中国 人事労務

中国・広東省の出産・育児休暇の関連政策について

中国政府が今年「3人っ子政策」の実施を発布したことに伴い、各地政府より人口と計画生育条例が修正され発布されています。《広東省 人口と計画生育条例》も12月1日付で2016年以来の修正発布が行われ同日施行されました。

主な修正内容として、国の修正に伴う「3人っ子政策」の実施及び計画生育に符合しない出産に対し徴収されていた“抚养费”という事実上の罰金措置の取消と関連処罰規定の廃止のほか、子供が満3歳になるまでの育児休暇の取得、また、60歳以上の広東省戸籍の親を持つ一人っ子への介護休暇の付与が新たに規定されています。育児休暇日数の計算方法等細かい内容については細則の発布が待たれます。また広東省以外の地域との運用の違いもあり注意が必要です。以下に広東省条例の修正ポイントを列記します。

生育政策の調整

  • 夫婦が3人の子供を出産し育てることができる。(第18条第1項)
  • 再婚夫婦も3人の子供を出産し育てることができる。(第18条第2項)
  • 障害や死亡等の特殊な状況がある場合もう1人出産することができる。(第19条)
  • 1人っ子政策時代の家庭への便宜として、広東省戸籍の両親が満60歳に達した場合、その子供に毎年5日間の介護休暇を与え、入院治療する場合には年間累計15日を超えない介護休暇を与える。(第36条)

生育支援措置

  • 法律規定に沿って子女を出産し育てる夫婦について、女性は80日の奨励休暇、男性は15日の看護休暇を享受し、規定の期間内は通常通り給与を支給し、福利待遇と皆勤評価に影響しない。(第30条第1項)
  • 法律規定に沿って子女を出産し育てる場合、子女が満3歳になるまで父母は毎年10日間の育児休暇を享受する。休暇期間の労務原価分担は国と省の関連規定に基づき執行する。(第30条第2項)
  • 各レベル人民政府は財政・税収・保険・教育・住宅・就業等で支援措置を採り、生育・養育・教育負担を軽減する。(第32条)

広東省の生育政策に基づく休暇規定一覧

休暇 日数 法律依拠
産休 流産: 15・30・45・75日 女性従業員労働保護特別規定、広東省従業員生育保険条例広東省人口と計画生育条例(2016年修正)
98日+奨励80日
難産:30日
授乳時間 1時間日(1歳まで) 女性従業員労働保護特別規定
配偶者看護休暇 15日 広東省人口と計画生育条例(2016年修正)
育児休暇 3歳未満 10日/年 広東省人口と計画生育条例(2021年修正)
介護休暇 1人っ子両親60歳以上:5日/年、入院時:累計15日以下/年 広東省人口と計画生育条例(2021年修正)