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 現在中国で適用が可能な会計基準は3つありますが、小企業会計準則を適用する企業の規模が大きくなった場合には新準則を適用しなければなりません。また、「会計制度+旧準則」を適用している企業は、近い将来には新準則への変更が必要とされます。

1.小企業会計準則から新準則への変更


 小企業会計準則を適用している企業が以下に該当することになった場合、小企業会計準則を適用し続けることはできなくなり、その翌年の1月1日から新準則に基づいて会計処理を行わなければなりません。

・会社の規模が大きくなり、売上や従業員数、総資産額といった小型企業の基準に合致しなくなった。
・上場または社債を発行することになった。
・企業集団の傘下に入ることになった。
また、小型企業であっても「企業会計準則」を適用することは可能です。例えば、日本の親会社との連結決算による求めから、自ら新準則を選択適用することなどもよく見られるケースです。

2. 会計制度から新準則への変更


 今年2月に旧準則の具体準則などが失効・廃止となりましたが、現時点でも企業会計制度は有効です。今回失効した具体準則は会計制度の制定前のものであり、基本的には会計制度に包括されているものとみられますが、会計制度に想定されていない取引があるかもしれません。また、中国の財政部は新準則への移行を推奨していますので、早晩いずれは新基準を適用しなければなりません。

3. 会計基準の変更に伴う調整


 会計基準を変更するということは、企業の成績を示す財務諸表の作成基準が変わるということです。新基準を適用する会計年度から、新基準による資産負債表(貸借対照表)、利潤表(損益計算書)、現金流量表(キャッシュフロー計算書)、所有権益変動表(所有者持分変動表)及び附注(注記)を作成しなければなりません。よって、会計基準を変更した年には、その前の年度に作成した貸借対照表を新準則の規定に基づいて再作成し、期首の貸借対照表とする必要があります。また、子会社を有する場合には、連結財務諸表も作成が必要となります。
 新準則では第38号において、新基準の初年度適用(注1)に関する会計処理の規範を規定しています。新基準に基づく貸借対照表の作成にあたっては、過去に遡っての調整は以下の15項目に限って要求しており、その他の項目は、未来適用法(将来適用法)を採用して調整をします。具体的な調整の内容については、次回に紹介します。

<遡及適用が要求される項目>
1) 長期股権投資(長期持分投資)
2) 投資性房地産(投資不動産)
3) 固定資産の棄置費用(廃棄費用)
4) 職工報酬(従業員報酬)
5) 企業年金基金
6) 股フン支付(株式給付)(注2)
7) 預計負債(見積負債)
8) 逓延所得税資産、逓延所得税負債(繰延税金資産・繰延税金負債)
9) 企業合併(企業結合)
10) 金融資産
11) 金融負債
12) 衍生金融工具(デリバティブ)
13) 嵌入衍生金融工具(複合デリバティブ)
14) 套期保値(ヘッジ)
15) 再保険契約

(注1):新準則の初年度適用とは、企業が初めて企業会計準則(新準則)体系を適用することを指し、基本準則、具体準則及び会計準則応用指南を含むとしています。初年度適用後に生じる会計方針の変更は初年度適用とは異なります。
(注2):フンはニンベンに分 

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