンデミックの期間中に区分した個別のテスト期間を設けたり、比較可能性分析を実行する際に赤字会社を比較対象として含めることが適切となる可能性がある。リスクが限定された企業は、損失が独立企業間原則に沿って発生しているが判明する場合、その損失を実際に被っていると認められ得る。政府による支援策を受けることもまた、国外関連当事者間取引の価格に影響を与える可能性がある。

IRDは、事前確認制度(APA)に対する廃止、取消もしくは改訂につながる事情が発生しない限りは、既存の事前確認制度を維持するものとする。経済環境の重大な変化が、重要な前提条件の違反に起因する場合、納税者は当該違反が発生してから、1ヶ月以内にIRDへ通知する必要がある。

(原文:Tax Issues arising from the COVID-19 Pandemic、2021年7月28日更新)

以下は、香港金融管理局を代表して発行している:

香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority、以下「HKMA」)は本日(7月16日)、税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)の附表第16Dの下、キャリード・インタレストに対する税制優遇措置に関連するファンド認証について、ガイドラインを公表した。

2021年税務(改正)(キャリード・インタレストに対する優遇措置)条例は、認定投資ファンドへの投資運用サービスを提供する(法人・個人)適格者並びに適格従業員が、2020年4月1日以降に受領するもしくは受領され得る税制適格キャリード・インタレストに関連し、(法人・個人事業)利得税と給与所得税に対する税制優遇措置を設置するために制定された。当該税制優遇措置は、香港において運営及び管理されるプライベート・エクイティ・(PE)ファンドをさらに呼込み、それによって香港における投資管理及び関連する専門サービス産業を促進することを目的としている。

認定投資ファンドとは、IROの附表第16Dの第2条で定義されている通り、HKMAによって発行されている認証基準を満たしていることを、HKMAによって認証された、IROの第20AM条で指定されている範囲のファンドを指している。

ファンド認証ガイドラインは、HKMAによるファンドの認証に関連する認証基準及びその他事項を定めている。ファンド認証スキームは現在既に解放されており、申請が受付けられている。

当該ガイドラインはHKMAのウェブサイトからダウンロード可能。

HKMA releases guideline on fund certification for carried interest tax concession:2021年7月16日更新

近年の経済のデジタル化から生じる税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)リスクに対処する目的で、経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development、以下「OECD」)は昨日(7月1日)、大規模な事業を行っている多国籍企業(Multinational Enterprise Group、以下「MNEグループ」)の利益に対する課税権の公平な分配を確保し、世界的な最低税率を設定するため、国際的な税制改革(一般にBEPS2.0パッケージと呼ばれる)のフレームワークを発表した。世界中(香港を含む)の合計130の税管轄区域が、当該提案の承認を表明している。

財務司司長のポール・チャン(Paul CHAN/陳茂波)氏は、「香港は国際的な金融及び貿易センターとして、税務の透明性の向上と脱税行為との闘いにおいて、全面的に国際社会を支援し、これに対応する措置を採用してきた。私たちは、BEPS2.0パッケージの主要な原則に関して、国際社会の大部分が合意したことを歓迎する」と述べた。

チャン氏はまた、「香港の中小企業はBEPS2.0パッケージの影響を受けないだろう。このパッケージの対象となる大規模な事業を行っている多国籍企業に関し、香港政府は、香港のシンプルで透明性のある低税率の税制を維持し、企業によるコンプライアンス遵守負担を最小限に抑えられるよう、努めていく」と強調した。

BEPS2.0パッケージは、2つの柱で構成されている。第1の柱は、全世界の売上高が200億ユーロを超え、かつ収益率が10%を超える、大規模な事業を行っているMNEグループ(デジタル企業を含む)を対象とし、それら関連企業が活動する市場が該当する税管轄区域に、それら関連企業の利益のうち、特定の料率において課税権が割当てられる。第2の柱は、世界共通の最低法人税率であり、世界中の売上高合計が7億5,000万ユーロを超える大規模な事業を行っているMNEグループを対象としている。MNEグループの所在する税管轄区域の実効税率が、世界共通の最低法人税率(少なくとも15%)を下回っている場合、その親会社または子会社は、所在する税管轄区域で、その差額を追加税として納付する必要がある。OECDは、今年10月までにBEPS 2.0パッケージの技術的論点詳細を詰め、2023年に当該パッケージを実施することを目指している。

