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[中国労務]外国人就労許可新制度FAQ(深セン編)

 2016年10月より外国人就労許可の新制度が北京・天津・上海・広東を含む10の試行地で開始され、深センは2016年11月より、広州も2017年1月より、新規申請者を対象として新システムによる申請手続きが開始されています。2017年4月からは全国統一実施となり、広東省でも4月1日より延期申請者が新システムで申請開始となる予定です。
 今般の新制度発布には、就労許可の基準を全国統一する狙いもありますが、よく確認してみると、手続き手順や準備資料、条件基準にも各地で若干異なる部分があります。以下に、弊社が深セン市で取りまとめた、周辺でよくあるご質問について、深セン市人力資源と社会保障局の外国専家局の方針及び回答に基づきまとめた内容を紹介します。

1. 条件について

(1) Q.60歳を超える場合、申請できないのか?
A.従前の就労許可では、健康状況良好で会社から担保(承諾函)がある場合、60歳を超えても就労が認められる場合があった。
新制度において、年齢(18歳~60歳)と学歴(大卒学位)、勤務年数(2年以上)の制限について、確かに必要な場合、適宜に緩和するという条文があり、また、2016年11月23日に開催された日系企業との政策交流会での同様な質問に対し、人力資源と社会保障局の担当責任者は「健康診断書及び会社からの担保文書により60歳超の就労許可の可能性ある」旨を回答。

(2) Q.既存就労許可保有者が、延期申請時に新基準で却下されることがあるか?
A.深セン市外国専家局へのヒアリングでは、既存保有者は基本的に却下されることは無いと回答。

(3) Q.申請時、ABC分類は企業が自ら判断するのか?どのように判断されるのか?
A.申請提出時、企業より入力及び提供された情報と資料に基づき、まずは申請システムより判断される。

(4) Q.上海では、年収60万元以上、個人所得税の年間納税額が12万元以上の場合、A分類とされると聞いたが、深センでは年収基準による分類は無いか?
A.深セン市外国専家局へのヒアリングでは、目下のところ広東省には年収基準の条件は設けていないが、広東省統一基準を検討中と回答。

(5)Q.給与額の証明は具体的に納税証明以外には無いか。
A.新規申請者は(中国での納税実績が無いため)契約書に記載された給与額となる。記載の真実性に対し企業は責任を負わなければならない。

2. 手続き

(6) Q.システムで《外国人来華工作許可通知》を申請し、システム審査認可後、さらに窓口で資料を提出しなければならないか?
A. 全国規定では、システム申請後、窓口であらためて申請提出することになっているが、深センでは窓口にて資料提出は不要で、システム申請認可後、問題がなければ10営業日で認可され、直接許可通知をプリントアウトできる。

(7) Q. 職歴は全て記入しなければならないか?
A. 学士以上の学位があり、2年以上勤務経験がある場合、申請者は2年分の職歴証明が有ればよい。申請者が申請する予定の職務に関連する職務経歴を記載する必要があり、元の職場の押印或は署名が必要で、公証手続き済みのものを提出しなければならない。
申請者が2年以内に複数の勤務先があるならば、複数の証明書を取得する必要がある。
システムで入力する際、可能な限り詳細に職務経歴を入力したほうが良い。

(8)Q.延期は、有効期限の何日前から申請できるか。
A.外国人工作許可証の延期は、外国人の工作許可証有効期限の90日前を過ぎて申請可能となり、30日前までに申請しなければならない。30日前を過ぎた場合は“国内申請手続き”手順(職務に変動が無い転職者と同じ)に則り資料を揃えて申請しなければならず、職歴証明と健康診断書があらためて必要となる。

(9)Q.就労許可通知書を取得後、Zビザと居留許可の政策はこれまでと同じか。
A. 広東省全域において、工作許可通知を取得した外国人は、その後、日本の中国大使館等の在日公館に行かずとも、省内指定の到着税関でZビザを申請することが可能である。深センにおいては、羅湖、皇崗、飛行場、蛇口港で到着時或は入国後Zビザを申請できる。
また、既に連続して2階の就業類居留許可を申請した者は、違法記録が無く、納税記録が一定以上の企業である場合、3回目の申請時に複数年数の居留許可を申請することができる。

3. 資料

(10) Q.企業と外国人が締結する雇用契約書の様式は決まっているか。
A.雇用契約には、勤務場所、勤務内容、報酬、時間、職位とサイン頁が必要。雇用契約の開始日には特に要求は無いが、《外国人の中国における就業管理規定》には、企業は外国籍社員の就労許可取得後に初めて雇用しても良い旨規定されているため、契約開始日は工作許可通知を取得する前であってはならない。

(11) Q.外国語の資料は翻訳が必要か。企業が自ら翻訳してもよいか。
A.中国語以外の証明資料は全て中国語翻訳をつけなければならない。英文資料は企業が自ら翻訳可能、英文以外は、当市の翻訳専門機構より翻訳証明発行の上、企業が押印しなければならない。

4. その他

(12)Q.外国人の来華工作許可証の有効期間は?
A.ハイレベル人材(A類)は3-5年、外国専門人材(B類)は1-2年。但し、申請する有効期間は雇用契約の有効期間内でなければならない。この申請には別途資料の提出は不要。

(2017年2月作成)