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中国に所在する企業の貨物輸出入とその決済は、税関と外貨管理局のデータ照合により、必ず通関申告と外貨決済が一致しなければならず、税金も通関申告データに基づき(税関の貨物価値審査により修正される場合を除き)輸入時の関税増値税、また輸出時の増値税還付を計算することになっています。個人の場合は、輸入時の貨物価値が50元を超えない場合は免税、50元超~1,000元は個人携帯輸入物品と個人輸入郵送品に対する「行郵税」が課税されることになっています。

中国に住む人が、香港やマカオを含む海外の商品を買おうと思う時、これまでは①自分で行って買ってくるか知り合いに買ってきてもらう(⇒交通費がかかる) ②アマゾン等海外のサイトで直接購入する(⇒関税増値税や多額の郵送費がかかるし、英語で操作が必要) ③国内のネット販売サイトに出品している海外商品を購入する という方法がありますが、この内③の方法で購入するルートの中には、通関未了、関税増値税未納のものもあり、「海淘」等と言われるこれらの海外商品の購入ルートが中国人の間でポピュラーになればなるほど、グレーゾーンの取扱として税関も目を光らせていたと言えます。

このような取引形態について全国の保税地域から6箇所を試行地域として制度化しようとしているのが「クロスボーダー電子商取引」(「跨境电子商务」)で、広東省では広州の白雲空港総合保税区が試行地となっているほか、深セン前海湾も独自に展開に取り組んでいます。

具体的には、試行地域の保税区域内にクロスボーダー電子商取引のプラットフォームを提供する企業の登記設立を認め、税関の通関ネットワークに登録させ、[クロスボーダー電子商務]の通関方式で1ヶ月に1度集中申告させることにより、このプラットフォーム上の通関申告を認めるものとなります。*1

中国税関としては、保税区内での小売業務(ネット販売は小売業務の一部に該当します)はこれまで一般的な保税区には認めてきませんでした。今回の制度化により、個人輸入のグレーな取引をなくすこと、関税増値税が免税となる保税区をこれらの商品保管にも活用できること、また企業誘致にも役立つという1石3鳥を狙っているようにも見えますが、すでに各地の試行地域では多数の企業の登録が進んでいるニュースが流れており、海外商品の購入ニーズと相まって急速な発展が見込まれています。中国人の消費市場をターゲットにする企業にとっては商品提供のルートも増えることが期待されます。

但し、この制度は始まったばかりであり、各種の通関手続上のトラブル等課題もあると聞いています。また、クロスボーダー電子商務を通じ国内商品として販売する場合の、関税増値税納付、商品ラベルや成分表の貼付等について細かい規定通知は現時点では未発布の状態ですので、今後の各試行地・政府関連部門や、プラットフォーム運営企業からの情報に注意する必要があります。

※各地の運用状況が異なる場合があります。各所在地にて再度ご確認ください。

*1:税関総署公告2014年第56号 
クロスボーダー貿易電子商務の輸出入貨物、物品に関する監督管理事項の公告
同じく第57号 税関監督管理方式コードの公告

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