香港政府は、対策を考案するため、2020年6月に諮問委員会を設置し、BEPS 2.0パッケージが香港のビジネス環境の競争力に影響を与える可能性を検討し、その対策について提案した。財務司司長は、今年2月の発表された2021-22予算で香港政府の対策の方向性を示し、香港は国際的なコンセンサスに従ってBEPS 2.0パッケージを積極的に実施、同時に、香港の税制における簡潔性、確実性及び公平性に関して主要な利点を維持し、影響を受ける企業のコンプライアンス遵守負担を最小限に抑え、香港のビジネス環境及び競争力を継続的に改善することに努めていく。

BEPS 2.0の諮問委員会は、OECDがBEPS 2.0パッケージの技術的論点詳細を最終決定した後、可能な限り迅速に香港政府に報告書を提出する予定である。香港政府は、報告書の推奨事項を注意深く検討し、関連する立法手続きを進めるべく、具体的な対策について利害関係者と討議することとなっている。

原文:SARG welcomes consensus largely reached on BEPS 2.0 framework、2021年7月2日更新

香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)は、2020/21年度の査定年度における納税通知書の発行を開始している。財政的困難が故に、納期限通りに納税ができない納税者は、納税通知書に記載の納付期限までに、分割納付による納税を申請することが可能である。2021年5月から2022年5月の間に発行される、2020/21年度の査定年度における給与所得税、(法人・個人事業)利得税並びにパーソナル・アセスメントにおける納税通知書に対する分割納付に関して、IRDによる承認を得ている納税者は、当該分割納付計画が適切に遵守されている場合に、各々の納税通知書に記載されている納期限から最長1年間、追徴課税(附帯税)が免除される。さらに、IRDは、2018/19年度及び2019/20年度の査定年度における納税通知書の分割納付に対する追徴課税(附帯税)を免除するとした、前年度の経済的困難への支援策について、下図の通り適用範囲を延長する。

査定年度 納税通知書発行日
2018/19年度 2019年12月から2022年5月まで
2019/20年度 2020年8月から2022年5月まで

分割納付を申請する必要がある納税者は、申請書を作成の上、提出が求められている情報及び資料と合わせて、IRDへ提出して頂きたい。関連する詳細情報は、IRDのウェブサイト上に記載されている。

更なる情報や資料については、お問い合わせホットライン187 8033まで。

上記の救済措置は、香港からの転出を目的として出発する前のタックスクリアランスをしなければならない納税者、並びに資産所得税を納付する納税者には適用されない。

原文:Inland Revenue Department waives surcharges for payment of tax by instalments for businesses and individuals in need、2021年6月18日更新

申請対象者

財政的困難が故に、納期限通りに納税ができない納税者は、納税通知書に記載の納期限までに、分割納付による納税を税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)に申請することが可能である。

税務条例上、納期限後の未納付の税額に対して5%を超えない追徴課税が課される場合があり、納期限から6ヶ月間後は、10%を超えない追徴課税(元々の税額及び既に課されている5%の追徴課税を含めた金額が対象)が課される可能性がある。

昨今の経済後退及び一部の納税者(個人及び企業を含む)が直面している財政的困難を勘案し、香港政府は2021年6月18日、納税に関する救済措置を公布した。2021年5月から2022年5月の間に発行される2020/21年度の査定年度の給与所得税、(法人・個人事業)利得税並びにパーソナル・アセスメントにおける納税通知書に対する納付に際し、経済的困難に陥っている納税者は、IRDによって承認された分割納付計画に従い、当該分割納付計画が適切に遵守されている場合に、各々の納税通知書に記載されている納期限から最長1年間、追徴課税が免除される。

納税通知書の1回目の分割納付において請求されている税額が、当該納期限もしくはそれ以前に納付されており、2回目の分割納付に対してのみ、上述の分割納付計画が承認付与されている場合、追徴課税の免除期間は、当該2回目の分割納付期限から、1年間がカウントされる。

承認された分割納付計画に従って納付が実施されない場合、当該分割納付の取決めは取消され、未納付額に対し5%を超えない追徴課税が課されることとなる。未納付の税額と5%の追徴課税が課された日から6ヶ月後に、これらの未納付額が残っている場合、当該未納付額に対し、10%を超えない追徴課税が課される可能性がある。

