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『広州市従業員社会医療保険料率の段階的引き下げに関する通知』の公布

広州市人力資源・社会保障局及び広州市財政局は、市人民政府の同意を経て、『広州市従業員社会医療保険料率の段階的引き下げに関する通知』(原文、以下『通知』と呼称)を2017年9月30日付で公布した。

1. 経緯と概要

『社会保険法』(原文、2011年7月1日施行)に基づき、企業は各従業員を医療保険に加入させ、企業と従業員がそれぞれ医療保険料を納付する必要がある(第23条)。医療保険待遇は、原則として指定病院(各従業員が選択、広州市では1つの基層医療機関と1つの規模の大きな医療機関の計2病院)でしか享受できないとされている。

『広州市社会医療保険弁法』(原文、2015年7月1日施行)では同市における従業員社会医療保険企業負担の保険料率は8%、従業員負担の保険料率は2%、納付基数は各従業員の個人所得税納付時における給与及び賞与の総額の月平均額と定められている(第34条、35条)。

『広州市従業員社会医療保険料率の段階的引き下げに関する通知(旧)』(原文、2016年10月1日施行)の公布により、2016年10月1日~2017年9月30日の期間、

  • 企業負担の保険料率8%→7%への引き下げ
  • “霊活就業者”*1、定年後延長して納付する者、失業者に関し、従業員負担社会医療保険料率の10%→9%への引き下げが実施された。

今回、本『通知』の公布により、今後一年間にわたりこの引き下げを継続することが決定された。期間は2017年10月1日~2018年12月31日となる。

*1 霊活就業者について、広州市においては現状明確な定義が公開されていない。『広州市都市霊活就業者基本医療保険試行弁法』(2011年9月1日試行、5年の有効期間を経て廃止)第二条によると、「霊活就業者」は

  • 企業において従業員基本医療保険に参加していない非全日制従業員及びその他霊活就業者
  • 就業年齢範囲の雇用者がいない個人事業主
  • 法定定年年齢に達したものの基本養老保険待遇納付年数に達しておらず、継続して納付する従業員

を指すとされていた。

2. 医療保険企業負担料率変更の流れ

時期 名称 URL 変更点
2011/1 広州市失業保険、都市従業員基本医療保険及び労災保険料率の段階的引き下げの終了に関する通告 原文 企業負担の保険料率8%→7%への引き下げを終了、8%に戻された
2016/10 広州市従業員社会医療保険料率の段階的引き下げに関する通知(旧) 原文 企業負担の保険料率8%→7%へ引き下げ
2017/10 広州市従業員社会医療保険料率の段階的引き下げに関する通知(本通知) 原文 企業負担の保険料率7%への引き下げを1年延長