香港

保険業監管局が香港におけるインシュアテックを推進すべく最初の仮想一般保険ライセンスをAvoへ付与

Avoは、代理店やブローカーを介さずに、商品をオンラインのみで販売する純粋なデジタル保険会社となる。

これらの仮想ライセンスは、香港でのインシュアテックの促進が狙いである。

2019年10月8日火曜日、保険業監管局は、香港の保険会社によるテクノロジーのより広範な利用を奨励するため、最初の仮想一般ライセンスを発給した。

受領者は、代理店やブローカーを介さずにコストを抑え、商品をオンラインで販売する純粋なデジタル企業であるアヴォ・インシュランスであった。

最近オンライン保険サービスは、アメリカ、ヨーロッパ並びに中国本土などの他の市場でも好調に推移している。保険業監管局の最高経営責任者であるクレメント・チョン・ワンゼン氏は、仮想ライセンスが香港の保険技術もしくはインシュアテック業界の育成に役立つと考えている。

「インシュアテックは、消費者並びに当業界の双方に対して、顧客体験の改善、包括性の強化、継続可能なフィンテックエコシステムの構築、コンプライアンス遵守による過度な負担の軽減及び監督効率の向上をもたらす機会を提供する」とチョン氏は述べている。

Avoは、香港に上場しているアジア・ファイナンシャル・グループ(亞洲金融集團)の損害保険部門であるアジア・インシュランス(亞洲保險)が持分51%を所有し、残りはヒルハウス・キャピタル(高瓴资本)の創設者で最高経営責任者であるチャン・レイ氏が所有している。600億米ドルの資産を管理するヒルハウスは、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)、バイドゥ(百度)、ディディ・チューシン(滴滴出行)及びメイチュアン・ディアンピン(美團點評)を含む、多くのテクノロジー関連大手企業への初期投資家として知られている。

「Avoは比較的若いブランドであり、ミレニアル世代や若い専門家にとってより魅力的であるが、アジア・インシュランスは確立されたブランドである。この2つの会社の市場におけるポジショニングは異なる」、Avo及びアジア・インシュランスの最高経営責任者であるウィニー・ウォン・チーシュン氏は述べている。

「上記の要因により、最も望ましい結果を達成するために、別の会社とブランドを設立する上で、確固たる理由が得られた」。

2018年12月、規制当局は最初の仮想生命保険ライセンスをボウタイ・インシュランス(保泰人壽)に与え、当社は、ジョン・ツァン・チュンワー元財務長官を上級顧問として迎え入れている。この4月から、医療及び傷害保険商品を販売している。

一般ライセンスにより、保険会社は、財産、旅行、火災並びに自動車保険を含む様々な商品の販売を許可される。

Avoは、AI(人工知能)やその他の新しいテクノロジーを駆使して、顧客にサービスを提供する予定で、例えば、より正確なリスクプロファイリングと価格設定を行うために、ビッグデータやディープラーニングを使用する。これにより、コスト削減を顧客に受渡すことができるとウォン氏は述べている。

ウォン氏によると、Avoは商品に関して、ライフスタイル、金融、健康関連の保障プランを提供する予定である。

アジア・インシュランスは、香港最大の損害保険会社の1つとして、1959年より運営されているが、ウォン氏は依然として、仮想保険ライセンスを申請する価値があると考えている。

「AvoのビジネスモデルはB2C [企業対顧客]であり、アジア・インシュランスはそのほとんどがB2B [企業間]である。Avoは顧客に商品を直接販売する。アジア・インシュランスが持つ直接顧客は5%未満であり、その事業のほとんどはブローカー及び代理店からのものである」、とウォン氏は述べている。

保険に加えて、香港金融管理局は、純粋にオンラインだけで運営し、物理的な支店を有しない貸し手8社に仮想銀行ライセンスを付与している。当該銀行8行は、今年第4四半期に営業を開始する。

原文、2019年10月9日更新)