上記の救済措置は、香港からの転出を目的として出発する前のタックスクリアランスをしなければならない納税者、並びに資産所得税を納付する納税者には適用されない。

申請方法

納税者は次の方法で申請可能

各種申請書に記入し提出

個人/個人事業主

フォームIR1360(2020/21査定年度)をダウンロード

パートナーシップ

フォームIR1360A(2020/21査定年度)をダウンロード

法人

フォームIR1360B(2020/21査定年度)をダウンロード

6/F(個人の場合)または7/F(法人、パートナーシップ及び香港を離れる場合)の徴税執行課で直接

住所並びに営業時間

書面にて提出

申請者は、申請書とは別に以下の補足情報及び文書を提出する必要がある:

申請者 個人/個人事業主 パートナーシップ 法人
申請書 フォーム IR1360(2020/21 査定年度) フォーム IR1360A(2020/21 査定年度) フォーム IR1360B(2020/21 査定年度)
要求される補足情報/文書
具体的な分割納付の提案
直近3ヶ月間の銀行明細/通帳の写し
直近3ヶ月間の収入/支出の詳細情報 -
債務返済状況の詳細資料
直近3ヶ月間の財務諸表(損益計算書及び貸借対照表含) -
キャッシュフロー計算書及び資金繰り予算案 - -

申請処理を進める上で、別段の詳細情報取得の遅れを避けるために、申請者は、申請時に日中の連絡先電話番号を税務局に提供する必要がある。

2020/21年度の査定年度における納税通知書の分割納付に対する追徴課税の条件付き免除の救済措置に関するよくある質問

IRDが提供する施設

IRDは、納税者が分割納付を申請するのを支援するために、以下を提供する。

  • お問い合わせホットライン187 8033
  • 申請用の指定FAX回線 2519 6757(個人/個人事業主)並びに2845 8850(パートナーシップ/法人)
  • 郵送による申請用の指定郵便箱(香港告士打道郵便局私書箱28497)

IRDは、申請受理後21営業日以内に申請者に返信することを約束する。

原文:Relief Measure: Conditional waiver of surcharges for instalment settlement of demand notes for the Year of Assessment 2020/21、2021年6月18日更新

Nice Cheer Investment Limited対CIRの案件に関して、終審法院(最高裁判所)による判決を受け、税務局は、暫定的な行政措置として、公正価値基準で課税所得が算出されている2013/14年度から2017/18年度までの税務申告書を受理することに同意した。

2019年税務(改正)(第2号)条例に基づき、基準期間が2018年1月1日以降に開始する査定年度に関連して、税務条例の第18G条から第18L条が各々適用されるように制定された。当該規定により、納税者は、香港財務報告基準第9号(金融商品)もしくは国際財務報告基準第9号(金融商品)、または同等の基準に従って作成された財務諸表を使用して、金融商品の会計処理と整合性が取れている、利得税計算を目的とした取扱いを選択することが可能である(ただし、特定の状況下では調整の対象となる)。

金融商品を公正価値基準で会計処理し、2018年1月1日以降に開始する基準期間を採用する納税者、もしくは上述の特定の財務報告基準の適用が、一時的に免除されている納税者(保険会社等)に対して、税務局は、当該暫定措置を、2018/19年度、2019/20年度並びに2020/21年度の税務申告書にまで延長適用する準備を整えている。これは、公正価値基準で課税所得が計算されている2018/19年度から2020/21年度までの税務申告書を、税務局が受理することに同意するものである。同様に、納税者が以降実現基準を採用する場合であっても、税務局は、2018/19年度から2020/21年度までの課税所得を公正価値基準で再計算することを受入れることが可能としている。しかしながら、再計算を希望する場合、納税者は、税務条例第60条もしくは第70A条に規定されている法定期限内に申請する必要がある。

原文:Profits Tax Return – Fair Value Accounting、2021年3月8日更新

毎年恒例行事のおさらいですが、今月は丁度旬のトピックである給与所得税の申告と計算について解説します。4月に入ると、香港税務局(IRD, Inland Revenue Department)から給与所得税(Salaries Tax)に係る申告フォームが雇用主宛に発行され、その後、個人宛にも別途申告フォームが発行されます。各フォームとも申告期限があり、提出を怠ると罰則(通常は罰金のみ、悪質な場合は禁固刑の規定も存在)の対象になる可能性があります。本稿では、申告から納付までの流れと税額の基本的な計算方法を解説します。

