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中国・新型コロナウイルス感染影響下の輸出入業務関連措置

中国政府の新型コロナウイルス感染流行への対応は、1月23日の武漢封鎖からすでに3か月を経過した今も、日常生活や業務体制が大部分回復したとは言え、学校を含む公共施設も未だ閉鎖中、5月の連休を目の前に大型娯楽・観光施設も再開の声を聴いていません(4月24日時点)。その後の欧米や日本の感染拡大によって営業再開に努めていた中国が出鼻をくじかれたように各業種需要の先行き懸念が広がっている状況の中、国務院常務会議は4月7日、越境Eコマースの試験区の増設や加工貿易業への支援、さらには広州交易会のオンライン開催の決定等で、華南地域に多い加工貿易を含めた対外貿易を積極的に展開できるよう対策を進めることを発表しています。輸出入・通関業務関連で発布された具体的な措置について以下紹介します。

通関業務関連コストの減免、通関業務便利化

輸出還付率引き上げ調整リストの発布

陶器衛生器具等、1084項目の製品の輸出還付率を13%に引上げ、植物成長剤等の380項目製品の輸出還付率を9%に引き上げた。3月20日施行。原文 [4]に輸出還付率引き上げ製品リストが掲載されている。

加工貿易業務への措置

4月15日から12月31日までの間、加工貿易貨物(保税の材料・製品・不良品・副製品・被災貨物等)の国内販売に対し、暫定的に延滞利子の徴収を停止する。従来、保税品の国内販売の申告時にかかる関税増値税は、元の輸入時点から申告日までの延滞利子が徴収されている。(税関総署公告2020年第55号 [5]

税関監督管理区域内で加工生産された製品を輸出せず国内市場に販売する際、製品に関税増値税をかけるのではなく、元の輸入材料に関税増値税を課税することができる政策を、2016年時点に一部税関監督管理区域にのみ試験的に導入していた(財関税[2016]40号 [6])が、4月15日より全ての総合保税区に展開する。製品にかかっていた関税が材料のみに課税されることとなり、国内市場販売時の関税コスト削減につながる。(財政部公告2020年第20号 [7]

医療用物資輸出通関時の手続き強化

医療用マスク・防護服・手袋・靴カバー・ゴーグル、赤外線体温計、呼吸機器、消毒剤等の医療用物資は、輸出時に商品検査検疫の対象とするとし、これ以前に、国内医療器械製品登録証書を有し、かつ輸出先国の品質標準を満たしているという承諾文書の提出のみを要求していた4月1日の措置(税関総署 国家薬品監督管理局公告2020年第5号 [8])からの強化措置を実施している。(4月10日発布、税関総署公告2020年53号 [9]