中国 M&A

[M&A] 米インテル、紫光集団に90億元出資を発表

半導体世界大手の米インテルは26日、清華大学系ハイテク企業の紫光集団(北京市海淀区)に90億元(約1,600億円)を出資、株式の20%を取得することで正式契約したと発表した。28日付新浪科技など各紙が伝えた。

紫光集団は昨年12月と今年7月、ICチップ設計の展訊通信(上海市浦東新区)を17億8,000万米ドル(約1,945億円)、鋭迪科微電子(同)を9億300万米ドルでそれぞれ買収し、地場のスマートフォン向けチップメーカーとしては最大手に躍り出ていた。展訊と鋭迪科はスマホ用チップで一定の市場と顧客基盤があり、インテルは紫光集団と組むことで同分野で先行する米クアルコムと台湾の聯発科技(メディアテック)を追い上げる狙い。インテルは2012年初め、スマホ用チップ市場に参入し、PC世界大手の聯想集団(レノボ)とスマホの新商品を発売。13年にはタブレット端末向けのチップに注力し、年間4,000万台を出荷している。

情報筋によると、インテルは自社マイクロプロセッサー「x86」のアーキテクチャーを紫光集団に対して開放。チップセットの機能も統合したSoC(System On Chip)を共同で開発することで合意した。世界で需要が拡大する中低価格のスマホやタブレット向けチップ市場で競争力を高める意向だ。

インテルは先ごろ、今年末にも第3世代移動通信システム(3G)向けのチップ(SoFIA)を投入し、来年第1四半期(1~3月)には第4世代移動通信システム(4G)向けのチップを発売すると明らかにしている。

紫光集団は、1988年設立の清華大学科技開発総公司が前身。2005年に紫光集団となり、現在の従業員数は2万人、年間の売上高は100億米ドルを超え、世界の大手チップメーカーに成長している。紫光集団は向こう5年以内にメディアテックを抜き世界第2位の売上高のICメーカーになる目標を掲げている。(NNA.ASIA