1. 雇用主支払報酬申告書(Employers’ Return, Form B.I.R.56A & I.R.56B)

毎年4月初旬に香港税務局より雇用主(会社)宛に雇用主支払報酬申告書が発行されるので、雇用主はそれに税年度期間(前年度4月~今年度3月)内に支給した給与手当を、従業員各個人別に記載し、発行日から1ヶ月以内に香港税務局に提出する必要があります。

2. 個人所得税申告書(Tax Return – Individuals, Form B.I.R.60)

毎年5月に入ると(2019/20年度は、香港における民主化デモ並びにCOVID-19による政府機関の業務への影響もあり、6月1日に発行されましたが、2020/21年度は通常通り)、個人宛に香港税務局から個人所得税申告書が届けられるので、会社から受領した給与支給状況表の写し(Form I.R.56Bの副本)を基に、給与賃金、休暇手当、コミッション、賞与、教育費、本国支給給与手当および会社負担の家賃・税金等を記入して、発行日から1ヶ月以内に香港税務局に提出する必要があります。なお、ここでは雇用主からの給与所得手当に限らず、その他の事業収入等も含みますのでご留意ください。

3. 確定税額通知書(Assessment Demanding Final Tax & Notice for Payment of Provisional Tax, Form I.R.C.6401)

その数ヶ月後(大体8月~11月頃)、香港税務局は、上述した雇用主支払報酬申告書と個人所得税申告書を基に給与所得税を算出し、計算結果と共に確定税額通知書を各個人宛に送付します。この通知書では、翌年度分の税金も前年実績を基準に算定されています(予定納税制度)。特に香港勤務初年度においては、最初の2ヶ年分をまとめて納税する必要がある可能性(雇用開始通知書(Form I.R.56E)を提出し、かつ予定個人所得税申告書(Form B.I.R.60C)が発行される場合は、先に初年度分の予定納税が必要となります)にご留意ください。また、実際の納税期限は確定税額通知書上に明記されていますが、通常、申告書を提出した該当年度分全額と翌年度予定納税分の75%が翌年1月、残りの25%が翌年4月に支払われることとされています(2018/19年度に限り、香港における民主化デモ並びにCOVID-19による政府機関の業務への影響もあり、2020年5~6月頃まで納付期限が延長され、2020年4月8日付でさらに3ヶ月間延長されたため、最長で同年8~9月頃となっていましたが、2019/20年度以降は通常通り)。

4. 出向されている方が注意すべき点

各申告書にはいろいろな記入欄がありますが、特に次の項目は税額にかなり影響しますのでご注意ください(また、昨今香港駐在員のまま日本へ一時帰国され、双方で納税義務が発生しているケースが多く見受けられるため、二重課税防止対策も重要です)。

  • 住宅手当分を給与に含めて支給しますと、そのまま給与総額の一部となって課税されますが、会社が住宅を社宅として無償貸与または実費清算する場合には、現物支給扱いで給与総額の10%相当額(ホテルの場合は4%または8%相当額、ただしサービスアパートは社宅扱いとなります)のみが加算されることとなり、通常香港にて支払う賃貸相場を考慮すると有利となる可能性が高くなります。
  • 会社が個人所得税を負担する場合、その負担分は手当扱いとなり課税対象となります。
  • 親会社から出向されているケースで、香港での役務提供の対価としての日本支払いの給与諸手当(留守宅手当等)や出張日当がある場合には、香港に源泉があるとみなされますので、香港にて課税対象となります。
  • 会社が負担するお子様の教育費については、本来親が負担すべきものとみなされますので、香港にて課税対象となります。
  • 会社が駐在員の一時帰国のための福利厚生として支払う旅費交通費もまた、出張旅費交通費とは区分して、課税所得に含める必要があります。
  • 給与所得に加え、不動産を所有し、賃貸収入がある場合には不動産所得、香港にて個人事業収入がある場合は事業所得を記入する必要があります。
  • 不動産所得・給与所得・事業所得を合計し、総合課税を受けることができるパーソナルアセスメントという方法があり、これを適用することで給与所得のみに認められる控除や事業所得の繰越損通算を適用することができ、所得のパターンによっては有利となりますが、給与所得のみの場合、通常メリットはありません。
  • 香港における適格繰延年金保険制度や適格任意MPF制度に加入しておれば、一定の負担控除を享受できます。
  • 近年給与報酬体系の多様化もあり、雇用主(日本本社を含む)からストックオプションやストックアワード(RSU, Restricted Stock Unit)が付与されるケースも見受けられますが、従業員の方々が、雇用契約上の役務の対価としてそれらを受取る場合、単純にキャピタルゲイン非課税とはならないため、注意が必要です。

