中国 中国会計税務

[中国会計]  中国の国家統一会計制度(25)

主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを具体的に紹介します。今回は短期の未払いおよび預かり金債務のうち買掛金について紹介します。

1.「応付及預収款」(未払いおよび預かり金)

「未払いおよび預り金」とは、企業の日常の経営過程において形成される各種の短期債務をいい、その主たるものは、商品等を購入した場合に生じる「応付チョウ款(チョウは貝へんに長) (買掛金)」、その他経営活動において生じる「応付票据(支払手形)」、「応付職工薪酬(未払い従業員給与)」「応交税費(未払い税金)」、「応付股利(未払い配当金)」などの未払い項目、「預収チョウ款(前受金)」などの預り金項目が含まれます。

2.応付チョウ款(買掛金)の認識

「買掛金」とは、企業が、商品や材料その他の資産の購入、または役務の提供を受けるなどの経営活動により、相手方に支払うべき金額を計算する勘定科目であり、企業の仕入活動において、取得する物品と支払いが時間的に不一致である場合に生じるものです。買掛金については、相手先別に買掛金の発生状況と支払状況を管理するために、明細科目を設置することが求められています。
買掛金は、企業が購入した商品などの所有権を取得した時、または役務の提供を受けた時に認識するものとなります。通常は、商品の取得と発票(※注)の入手時期はほぼ一致しており、一般的には、購入した物品を検収して入庫した後、発票の記載金額をもって認識を行います。このようにすることで、数量不足や品質不良などが発覚した場合の調整を避けることができるという実務的な要請によるものです。
ただし、物品の取得と発票の入手に期間的なズレが生じることもあります。計算期末が到来した時点で、既に所有権の移転は確定しているものの、商品が未着である場合、または発票を入手していない場合には、買掛金を認識して計上しなければなりません。
(※注) 「発票」とは、売主が買主に発行する取引明細を記載した証憑で、中国の会計制度で物品購入や役務提供を証する有効証憑として規定されています。

3.買掛金の計算と記帳処理

買掛金は、実際に相手方に支払うべき金額で貸方に記帳します。商業割引や、現金割引などが行われた場合の処理については、第23回で紹介した「応収チョウ款(売掛金)」と同様の取り扱いとなります。
発票が届かないため買掛金の金額が確定できない場合には、契約などの金額(税抜価格)に基づいて「応付チョウ款-暫コ(買掛金-見積)」(コはにんべんに古)として計上します。 なお、未着品については、第15回「存貨(棚卸資産)」で紹介した通り、「在途物資(未着品)」科目を使用します。
<例18>
 A社から商品20万元を2/30,n/60(30日以内2%割引、60日内全額払い)の条件で購入した。取引に係る増値税は考慮しない。記帳は総額法による。

①8月10日に商品の検収を終え全て入庫したが、発票の交付は受けていない。
(一般的には仕訳なし)

②発票を取得しないまま8月末を迎えた。
借: 商品                        200,000
貸: 応付チョウ款-暫コ(買掛金-見積)         200,000

③9月1日(翌計算期)
借: 商品                       △200,000
貸: 応付チョウ款-コ計(買掛金-見積)        △200,000

④9月3日に発票が届き、発票に記載された金額は原材料20万元およびA社が立替えた保険費2千元であった。
借: 商品                        202,000
貸: 応付チョウ款(買掛金)-A社            202,000 

⑤9月8日、A社に代金を支払った。
借: 応付チョウ款(買掛金)-A社           202,000
貸: 銀行存款(銀行預金)                   198,000
   財務費用                         4,000