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中国・粤港澳大湾区 越境理財通業務試行について

大湾区における資本業務の展開

中国の外貨管理は資本項目と経常項目に分かれており、特に資本項目は入送金いずれも厳しく管理されていますが、大陸と香港の間では、2014年に“沪港通”2016年に“深港通”という相互の株式投資枠組み等を初め、企業及び住民相互の金融業務融合が図られてきており、国際金融センターとして、及び最大のオフショア人民元取引センターとしての香港の金融機能を大陸の金融業務と融合させ、相互発展に活用しようとする政策の意図が伺えます。

今回、2021年9月10日付で《粤港澳大湾区 ” 越境理財通業務”試行実施細則》が発布され、内地大湾区9都市の住民個人と、香港マカオ住民個人が、もう一方の金融機構を通じて金融商品の購入ができる枠組みについて紹介します。発布より30日後に施行とされています。

“北向通”と、“南向通”

香港マカオ住民の大陸金融投資は”北向通”、逆に対履行住民の香港マカオ金融投資は”南向通”です。

北向通

香港マカオの投資者条件として、香港マカオ金融管理部門の規定する関連要求を満たし、投資者資格は香港マカオ金融機構より審査するとされています。投資は人民元決済とし、総額1500億人民元、個人投資枠を100万人民元とする。手続手順として、香港マカオ住民が、大湾区内地銀行に投資口座を開設し、当該銀行の一定範囲の理財商品を購入。

南向通

投資者個人は、民事行為を完全に行える能力を有し、大湾区内地9都市に戸籍があるか若しくは連続5年以上社会保険か個人所得税の納付実績があり、2年以上投資経歴があり、直近3か月の家庭金融純資産月末残高が100万元以上、若しくは直近3か月の家庭金融資産月末残高が200万元以上であるという条件を満たす。

投資は人民元決済とし、総額1500億元、個人投資枠を100万人民元とする。

手続手順としては、内地住民が香港マカオの銀行に投資口座を開設し、当該銀行の一定範囲の理財商品を購入。

この他、9月24日付で大陸投資家が香港の債券市場の国債や社債等を売買できるようになるということが、香港金融管理局のHPでもニュースリリースされています。2017年に“債券通”の“北向通”は既に開始されており今回は“南向通”が開通したということになります。