表1 従来の17/18年度と現行の20/21年度に基づく税率と累進幅

17/18年度課税所得(香港ドル) (従来) 18/19年度以降課税所得(香港ドル)
(20/21年度含現行)
0 ~ 45,000 2.00% 0 ~ 50,000 2.00%
45,001 ~ 90,000 7.00% 50,001 ~ 100,000 6.00%
90,001 ~ 135,000 12.00% 100,001 ~ 150,000 10.00%
- - 150,001 ~ 200,000 14.00%
135,000超 17.00% 200,000超 17.00%

表2 所得控除項目一覧

人的所得控除項目(香港ドル) 17/18年度
(以前)
18/19年度以降
(20/21年度含現行)
基礎控除 - -
 未婚者 132,000 132,000
 既婚者 264,000 264,000
子女控除 - -
 第一子から第九子まで 各100,000 各120,000
 (誕生年度の場合) 200,000 240,000
扶養父母・祖父母控除 - -
 納税者と同居/別居(60歳以上) 各92,000/各46,000 各100,000/各50,000
 納税者と同居/別居(55歳~59歳) 各46,000/各23,000 各50,000/各25,000
扶養兄弟姉妹控除 各37,500 各37,500
寡婦(夫)控除 132,000 132,000
障害者扶養控除 75,000 75,000
自己障害者控除 75,000
業務上必要な自己学習費用控除(限度額) 100,000 100,000
住宅借入金控除(限度額) 100,000 100,000
MPF自己負担分控除(限度額) 18,000 18,000
介護老人福祉施設控除(限度額) 92,000 100,000
適格医療保険制度任意負担控除額(限度額)
※19/20年度に追加された控除項目
8,000
繰延(据置)年金MPF任意負担控除(限度額)
※19/20年度に追加された控除項目
60,000

表3 パーソナル・アセスメント計算例(独身でMPFその他控除無考慮)

20/21年度事業損失が100,000、給与所得が546,710あった場合(香港ドル)

適用時 不適用時
給与所得 546,710 546,710
事業所得(損失) -100,000 0
減算:基礎控除 -132,000 -132,000
課税所得(MPFその他控除無考慮) 314,710 414,710
所得税額 35,500 52,500
特別税額控除 -10,000 -10,000
確定税額(予定納税無考慮) 25,500 42,500
繰越利益(損失) 0 -100,000

5. 税額の算定方法と控除項目

給与所得税の税額は、次のいずれかで計算した結果の少ない方となります。

  1. 2020/21年度の標準税率15%(2019/20年度15%)を乗じた金額;または
  2. 課税対象所得から人的控除額等を控除した額に、2~17%までの累進税率を乗じた金額

このほか、寄付金控除(所得額の35%が限度額)等があります。

6. 2020/21年度の特別控除

2019/20年度でもあったいわゆる「1回限りの特別控除」が2020/21年度でも実施されることが見込まれています。2020/21年度の最終給与所得税額に対し、上限を1万香港ドルとして100%の控除を享受できることとなります。したがって、例えばある独身の方の2020/21年度の最終給与所得税額が2万5千香港ドルだとすると、上限である1万香港ドルが控除され、1万5千香港ドルが2020/21年度確定給与所得税額となります。また、翌年度の納税に反映されるかどうかは来年度審議されますので、上記の例を用いての最終納税額は、前年度予定納税及び基礎控除以外の人的控除を考慮しないこと、並びに現行の累進税率及び累進幅を前提として、1万5千(2020/21年度確定税額)+2万5千(2021/22年度予定税額)=4万香港ドル(計算式は割愛)となります。

以上、香港での申告納税フローについて解説しましたが、世界で蔓延しているCOVID-19による影響が長期化、香港は世界経済に貢献できるインフラを有し、他国のそれと比較しても引けを取らない様々な支援策(別段の予算案他参照)を打ち出しているものの、やはり世界中からの投資や取引によって成り立っており、特定の業種におけるダメージは計り知れないため、COVID-19の終息、1日でも早い経済活動の復活を心より祈念しています。