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中国・深セン市における粤港澳大湾区の個人所得税優遇政策について

粤港澳大湾区の人材誘致政策として一定条件を満たす優秀人材に対する個人所得税の還付政策があり、2019年には相次いで各市から通知が出ていましたが、今般ようやく深セン市の通知が発布されました。2019年度の個人所得税に対する申請から開始され、2023年12月31日まで施行されます。以下に内容を紹介します。

対象人材

国外ハイエンド人材と緊急不足人材。具体的には以下の通り。

  • 香港・マカオ永久居民、香港入境計画(優秀人材・専門人材・起業家対象)を取得した香港居民
  • 香港マカオに定住した内地居民(内地戸籍をすでに抹消した者)
  • すでに納税所得額が限度額に達した外国国籍者、国外の長期居住権を取得した帰国留学者と海外華僑で、深セン市の企業に雇用され法に基づき納税し、法律法規、科学研究の倫理と誠実信用を順守する者の内、以下の条件の一つに符合する者。
    1. 国家、省、市の重大人材工程入選者、広東省“人材優粤カード”取得者、外国人来華工作許可証(A類、B類)或いは外国ハイエンド人材確認書取得者、及び国家、省、市の認定するその他の国外ハイレベル人材。
    2. 国家、省或いは市レベルの重大イノベーションプラットフォームの科学研究メンバーと中級以上の管理人材。
    3. 高等教育機構、科学研究機構、医院等関連機構の科学研究技術メンバー、中級以上の管理人員或いは市級以上の重大縦方向課題を研究するメンバー、及び市級以上の重点学科、重点専門科等の先導者。
    4. 認定を経た本部企業、世界500強企業及びその分子機構とわが市のハイテク企業、大型基幹企業、上場企業及び育成企業、高成長性科学技術イノベーション型中小企業の中級以上の管理人員、科学研究メンバー、技術技能幹部と優秀青年人材。
    5. わが市の重点発展産業、重点領域にて就業創業した中級以上の管理人員、科学研究メンバー、技術技能幹部と優秀青年人材。

所得の範囲

『中華人民共和国個人所得税法』に基づく以下の所得が、優遇の範囲となります。

  1. 給与・賃金所得
  2. 労務報酬所得
  3. 原稿料
  4. 特許権使用料
  5. 経営所得
  6. 入選人材工程或は人材項目で獲得した補助金性質の所得

優遇の方法

上記対象人材が取得した上記範囲の所得について、内地と香港の個人所得税の税負担差額に対し補助を与えるとし、納税年度内に、納税者がすでに納税した税額から「試算税額」を控除した金額に対し補助金を申請する。「試算税額」とは、納税年度内の納税者の所得を香港の税法に基づき試算した時の税額を指すものとし、以下の①標準税率法 ②累進税率法 の2通りです。2019年度補助税額は①の標準税率法で試算、以降の年度はいずれかの試算方法を選択することができる。

標準税率法

試算税額=納税者の課税所得額 × 15%

累進税率法

納税者の元の収入(香港税法に規定する免税条件、雇用者の非現金形式或いは実費精算により獲得する福利を含まない)を、香港税法に基づき計算した納税額。

個人所得項目に基づき項目を分類(総合所得は総合計算)して計算し、合算補助計算を行う。

補助金原資は市区財政より市区の税享受比率に基づき負担し、各区(新区、深汕合作区を含む)、前海合作区は所属区のハイエンド人材と緊急不足人材個人所得税補助の申請受理、審査認可、支給業務を行う。申請者は本市のその他の個人所得税関連の人材優遇政策と重複して享受することはできない。

申請者の勤務条件

① 申請者は深セン市で勤務する者とし、且つ、以下の条件の一つに符合すること。

(1) 深セン市の雇用企業と労働契約を締結している。

(2) 申請者が国外雇用者より派遣されている場合、申請者の国外雇用者と深セン市の受入企業との間で派遣契約を締結している。

※上記(1)、(2)の条項で、申請者、雇用者が書面承諾書を提供する場合、関連の契約文書を提出不要とする。

②申請者の2019年における深セン市での勤務は累計満90日である

③申請者が勤務先企業を変更した場合、2019年の納税年度内に、申請企業条件に符合し且つ当該企業での勤務日数が満90日となる場合、当該企業より申請する。

申請者の資格条件

中国永久居留権、外国人来華工作許可証(A類、B類)を有する者は、外国人工作許可証と外国人工作類居留証書(或いは外国人永久居留身分証)に基づく。深セン市政府部門により発行されているものであり、提出不要。

銀行口座情報の提供

申請者本人は中国内地に開設した本人名義のⅠ類銀行決済口座(フル機能口座)の解説銀行、口座番号、口座名等の情報。アクティベイト済みの金融社保カードを受け取り口座にする場合、口座情報の提供は不要とする。

申請企業の条件

深センに登録した企業、機構。関連情報の提出は不要とする。

企業は広東省統一身分認証プラットフォームにて認証、企業アカウントを登録する。

申請手続き手順

個人申請

確定申告の結果に基づき、2020年8月1日から2020年8月31日の期間に申請システムにて補助金申請を提出する。書面承諾、且つ申告単位の審査を提出する。

企業申請

申請企業は申請者情報・資料を審査し書面説明、承諾作成後、2020年8月31日前までにシステムにて申請提出する。(個人役務申請者の場合、企業申請手順は不要とする)

窓口受理

受理機関は申請受領後5営業日以内に(不)受理決定を行い、資料不備は30日以内に再提出するものとする。

審査

受理機関は受理後120日以内に審査決定を行う。条項が複雑で審査を延長する場合、延長期限は30日を超えてはならない。

関連規定等

  • 深セン市人力資源と社会保障局 深セン市科技創新委員会 深セン市財政局 国家税務総局深セン市税務局 粤港澳大湾区個人所得税優遇政策の実施に関する通知(原文)
  • 深セン市人力資源と社会保障局 深セン市科技創新委員会 深セン市財政局 《深セン市国外ハイエンド人材と緊急不足人材2019年納税年度個人所得税財政補助申請ガイド》の印刷発布に関する通知(原文)
  • 《財政部 税務総局 粤港澳大湾区個人所得税優遇政策についての通知》(財税[2019]31号(原文)
  • 《粤港澳大湾区個人所得税優遇政策徹底実行についての通知》(粤財税[2019]2号)(原文)

※各地の運用状況が異なる場合があります。各所在地にて再度ご確認ください。