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香港財政司司長による企業並びに雇用を支援するための更なる措置の発表

香港の社会的及び経済的環境は、前例のない課題に直面しているため、財務司司長のポール・チャン(Paul CHAN/陳茂波)氏は、本日(12月4日)、企業並びに雇用を支援するための新たな措置を発表した。その詳細は次の通り:

(1) 2019年12月1日から2020年3月31日まで、非居住用不動産の上下水道料金の75%を免除し、一戸当たりの月額上限はそれぞれ20,000ドル及び12,500ドル(注1)とする。これにより、政府の収入は約3億4,000万ドル減少し、約25万戸が恩恵を受ける;

(2) 適格対象となる非居住用不動産の電力口座所有者に対し、個々の口座当たり月額5,000ドルで4ヶ月間、すなわち、合計20,000ドルを上限として、毎月請求される電気料金の75%を補助する、電気料金補助金を交付する。これには、約23億ドル必要で、受益者の数は約43万人となる;

(3) 2019-20年度第4四半期(つまり、2010年1月1日から3月31日まで)に、すべての非居住用不動産に対し、更なる地税優遇措置を提供する。地税を課される非居住用不動産への免除金額上限は、当該四半期において1,500ドルから5,000ドルに引上げられる。政府の収入はさらに約6億ドル減少し、約26万件の非居住用不動産が恩恵受けることとなる;

(4) 必要に応じて分割納付による納税を申請し、承認を得た納税者に対して、最大で1年間の未納税金に対する追徴を免除する。当該免除措置は2018/19年度の査定年度に適用され、利得税(法人・個人事業)、給与所得税並びにパーソナル・アセスメントの下での税額が対象となる;

(5) ターミナルオペレーターを通じて、クルーズライン及び既存テナントへの利用料と賃料の減額を提供し、香港におけるクルーズラインの継続的な発展並びに停泊やドッキングを支援し、関連するセクターの事業を促進するため、啓徳(カイタック)クルーズ港湾ターミナルのターミナルオペレーターから収集した売上賃料を使用する。当該措置は、2019年12月1日から6ヶ月間有効であり、合計で105件の船舶の寄港及び6社の既存テナントへの恩恵が期待される;

(6) 地場系廃棄物回収再生(リサイクル)産業に関しては、政府との協議後、リサイクル基金諮問委員会がリサイクル基金を通じて、リサイクル企業への一時的な賃料補助金制度を開始する。約1億ドルが注入され、約500軒の街角リサイクルショップ及び約400軒の屋外リサイクルサイトに恩恵をもたらす。詳細は、後日当該委員会によって別途発表される予定である;

(7) 證券先物監督委員会(the Securities and Futures Commission、以下「SFC」)は政府の要請に対応し、2020-21年度のすべてのライセンスを保有する個人及び仲介業者の年間ライセンス更新料を免除することを本日早く発表した。SFCの収益は、約1億1,750万ドル減少し、4万7千人以上のライセンスを保有する個人及び仲介業者が恩恵を受ける;

(8) 従業員再訓練委員会(Employees Retraining Board、以下「ERB」)は、政府から、「愛の特別付加価値計画」の立上げを依頼された。政府との積極的な協議の後、ERBは当該計画の最適化及び拡張を目指す。法改正を通じて研修生1名あたりの最大月額手当を、4,000ドルから5,800ドルに引上げることを検討し、特に、学生向けに業種及びコースの選択肢を多様化させ、特に人気の高い「職業技能」コースは、パートタイムでの時間調整を提供し、需要に応じて、多くのトレーニングサイトを増やす。当該措置には、約3億5,000万ドルの拠出が含まれる;そして、

(9) 「翼を広げ大海へ翔ける計画(the Youth Employment and Training Programme、以下「YETP」)」を強化し、若者が労働市場に参入するのを支援する。これには約1,430万ドルが関与し、毎年約600人の若者が恩恵を受けることができる。

 政府並びにSFCによる上述の措置には、合計で40億ドル以上の拠出が伴う。

 さらに、地政総署は、政府の土地短期借地権(the short-term tenancies、以下「STTs」)の大部分に対する措置と、コミュニティ用途及び商業施設向けに貸し出された地政総署の土地補助金の短期的及び暫定的免除のため、以下の追加支援策を導入する:

(i) 2019年10月1日から2020年12月31日まで、STTs/免除措置に基づいて、支払う家賃及び免除手数料を凍結する;並びに、

(ii) 他のポリシーの検討のために要求される、またはテナント自身によって行使される契約解除となる場合を除き、2019年10月1日から2020年12月31日まで、STTsの再入札を一時停止し、既存のテナントが既存の条件を維持できるようにする。

 農業自然保護管理署が運営する長沙湾卸売食品市場及び西部卸売食品市場の屋台、施設及び駐車場、並びに海事処が管理する公共貨物作業区(Public Cargo Working Areas、以下「PCWAs」)では、2020年1月1日から12月31日までの期間に家賃の見直しが実施された後、または「バースライセンス契約」に従って、月額家賃/月額料金を引上げる必要がある場合、その増額分は、次の見直し期間もしくは調整時まで免除される。

関連する政策局及び部門は、企業並びに一般市民が可能な限り早期に便益を得ることができるように、上記諸々の措置の実施について、全速力でフォローアップする。

2019年8月から10月の間に発表された、今年度の追加リソース(注2)を必要とする支援措置について、政府は関連する立法会(Legislative Council、以下「LegCo」)のパネルと協議し、11月29日に財務委員会に資金提案を提出した。税優遇措置の強化に関して、当該税優遇措置を実施するための法案は、2019年11月6日にLegCoによって可決され、2019年11月15日に官報で公示された。税務局は、当該減税を納税請求書において反映する。

注1:4ヶ月毎に請求される世帯の場合、上下水道料金の控除上限は、各々80,000ドル及び50,000ドルとなる。

注2:追加リソースの承認を必要とする対策の支援-

(i) 「ブランディング、国内市場の更新及び開拓のための特別基金(Dedicated Fund on Branding, Upgrading and Domestic Sales、以下「BUD基金」)」と「SME輸出販売マーケティング促進基金」をさらに最適化し、追加の資本注入を提供し、「中小企業融資担保計画(SME Financing Guarantee Scheme、以下「SFGC」)」の下で新しい90%の保証を伴う新しい融資制度を導入する;

(ii) 社会保障を受給している人々に向けて、総合社会保障援助(Comprehensive Social Security Assistance: CSSA)、高齢者手当、高齢者生活手当並びに障碍者手当の基給付金額の1ヶ月分に相当する追加給付を実施する。労働者家族手当及び個人申請単位の労働奨励通勤手当の受給者についても、同様の取決めが適用される予定である;

(iii) 2019/20学年度において、香港の幼稚園及び小中学校の生徒に、1人あたり2,500ドルの補助金を提供し、教育費を負担する保護者の経済的負担を軽減する;

(iv) 香港住宅公委員会及び香港住宅協会の公営賃貸アパートの低所得者のテナントに対して、1ヶ月分の家賃を支払う;そして、

(v) 各住宅の電力利用口座に対して、1回限りの2,000ドルの電気料金補助金を提供する。

原文 [1]、2019年12月4日更新)