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[全訳] 「中華人民共和国労働契約法」修正に関する決定

「中華人民共和国労働契約法」修正に関する決定
原文 [1]

2012年12月28日の全国人民代表大会常務委員会において《中華人民共和国労働契約法》の修正が決定され、2013年7月1日より施行されることとなりました。《中華人民共和国労動契約法》は本決定に基づき相応の修正を行い、あらためて公布されることとなりますが、その修正内容を以下に紹介します。

1. 労務派遣に従事する企業に関する規定(労働契約法第五十七条)

労務派遣業務に従事する場合の条件は下記の通りである。
(1)登録資本金が2百万元を下回らない
(2)業務の展開に相応しい固定の経営場所と施設を有する
(3)法律・行政法規の規定に沿った労務派遣管理制度を有する
(4)法律・行政法規に規定するその他の条件
労務派遣業務の経営については労働行政部門の行政許可を申請し、許可を経て、相応の会社登記を行わなければならない。如何なる単位及び個人も許可無く労務派遣業務を行なってはならない。

2. 労務派遣労働者の権利(第六十三条)

派遣労働者は使用者における労働者と同一労働同一賃金の権利を享受する。使用者は同一労働同一賃金の原則に基づき、派遣労働者の当該会社における同類職位の労働者と同一の労働報酬分配方法を実行しなければならない。使用者に同類職位の労働者がいない場合、使用者の所在地において同一或は近似の職位の労働者の労働報酬に照らして確定する。
労務派遣会社と派遣労働者が締結した労働契約と、使用者との間に締結する労務派遣協議には、派遣労働者に支払う労働報酬が前項の規定に符合することを明記或は約定しなければならない。

3. 労務派遣業務の制限(第六十六条)

労働契約による労働者の使用は我国の企業の基本的な雇用形態である一方、労務派遣による使用は補充形態であり、臨時的、補助的或は代替的な職位において実施する。
 前項に規定する臨時的な業務職位とは、継続期間が6ヶ月を超えない職位を指す。補助的な業務職位とは、主管業務職位のためにサービスを提供する非主管業務職位のことを指す。代替的職位とは、使用者が出産、学習、休暇等により仕事ができない一定期間内に、他の労働者により代わりに業務を行う職位を指す。
使用者は労務派遣人数を厳格に抑制しなければならず、雇用者総数の一定比率を超えてはならない。具体的な比率は国務院労働行政部門により規定する。

4. 違反規定(第九十二条)

本規定に違反し、許可無く、勝手に労務派遣業務を経営する場合、労働行政部門により違法行為の停止を命じ、違法所得を没収し、違法所得の1倍以上5倍以下の罰金を課す。違法所得が無い場合、5万元以下の罰金を課す。
労務派遣会社、使用者が労務派遣関連規定に違反する場合、労働行政部門が期限を切って改善を命じる。期限を過ぎて改善しない場合、一人当たり5千元以上1万元以下の標準で罰金を課し、労務派遣単位に対し労務派遣業務経営許可証を取消す。使用者が派遣労働者に損害を与えた場合、労務派遣会社と使用者は連帯で賠償責任を負う。

5. 本決定公布前にすでに法により労働契約と労務派遣協議を締結済みのものは期限満了まで履行する。但し、労働契約と労務派遣協議の内容が本決定の同一労働同一賃金原則に基づく同一の労働報酬分配弁法の規定を実行していない場合、本決定に基づき調整しなければならない。本決定施行前に労務派遣業務を経営する会社は、本決定施行の日から1年以内に行政許可を取得し会社登記変更手続を行った上で、新たな労務派遣業務を行うことができる。具体弁法は国務院労働行政部門と国務院の関連部門により規定する。