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香港における仮想銀行の立上げが近づくにつれて何が期待されるか

基本サービスに係る手数料無料、高金利及びより良い現金割引(リベート)は、仮想貸し手による他の市場の顧客を獲得するのを助長した。

仮想銀行口座は、西ヨーロッパや米国のリテール顧客の約5%を占めている。

イギリス、日本及び中国本土などの国で展開されている仮想銀行業務は、これらの貸し手がこの第4四半期に事業を開始する予定である、香港における金融セクターの青写真を描くのに活用できる。

迅速な口座開設プロセス、基本サービスに係る手数料無料、高金利並びにより良いリベートにより、仮想貸し手は、従来の銀行から顧客を引離している。

「香港におけるデジタルバンキングの眺望は、仮想銀行が長年にわたり、着実に顧客基盤を構築しているイギリスなどの司法管轄区と同様の道をたどり得るだろう」、とKPMG中国のパートナーであるトム・ジェンキンス氏は述べている。

コンサルティング大手のマッキンゼーによると、仮想銀行は、西ヨーロッパと米国のすべてのリテール顧客の約5%を占め得るとしている。

イギリスでは、スターリング銀行、N26、リボリュート及びモンゾーなどの仮想銀行、別名「チャレンジャー」銀行が、携帯電話上ですべての銀行サービスを提供し、多くの出張を要するフリーランサーや自営業者向けに、当該サービスを調整している。

スターリングは支店を持たないが、顧客はイギリス全土の11,500に及ぶ郵便局支店から入金できる。そのマスターカードデビットカードは、海外にて無料で使用できる。

N26は、そのサービス開始からわずか4年で、24ものヨーロッパ市場に350万人の顧客を抱えている。5分間の口座開設手続サービスを提供し、そのクレジットカードを手数料なしで海外でも使用できる。

アント・ファイナンシャルの仮想銀行業務部門であるMYbankは、2015年6月に営業を開始し、2018年9月現在で合計1.2兆元(1,730億米ドル)を、中国本土の約900万の中小企業に貸出していた。アント・ファイナンシャルは、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの親会社であるアリババ・グループ・ホールディングの関連会社である。

中国江蘇省東部の景徳鎮出身のフォン・リーユアン氏は、自身のティーポット事業を拡大するため、2015年にMYbankから約30万元(43,000米ドル)を借りた。3年後、彼女の会社は順調に業績を上げ、さらに150人の従業員を雇用するに至っている。

日本では、特に若い顧客の間で、仮想銀行の人気が非常に高い。東京に住み事務職に従事する32歳のカガワ・ミホ氏は、次のように述べている。「セブン銀行、ソニー銀行、楽天銀行並びにイオン銀行は、24時間オンラインバンキングサービスを提供し、従来の貸し手と比べても、手数料を安く抑えている」。

「ATMやセブン-イレブンのようなコンビニエンスストアから現金を引出せるため、物理的な支店がなくても問題はない」、と彼女は言及した。セブン銀行は、セブン-イレブンの店舗その他含め、全国各地に25,000台のATMを展開している。

そして、仮想銀行のファンであるのは若者だけではない。ブリスベン出身の51歳、エリック・トン氏は、次のように述べている。「デジタル銀行は口座手数料がなく、支出に対して現金リベートを提供している。また、それらは普通預金口座に対する高い金利や、低金利のバニラローン商品を提供している」。

「すべてはオンラインで、最小限の人間との相互作用で行使可能で、個人的なやり取りは必要ないので、私にぴったりだ」、とトン氏は付加えた。

オーストラリアで最初の仮想銀行であるヴォルト銀行は、1月に銀行業務ライセンスを取得し、今年から営業を開始し、より高い金利が見込まれる普通預金口座を無料で提供する予定である。創業者で最高経営責任者であるスティーブ・ウェストン氏によると、同社のモバイルアプリは、財務目標を達成するためのヒントを顧客に提供する。

また、Voltアプリは、水道光熱の料金や電話プランを比較できるため、顧客による他のプロバイダーでのより良い取引を可能とする。

「お金の使い過ぎを防ぐために、お客様は、我々のアカウントを介して特定の販売業者をブロックすることもできる」、とウェストン氏は述べている。

原文 [1]、2019年8月3日更新)