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中国・加工貿易における鋼材輸入の保税政策取消に関する通知

加工貿易における鋼材輸入の保税政策取消に関する通知(財関税[2014]37号)の解説

規定概要

2014年7月2日にて、財政部、税関総署及び国家税務総局が発布した「加工貿易における輸入鋼材保税政策の取消に関する通知」(財関税(2014)37号)により、国内で加工生産が可能で、品質が次の加工ユーザーのニーズに合致する、輸入熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板、帯鉄、線材、型材、鉄鋼製線、電磁鋼板等の78の税号の鋼材製品(製品詳細は添付ファイルをご参照)について、加工貿易における輸入鋼材の保税政策を取り消し、2014年7月31日より関税と輸入環節税を徴収する。但し、7月31日までに加工貿易契約が締結備案され、且つ2014年12月31日までに実際輸入される貨物を除く。本規定は保税区企業にも適用されるが、2014年7月31日までに設立し当該加工貿易に従事する企業を除く。

原文:关于取消加工贸易项下进口钢材保税政策的通知
添付資料:第一次保税政策取消リスト(中文)

政策の背景

中国の鉄鋼業界は2012年末の稼働率72%、供給過剰のため利益が大幅に低下し経営困難な企業が増えているにも関わらず、一方で新規の工場建設が進むなど、生産過剰の解消が進まない。このため指定の鋼材の輸入について加工貿易の保税政策を取消すことにより、保税輸入鋼材の競争力を低下させ、国内調達鋼材の使用を促進する狙いがある。

企業への影響

本規定の企業への影響は次の通り。

  1. 2014年7月31日までは、現行の通りに行う。
  2. 2014年12月31日までに実際に輸入し、且つ2014年7月31日までに既に締結備案された加工貿易契約に基づく場合、現行の通りに保税輸入する。
  3. 2014年7月31日までに契約締結しておらず、或いは契約締結しても2014年12月31日までに実際に輸入しない場合、
    (1)本規定に指定する鋼材につき、企業は加工貿易手冊で輸入することはできない。更に、本規定に指定する鋼材が主要原材料である加工貿易製品については加工貿易手冊で輸出(直接輸出及び転廠輸出)することができない。
    (2)企業が国内仕入或いは一般貿易で指定鋼材を輸入し、製品に加工して輸出する時、一般貿易方式で輸出することになる。川下の生産加工工場が転廠を要求する場合、保税物流園区等に輸出し再輸入する等の方法を取らざるを得ない。
    (3)鋼材を輸出する際、輸出還付率0の貨物の輸出には、国内販売と見做して増値税を申告し納付しなければならない。