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二層制の法人(個人事業)利得税制が今年4月1日から実施

2018年税務(改正)(第3号)条例(以下「当該改正条例」)が、本日(2017年3月29日)付で官報に掲載された。当該改正条例は、2017年度施政報告の中で宣言された二層制の法人(個人事業)利得税制度を設置するためのものである。

当該二層制の法人(個人事業)利得税制度は、2018年4月1日以降開始する如何なる会計年度に適用される。各企業の最初の2百万香港ドルまでの課税所得に対する適用税率が8.25%まで引き下げられ、続けて当該金額以上の課税所得については16.5%の税率が適用されることとなる。法人形態ではないパートナーシップや個人事業主は、これに呼応して7.5%及び15%の二層制が採用される。これにより、法人としては年間165,000香港ドル、法人形態ではない事業体としては年間150,000香港ドル各々税債務を抑えることが可能である。

また、当該法人(個人事業)利得税の税率二段階制は、その規模に関わらず、課税所得があり、資格のある企業すべてに恩恵をもたらす。なお、当該税優遇措置が中小企業を中心として恩恵を与えることを確実にすべく、各々の企業グループの関連企業のうち、指定された1社のみが当該税優遇措置を享受できるよう制限している。当該改正条例上、簡潔明瞭でかつ客観的に関連企業が定義されている(※ある企業がもう1つの企業を支配しているか、もしくは双方ともに同じ企業の下で支配されている、また個人事業の場合は同じ個人事業主が経営している個人事業が、関連企業に該当する。さらに当該支配権は、1つもしくは複数の企業を介して直接もしくは間接的に、株式、投票権、資本金や利益に対する権利、また信託の場合は、当該信託が保有する資本金や資産、を各々50%超保有していることを指す(当該改正条例上の関連条項より抜粋))。

政府スポークスマンは、「我々の目的は簡素な税制度と低税率を維持すると同時に、競争力のある課税システムを実施することによって、経済発展を促進することである。二層制の法人(個人事業)利得税制度を取り入れることにより、特に中小企業や開業したばかりの会社の税負担を軽減することができる。これにより、有利な事業環境を造り上げ、経済成長を刺激し、香港の国際競争力を増大することができる。納税企業のうち20%が関連企業と仮定し、当該法人(個人事業)利得税の税率二段階制を実施することにより、香港政府として毎年約58億ドルの税収の減少が見込まれ、これは2016/17年度の利得税収入総額の約4%に当たる」、と述べた。

原文 [1]、2018年3月29日更新)