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[シンガポール会計・税務] 第2回 どういった基準で会計帳簿をつけるのか?

経理処理は、一般的に公正妥当と認められた処理に従うことが重要である。①必要な帳簿(仕訳帳、総勘定元帳等)を揃える ②売上高は出荷基準で認識、原価は適正な原価計算方式に則る ③棚卸資産は取得原価で認識し低価法にて評価 ④費用は発生主義で認識するなどである。

財務諸表作成の際に準拠すべき国際財務報告基準(IFRS)の採用は、シンガポールにおいては、会計基準審議会(ASC)によりシンガポール財務報告基準(SFRS)として承認され施行されており、IFRSとほぼすべての基準が一致している。

会社は機能通貨を決定し、かつ、別途に表示通貨を決定しその表示通貨にて報告することとされている。機能通貨とは「企業が活動する主な経済環境の通貨」であり、表示通貨は「財務諸表で示される通貨」と定義されている。表示通貨は会社の任意で決めることができ、機能通貨と同一、または異なった通貨でもよい。

会社が子会社を有する場合、SFRS第27号(連結および別途財務諸表)に準拠する。子会社を有する親会社であっても一定の要件を満たせば、連結財務諸表の作成が免除される場合がある。資産等は当初認識後、SFRS第36号(資産の減損)に従って減損があるか判定して会計処理を行い、適宜開示をする必要がある。金融商品については、SFRS第39号(金融商品の認識と測定)を基に商品の種類および保有目的などにより認識、測定する。

SFRS第2号(棚卸資産)では、先入先出法、または加重平均法での標準処理が一般的である。また、会社が従業員に未使用の有給休暇の1年間繰越を認めているのが一般的で、SFRS第19号(従業員給付)では人件費を適切に期間費用・債務認識する会計処理が必要とされている。

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