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 主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回は営業外収支項目のうち営業外支出について紹介します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1.営業外支出

 営業外支出とは、企業の日常の生産経営活動と直接関係しない支出項目で、固定資産などの非流動資産の廃棄・売却による損失、非貨幣性資産の交換損失、債務再編損失、公益性寄付金支出、臨時損失、棚卸差損などが該当します。
 営業外支出も企業の利益から控除する支出ですが、経営目的を達成するために従事する経常的な活動およびそれに付随する活動で生じた通常の原価・費用とは区分されます。以前に説明した通り、「営業外支出」は日本の損益計算書における営業外費用ではなく、特別損失に該当するものです。企業会計準則第30号の規定上は、利潤表(損益計算書)の表示には「非流動資産処理損益」を単独で表示することが求められているのみですが、同30号の「応用指南」(注1)では、一般企業の損益計算書の形式として「営業外収入」と「営業外支出」を区分することを求めています。
(注1) 「企業会計準則-応用指南」とは、企業会計準則の運用にあたり、中華人民共和国財政部がその取り扱いや判断基準等を定めた指南書で2006年の制定以降、随時改定が実施されています。

2.営業外支出の会計処理

 営業外支出の主たるものの処理は以下の通りです。 営業外支出は支出項目ごとに明細科目を設定して使用します。
一. 非流動資産の処分による損失: 企業が有形固定資産または無形資産の売却により取得した全ての金額、または廃棄した固定資産のスクラップ価格あるいは時価価値からその固定資産の帳簿価格、処分費用その他の発生した関係費用を控除した純損失額。
二. 棚卸損失: 資産の実地棚卸を行った際に発見された差損で、原因調査において営業外支出に計上することを決定した金額。実地棚卸により発生した純損失は、発生時には「待処理財産損溢(未処理財産損益)」として処理し、管理権限機関の批准後に「営業外支出」に振替処理をします。
三. 罰金支出: 企業が税法違反や契約違反により支払う延滞金や各種の罰金。
四. 公益性寄付金(注2):企業が行った公益性の寄付金による支出。
五. 臨時損失:自然災害などの客観的原因により生じた損失。保険金の支払いを受ける場合には、保険金収入を控除したのちの純損失を計上する。
(注2) 公益性寄付金(中国語:公益性捐贈支出)とは、企業が公益性のある社会団体や県級以上の人民政府やその部門が行う法に定める公的事業に対する寄付をいいます。中国の行政区分上、県級は省級(省、自治区、直轄市)、地級(省都などの市)の次に位置します。
<例38 -1> 商標権(取得価額600万元、償却累計額240万元)を300万元で売却した。取引にかかる税金は考慮しない。
借:銀行存款(銀行預金)      3,000,000
  累計攤銷(減価償却累計額) 2,400,000
 営業外支出             600,000
 貸:無形資産                6,000,000
<例38-2>期末に実地棚卸を実施した。取引にかかる税金は考慮しない。
① A材料に50万元の毀損が生じていた。
借:待処理財産損溢(未処理財産損益) 500,000
 貸:原材料-A                     500,000
② 調査の結果、水害によるものと判明し、営業外支出として処理することが承認された。
借:営業外支出            500,000
 貸:待処理財産損溢(未処理財産損益)  500,000
<例38―3> 税金について延滞金3万円が発生し、納付した。
借: 営業外支出           30,000
 貸: 銀行存款(銀行預金)          30,000

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