中国

深センの外資誘致と通関政策

10月14日は、習近平氏が深センの経済特区40周年を祝う式典でスピーチしたニュースが各メディアで報道されていました。深セン経済の柱である製造輸出とイノベーションも、新型コロナと米中貿易摩擦の打撃により先行き不透明な中、深セン市は外資誘致と通関優遇措置を重要政策として掲げています。

深セン市2020年外資安定、発展促進の若干措置

深セン市人民政府、2020年7月13日発布、有効期限2020年12月31日まで。

外商投資企業のコロナ対策サポート

商務部門が中心となり、外商投資企業との連絡網を構築し、再稼働時の困難や問題の解決に協力すること。

外商投資企業の国民待遇を実行、開放を拡大

  • 参入前国民待遇・ネガティブリスト制度や金融等のサービス業種の開放拡大を厳格に実行する。
  • 外商投資奨励類産業をさらに支援し、製造業の高品質発展にフォーカスし、《奨励外商投資産業目録》対象企業への優遇税制等を通じてコロナ影響を低減する。外資が先進製造業、新興産業、ハイテク、省エネ・環境等の重点発展領域に投資するよう誘導する。
  • 政府調達への公平な参画を促す。各区・各部門からの政府調達情報発信時に、ベンダーの条件・入札評定基準に企業の所有形式、組織形式、資本構成、投資者国別等で制限してはならない。
  • 自貿区のサービス業開放を促進する。CEPA合作を深化させ、香港マカオ企業による電信・保険、証券、科学研究及び技術サービス、文化、教育、医療等の重点領域の開放措置を実行する。

外商投資企業の経営安定化に向けた政策

  • 財政支援。市・区の優遇政策を内外資平等に適用する。年間実際使用外資(対外借入を含まない)の企業設立・増資(不動産・金融等業種は別途優遇政策に基づく)に対し以下の奨励を与える。500-1000万米ドルに対し100万人民元、1000万-2000万米ドルに対し200万人民元、2000万米ドル以上に対し250万人民元。
  • 年間実際使用外資5000万米ドル超の外商投資企業新規設立及び3000万米ドル超の増資で、省の奨励を獲得する場合、1:1の比率で市より奨励を与え、最高1億元とする。

    多国籍企業の地区本部政策を発布し、多国籍企業が深センで研究開発、販売、貿易、決済、データ等の機能を構築する地区本部を設置する場合、支援を与える。これらの奨励は一年度以内に重複して享受できないものとする。各区が省・市の奨励政策に基づき政策発布するよう激励する。

  • 企業の土地・建物使用に対し安定的に供給する。世界500強企業の土地使用要望に対して関連政策に基づき用地を供給する。工場やイノベーション型産業用途などの分類別に賃貸期間と賃料の安定化を促進する。各種不動産家主の外商投資企業に対する賃貸料減免を激励する。
  • 企業のサプライチェーン、資金繰りを保障する。外商投資加工貿易企業の無担保無利息借款提供を金融機構と協議調整する。
  • 外商投資加工貿易企業の発展を支援する。拡大再稼働、新技術・新工程・新設備・新材料・新モデルの運用を支援し、既存設備・工程・生産サービスの改造・アップグレードを支援する。加工貿易企業の保税材料の国内販売について、年内は滞納金の納付を不要とする。
  • 労務規定制限を緩和し雇用の維持を促進する。コロナ影響が多大で、製造計画が不安定な外商投資企業が、法に基づき不定時労働制と総合労働時間計算制を申請して労働時間と休暇日数を調整し、シフト勤務やフレックス勤務制等で柔軟に勤務時間を手配し、雇用を維持・安定させることを支援する。

登記・認可手続き制度の緩和・簡素化

  • 《外商投資法》と実施条例を厳格に実行し、工商登記・税務登記・外貨管理・税関等の登記・変更手続き時、商務部門の認可或いは備案文書の提出を不要とする。外商投資の一層の自由化・便利化を向上させる。
  • 外商投資情報報告制度を実行する。
  • 外商投資環境を持続的に改善することを保障する。《深セン経済特区外商投資促進と保護条例》立法業務を進める。
  • 外商投資企業の合法権益を保障し、外商投資企業からの意見・クレーム提出制度を構築する。
  • 知的財産権保護の制度を改善構築し、審査の加速、権利保護を強化し、インターネット、Eコマースの知的財産権保護の規則を規範化する。
  • 外商投資サービスプラットフォームを構築し、外資誘致を強化する。

深セン税関による貿易・外資安定化三十条の措置発布についての通知

深セン税関、2020年9月30日発布
深セン税関の取り組み内容30項目は以下の通りです。
1. 中-欧列車業務の強化
2.国際物流サプライチェーンの安定化
3.集積回路産業の保税監督管理優遇
4.加工貿易企業の国内販売を支援
5.重大プロジェクトとハイテク企業の輸入設備・材料監督管理優遇
6.食料輸入安定化
7.技術性貿易措置への対応
8.通関制度改革の実施
9.海運輸入貨物の直接荷揚げと輸出貨物の直接荷積み手続き促進
10. 滞納金減免
11.輸出入検査の簡素化
12.加工貿易企業担保管理の免除
13.通関港行政手数料の低減
14.異常状況の処理加速
15.研究開発物資輸出入手続きプラットフォームの構築
16.Eコマース商品通関便利化
17.宝石等の保税監督管理改革
18.免税品業界の経営多様化協力
19.知的財産権の水際保護
20.輸出入統計分析サービスの強化
21.サービス重大プロジェクト建設
22.妈湾スマート港建設
23.税関登録・備案手続きのペーパーレス化
24.AEOのカバー範囲を拡大し便利化措置を増加
25.深セン税関区企業規範管理モデル基地としてAEO高級認証基地スマート化を向上させ、企業の合法化・規範化によるコスト削減を強化
26.企業の同一事項は定期的にシステム開示・照合させ、手続き毎の提出要求を簡素化する。
27.高級認証の製造企業は信用管理に基づき、原則的に定期検査を実施しない。リモート面接・オンライン貨物検査・ペーパーレス提出 を活用する。
28.グループ企業間の加工貿易貨物の制限を緩和し、材料交換や外注加工の事前申請を不要とし、全工程外注申請時の保証金積立を免除する。(試行企業のみ対象)
29.行政規定違反案件の処理時間短縮
30.企業の問題解決ルートの開通